知識蓄積ノート【投資・FIRE】

日々得られる知識、洞察をひたすら蓄積するブログ

【株式投資/企業分析】日本製鉄(24年3月期 通期決算)

 

株価チャート

直近では24年3月の3,800円を天井にして下降トレンドに転換。

5/9の決算発表後は一時窓を開けて下落している。

 

週足で見ると20年3月の800円を底にして上昇トレンドを長期に渡って形成。

ただし、やはり直近では3,800円が天井となって売り戻されているような動き。

 

 

日足チャート

 

週足チャート

 

 

 

24年3月期 通期決算

決算発表日:2024年5月9日

 

売上高、営業利益

  • 売上収益:11.2%
  • 営業利益:△11.9%
  • 営業利益率:8.7%

 

増収減益。

営業利益に関しては約12%減

営業利益率は8.7%まで落ち込んでいるが、それでも装置産業である製鉄ということを考えてもまだまだ高い部類に入るか。

 

 

配当

  • 配当金:160円
  • 株価(5/19):3,282円
  • 一株利益:326.00円
  • 配当利回り:4.8%
  • 配当性向:49.0%

 

24年度は大幅な減益予想になっているのにもかかわらず、配当金は160円を維持。

直近の株価下落もあって、配当利回り4.8%と非常に高い値になっている。

 

それでも配当性向は50%程度なので、まだ配当原資には余裕はありそう。

 

 

 

 

配当性向は「30%程度目安」とのこと。

25年度は利益水準が回復する見込みであること、そして24年度の配当性向を49%まで上げたとしても21~24の平均配当性向は28%にとどまることから、24年度は160円の配当(配当性向49%)としている。

 

 

 

25年3月期 通期業績予想

  • 売上収益:△0.8%
  • 事業利益:△25.3%
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:△45.4%

 

売上については0.8%の微減、しかし純利益には45%という大幅な減益を予想している。

 

 

 

  • マージン:-1,100億円
  • その他:-1,240億円

 

外市況分野のマージン低迷による減益、人的投資/償却費増による減益が主な減益理由。

 

 

損益計算書

 

売上収益は前年度比で約9,000億円のばすことができており、それに伴い 売上総利益も約900億円増加している。

ただし、販管費が1,500億円も増加しているため、その影響も大きく営業減益につながっている。

 

 

キャッシュフロー計算書

 

営業キャッシュフローだけで約1兆円のキャッシュを稼ぐことができている。

投資キャッシュフローとして約7,100億円のキャッシュを使ったとしても、フリーキャッシュフロー約3,000億円を確保。

 

 

USスチール買収

23年12月にUSスチール買収を公表。

買収対価は14,126百万ドル(約20,100億円)。

 

 

 

 

24年4月12日のUSスチール株主総会で買収承認済み。

 

ただし、関係当局の承認等の取得時期精査の結果、買収完了予定時期を「24年第2又は第3四半期」から「24年第3又は第4四半期」に延期している。

米大統領選でこのUSスチール買収も取りざたされており、11月に予定の米大統領選の後も視野に入れるとのこと。

 

 

 

 

 

USスチールの21~23年実績平均の税引き前利益が 4,180億円/年

USスチールを子会社化し、USスチールの利益を加算することによって、連結事業利益で1兆円の水準を目指すとのこと。

 

 

 

関連記事

 

日鉄、今期純利益45%減 中国の鋼材価格下落響く

2024/05/10  日本経済新聞

 

日本製鉄は9日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比45%減の3000億円になる見通しだと発表した。中国の不動産不況で鋼材価格が下落し利幅が減る。国内も需要が低迷するなか、成長には米鉄鋼大手USスチールの買収が欠かせない。ただ、買収完了にはハードルが残り、長期化の可能性が高まっている。

www.nikkei.com

 

 

日鉄、USスチール買収時期を7~12月に延期

2024/05/04  日本経済新聞

 

日本製鉄は3日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画の完了時期について従来の2024年4~9月から、7~12月に変更すると発表した。日鉄とUSスチールが米司法省から反トラスト法(独占禁止法)の審査に関して追加情報や資料の要請を受けたため。11月に予定の米大統領選の後も視野に入れる。

www.nikkei.com

 

 

日鉄、米労組・安保が次の壁

USスチール買収承認 大統領選で政治問題化 鉄鋼労組、改めて反対

2024/04/14  日本経済新聞 
 

米USスチールの株主が日本製鉄による買収を承認した。手続きは一歩進んだが山場はこれからだ。米大統領選を控えて発言力を増す労働組合との交渉に加え、経済安全保障への影響を調べる米当局の審査もある。日鉄の買収は再び海外に打って出始めた日本企業を象徴する動きだ。世界の分断で米国市場の重みは増している。成否は日本の成長戦略をも左右する。 

www.nikkei.com

 

 

まとめ

23年度は増収減益。

24年度はマージン低迷もあって約45%という大幅な減益を見込んでいる。

 

配当性向の目安は30%。

利益水準の低迷が続けば、当然将来的な減配が視野に入ってくる。

 

USスチールを買収することによって約4,000億円の利益増加を見込んでいる。

買収できるかはまだまだ不透明だが、買収できるかどうかも今後の配当水準に影響しそう。

 

現状の配当利回りは確かに魅力的。

ただし、将来的な不透明感がどうしてもぬぐえないので、ポートフォリオに加えるとしても金額を抑えてリスクを抑えたほうがいいかな。

 

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

セミリタイアランキング
セミリタイアランキング