ウェザリング

模型のウェザリング表現にはさまざまな技法がありますが、その中でも「ピグメント(顔料)」を活用すると、リアルな砂埃や泥汚れを簡単に再現できます。
戦車や航空機、ガンプラなどの表面に蓄積した汚れをリアルに表現し、よりリアルな仕上がりを目指しましょう。

本記事では、ピグメントの基本から応用テクニックまで詳しく解説します。

ピグメントとは?ウェザリングでの役割

ピグメント(顔料)とは?

ピグメントとは、非常に細かい粉末状の塗料成分で、塗膜を形成せずに表面に定着するのが特徴です。
通常の塗料とは異なり、乾燥後も粉っぽさを残しつつ、自然な汚れを表現できます。

塗料やウォッシングとどう違うのか?

技法特徴
ピグメント粉末状の汚れを再現。砂埃や泥汚れに最適。
ウォッシング流し込んで汚れを強調。溝や影に適している。
チッピング塗装剥がれを表現。金属の摩耗感に適している。

ピグメントは、他のウェザリング技法と組み合わせることで、よりリアルな表現が可能になります。

どんな模型に適しているのか?

ピグメントは以下のような模型に活用できます。

  • 戦車・ミリタリーモデル:履帯や車体下部の泥汚れ、砂埃の表現
  • 航空機モデル:排気口や主脚周辺の汚れ、雨垂れ跡
  • ガンプラ・SFモデル:関節部やアーマーの汚れ、戦場の雰囲気を演出

ピグメントを使った基本的な汚し表現

必要な道具

ピグメントを使用するために、以下の道具を準備しましょう。

  • ピグメントパウダー(各種カラー)
  • 定着剤(ピグメントフィクサー)
  • 筆(硬めと柔らかめの両方)
  • 綿棒・スポンジ(ぼかし用)
  • エアブラシ or つや消しトップコート(仕上げの固定用)

乾式と湿式の使い分け

ピグメントは「乾式」と「湿式」の2つの方法で使用できます。

乾式(ドライ)

  • 筆やスポンジでピグメントを塗布。
  • 砂埃や煤(すす)表現に適している。
  • 手軽で調整しやすいが、固定しないと落ちやすい。

湿式(ウェット)

  • ピグメントフィクサーや溶剤を使って定着。
  • 泥や雨の流れ跡、オイル汚れの表現に適している。
  • 乾燥後も粉っぽさを残せるが、定着後の調整は難しい。

色選びのポイント

表現おすすめの色
砂埃ベージュ、イエローオーカー
泥汚れダークブラウン、レッドブラウン
サビレッド、オレンジブラウン
煤(すす)ブラック、ダークグレー

応用テクニックでさらにリアルに!

濃淡をつけて自然なグラデーションを作る

  • 濃いピグメントをベースに、明るめの色を重ねることで自然な汚れを表現。
  • 乾式で軽く塗り、湿式で部分的に濃くする。

ウォッシングやチッピングとの組み合わせ方

  • ウォッシング後にピグメントを使うと、より自然な汚れ感が出る。
  • チッピングで塗装剥がれを再現し、その周囲にピグメントを加えると、摩耗した質感が増す。

ピグメントを使ったサビや煤(すす)の再現

  • 金属部分のサビ:オレンジ系のピグメントをスポンジで塗布し、黒や茶色のウォッシングを重ねる。
  • 排気口の煤:ブラックピグメントを筆で軽く叩くように塗布し、綿棒でぼかす。

作例紹介:ピグメントを活用した汚し表現

戦車モデル

  • 履帯にダークブラウンのピグメントを塗布し、乾燥した泥汚れを再現。
  • 車体の下部にはベージュのピグメントで砂埃を追加。

航空機モデル

  • 排気口や銃口にブラックのピグメントを軽くのせ、煤汚れを演出。
  • 主脚周りにウォッシングを施し、ピグメントで泥汚れを強調。

ガンプラ・SFモデル

  • モビルスーツの関節部にダークグレーのピグメントを使用し、使用感を演出。
  • 戦闘ダメージ表現として、装甲の凹凸にサビ色のピグメントを加える。

まとめ:ピグメントで仕上げるリアルなウェザリング

  • ピグメントは粉末状の塗料で、砂埃や泥汚れをリアルに再現できる。
  • 乾式と湿式を使い分けることで、表現の幅が広がる。
  • ウォッシングやチッピングと組み合わせると、さらにリアルな仕上がりに。