ジョブハンティング! 弁護士、派遣、社畜、銀座ホステス、いろいろやってみた。

元派遣、氷河期世代かつ団塊ジュニアの弁護士が外資系や大中小企業など40社以上で働いた経験をもとに、氷河期世代を取り巻く諸問題、40代派遣・フリーターから正社員へのステップアップのコツ、日々思ったことなどを綴っていきます。

なぜ沈黙してはいけないのか?女子学生の就職氷河期

はい、こんにちは。ヴィヴィアンです。

 

前回↓は女子学生からみた就職氷河期について書きました。

vivien-moriya.hatenablog.com

このテーマは、以前からずっと、絶対に書きたい!と思っていました。なんでって、当事者以外誰も氷河期のことを知らないからです。特にこの時代の女性差別のことはメディアも一切取り上げないほど誰も知らなさすぎるからです。

 

あっ、もしかして、一流企業が率先して女性差別を行っていたから、取り上げにくいとか? 近年、多くの企業が、社内で活躍しているキラキラ女性をメディアや自社サイトに登場させて、アピールしまくってますからね。初めての女性役員誕生!とかね。水を差すことになりますもんね。

 

すごく嫌なのが、男女雇用機会均等法が施行された1986年以降、就職における女性差別は日に日に解消されつつあると誤解されてしまっている点なんですよね。実際は、同法施行後しばらく経過してから、氷河期の一時期において露骨な女性差別が復活し、逆行した時期があったのです。ほんの一時期だったために、見落とされてしまっているというか、今ではほぼ完全に忘れ去られています。そのため、女子学生の方がはるかに大変だったにもかかわらず、人々の無関心に加え、当時同法施行から10年以上経過していたこともあいまって、「男女とも同じように大変だった」と勘違いされてしまっているんです。

その勘違いアタマで見ると、当時珍しかったバリキャリ志向女子の見るも無残な経歴を正しく評価することができないのです。

 

ストレート4大卒氷河期世代は現在アラフィフですが、大きな痛手を負った人ほど、低収入、低年金、低資産でしょうから長く働き続けなければなりません。あと20年でしょうか。それともあと30年でしょうか。そうすると、まだ、これからも転職市場に何度か現れる機会があるはずなんです。

 

もちろん、企業の人事がこのブログを見るはずがないのは分かっていますし、読んだところで、何とも思わないでしょうし、何かが変わるということはないのですが、書かないと私の気が済まないのです。事実をはっきり書いて、はっきりしておきたいんですよね。

 

そんなわけで、今回は男女雇用機会均等法の話が中心です。わたしは全く詳しくないのですが、ただ、ちょっと誤解を招くところがあるようなのです。

 

実は、同法では当初、募集・採用についての女性差別は禁止しておらず、努力義務でした。その後1999年4月施行法から禁止になりました。ですから、2000年就職の前後までは女子学生を排除したことは同法違反にはならなかったのです。

 

法律名のイメージから、なんとなく当然禁止されていたものと思い込んでいましたが、前回の記事を書くにあたり調べてみたら努力義務とあって、はぁ?ふざけんなよ!と思いました。よくある骨抜きの法律だったんですね。

 

主にコネで入った女性や一般職で入った女性しか保護されない法律だったわけです。だって、コネなし総合職志望女性の新規参入は阻まれたままだったのですから。

 

おいおい、上野千鶴子は何してたんだ!田嶋陽子も何やってたんだ!(笑)

日弁連も弁護士会も、この役立たず!!死刑廃止ばかりいいやがって!(怒) 

 

← 調べたところ、声明を出していたようです(笑)。でも、それくらいアタシでもできるよ。上野千鶴子さんもなんか吠えていたかもしれませんね。

 

そうすると、2000年以降に就職した女性たちはそれほど大変ではなかったようにも思えますが、じつは、私は2000年就職した友人知人が多数いたのですが、かなり苦戦していました。ですから、改正されてすぐに女子学生の扱いが改善されたかどうか分からないですね。

 

というか、ぶっちゃけ、いまだって、どうなんでしょうね?募集や採用に関する女性差別、随分改善されたことは間違いないと思いますが、まだまだあると思います。

ただし、現在は、女性差別があるとしても、氷河期と異なり、育休や短時間勤務等女性に対する過剰なまでの配慮が求められることに起因するものが多いでしょうし、その意味では氷河期の差別とは本質的に異なると思います。

 

わたしは男女雇用機会均等法については、1986年に施行され、それ以来、徐々に女性総合職が採用されるようになったとか、非常に画期的な法律とのイメージが強かったのですが、実際の当時の内容はイメージとかけ離れています。もちろん、企業だって遵守していたわけではないでしょうし。

 

この法律の施行により、就職時の女性差別が順調に解消されてきたなんていう誤ったイメージが一般に広まっているのは非常に問題だと思っています。なぜなら、同法施行以降の女性の経歴・肩書等は、その女性の能力や適性、努力等の結果だと勘違いされてしまうからです。また、氷河期においては、前述の通り、女子学生も「男子学生と同じくらい大変だった」と勘違いされてしまうからです。

 

今の若い女性が男性と同等もしくはそれに近い扱いを受けられるようになったのは、同法が大きく寄与していると思いますが、一方で骨抜き同法の施行や、これについての無知が現在においてもなお、勘違いや差別を助長し、私たち世代の女性たちの足を引っ張っている側面があるわけです。

 

そもそも、男女雇用機会均等法の施行が1986年と知られてしまっているのがダメなんですよ。実効性のある改正法は1999年4月施行なのですから、まぁ、2000年を少し過ぎてから徐々に改善されてきたということで、ここ20数年のことにすぎません。

 

正直、女子学生の氷河期を書くにあたり、男女雇用機会均等法について書くつもりはなかったのですが、調べてみたら、

「1986年の男女雇用機会均等法の施行により、雇用において女性差別が禁止され、大卒女性の総合職が増加した」

なんて一般に流布している女性の社会進出の歴史がちょっとウソだったのが分かったので、簡単に書いておきました。