OLさんは肘が痛い

 肘痛の原因は野球、テニス、ゴルフなどのスポーツ障害が有名ですが、鍋や包丁を使う料理人、重いものを運ぶ肉体労働者、デスクワーク中心のOLさんやビジネスマンも肘痛でお悩みの方は大勢います。
職業別の発生率はパソコン作業を主とする仕事が一番多く、現代病ともいえるでしょう。
肘の痛みを放置すると、肘だけでなく五十肩の原因やひどい肩こりを併発することもあるので要注意です。
デスクワークで肘を痛めるケースは、長時間のキーボード作業や不良姿勢が原因となります。
始めは肘の外側(親指側)が作業中に痛くなり、ひどくなると安静時にも痛みを感じるようになります。

施術事例 「肘の痛み」20代女性 職業 会社員
主な症状:右肘外側が仕事中や物を持つ動作で痛む。
OLさん来院

問診で状況をお聞きします。
・Q いつ頃から痛みましたか?
 A 2カ月ほど前から気になりだし、最近は痛みで仕事に集中できない位悪化してしまった。
・Q 何をしていて痛めました?
 A 平日の日中は6時間ほどのデスクワーク、キーボードを打ち続けているとのこと。
・Q どこの部分がどのように痛みますか?
 A 右肘外側が仕事中や物を持つ動作で痛む。
・Q 他に受診した病院などはありますか?
 A 整形外科でのレントゲン検査は骨に異常なし、湿布で様子を見たが痛みの改善は無い。
   マッサージ店で肘を揉まれたら更に痛くなった。

視診、触診で痛みの原因を特定します。
・猫背で肩は内巻き、頭は前方に移動している。
・腕は内側に捻じれ、皮膚は湿布でかぶれている。
・肘の外側に圧痛著明、前腕は固く弾力性が低下している。
・肘を伸ばした状態で手首をそらせる動きに抵抗を加えると、肘外側が強く痛む。(Thomsenテスト陽性)

上記より上腕骨外側上顆炎と判断する。
上腕骨外側上顆炎とは別名テニス肘とも呼ばれますが、実際は仕事や日常生活動作が原因の方も大勢います。
キーボード作業の多い方にも起こる肘外側(親指側)の症状で、手首や指を伸ばす側の筋肉に不調が出ると起こる、肘関節外側の炎症です。
キーボード作業は手のひらを下にして手首を上げながら行う動作ですね、この動きが原因です。
作業に加え不良姿勢が重なると、そこからは悪循環で症状は進行します。

施術開始

施術のメインは手技です。
当院の手技は解剖学的根拠に基づいた西洋医学的手技と、人体の回復力を高める東洋医学的手技を組み合わせて行います。
肘の外側には手首や指を伸ばすいくつかの筋肉が共同腱となり付着しています。
指や手首を動かすたびに、共同腱に負担がかかり少しずつ傷ついてしまうのが上腕骨外側上顆炎の原因になります。
この共同腱やその動きを滑らかにする脂肪組織との間には橈骨神経が走り、その神経が圧迫されると親指や人差指が痺れることにも繋がります。
過緊張を起こしている短橈側手根伸筋の緊張を緩め、肘外側に余裕を持たせると痛みは軽減します。

患部に手技を加えるのは、痛みが強い急性期の段階では必要最低限にとどめます。
ここで痛む肘は葉、その腕全体を枝、体全体を木の幹、生活環境を森と見立てて説明します。
枝の環境が悪ければ、葉は枯れてしまうので、腕全体の筋肉と関節の運動連鎖を改善させます。
この段階で肘の痛みはさらに改善。
木の幹がしっかり立っていないと、枝は支えられません。
猫背で巻き込んだ肩と前方に移動した頭の位置を、骨盤背骨と肩甲骨の施術で調整します。
この段階では肘を動かしても症状はほとんどでなくなりました。
森とは生活環境全体、仕事の姿勢や腕を酷使した後の対処法などを伝えます。
樹木に例えた一連の施術で、治る環境が整います。
仕事を休めない場合はサポーターを使う場合もありますが、なぜ痛むのか?をきちんと理解できれば改善のサイクルに入ります。
彼女の場合は肘の痛みが改善されると同時に、以前から悩まされていた肩こりや頭痛も軽減しました。

患部だけでなく、体全体を診る施術方針は、再発予防や他の症状改善にも繋がります。
肘の痛みひとつでも、その背景には人それぞれのストーリーがあります。
痛みや不調は突然発生するものではなく、今までの生活環境、仕事、スポーツなど積み重ねの結果です。

肘の痛みでお悩みの方は大勢います、治らずお困りの方は肘以外の原因にも目を向けてみてください

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痛みからの解放、テーマは「筋肉」

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