街中の屋台でカオジー (ข้าวจี่) を焼いている風景を見かけることがある。街中の屋台では、丸い形のおにぎりスタイルが多いので「カオニャオの焼きおにぎり」とも言えるだろう。カオニャオ (ข้าวเหนียว) とは「もち米」のことである。カオジーの伝統的な作り方は、蒸したカオニャオを軽く潰し筒状に成形して串に刺して火で炙り、形が固まったらタレを塗り、香ばしく焼き上げる流れ。日本の五平餅に近いようだ。
バンコクでは、イサーン料理系の屋台で見かけることが多い。カオジーはイサーン地方の郷土料理なのだ。カオニャオをペットボトルの輪切りなどを利用した綺麗な円盤型スタイルが多く、串刺しスタイルはほどんど見かけない。溶き卵に醤油などを加えて味付けしてあるタレを塗るので、焼き上がりは黄色味を帯びている。何と ... 卵かけご飯の焼きおにぎりなのだ。なお、カオニャオ自体にも塩で薄味を付けているのだが、今は昔と違い少量のココナッツミルクも加えるらしい。
最近の我が家は、近くあるイサーン料理のおかず屋台のカオジーをよく買うようになった。おかずの値段も安いし味も良い。ついついカオジーも ... 1個 10バーツ也。
以下の写真は、屋台で買ったナムトックムーとカオジーの様子。この屋台のカオジーは厚みもあり、外はカリカリ、中はしっとり/モッチリで非常にウマい。屋台によっては、厚みのないカオジーもあるのだ。
ところが ... なのである。この屋台には2種類のグループのカオジーがあるのだ。一つ目のグループはしっとり感/モッチリ感があり、2つ目のグループはしっとり感/モッチリ感が薄く全体が硬めの仕上がりなのだ。この硬めのカオジーが好きが方もいるのだ。
以前、買ったことがある屋台のカオジーは硬くて不味いと感じたことがあるが、硬いタイプを好む方向けのカオジーだったのだ。焼き加減や味は作り手次第。好みの分かれるところではあるが、タイのカオニャオの焼きおにぎり、是非とも挑戦してみてはどうだろう! もちろん、自分で作るのも面白い。
こぼれ話
イサーン地方にはブンカオジー (บุญข้าวจี่) と言う伝統仏事があり、この日にはカオジーを作りお寺にタンブンするのである。タンブンとは、お布施をしたり寄付をしたりして「善行を行う/徳を積む」こと。カオジーと仏事との関係/カオジー伝説について興味のある方は「บุญข้าวจี่」で検索願う。どこの国や地域にもいろいろな言い伝えや伝統行事があるものだ。以下の写真は、伝統的な串に刺したカオジー。