ウェザリング塗装

ウェザリングの代表的な技法である「チッピング」と「ウォッシング」。
これらを組み合わせることで、単体では出せない奥行きのあるダメージ表現が可能になります。

戦車、航空機、ロボットなど、さまざまな模型に使い込まれた質感を加えることができるため、リアリティを追求したい方におすすめです。

本記事では、それぞれの技法の基本から、効果的な組み合わせ方まで詳しく解説していきます。

チッピングとは?塗装剥がれの基本表現

チッピングとは、塗装が剥がれた様子を再現するウェザリング技法の一つです。
長年使い込まれた金属製のパーツや、戦闘でダメージを受けた機体の表現によく用いられます。

主なチッピング技法

  • スポンジチッピング:スポンジを使って塗装を剥がしたような効果を演出。
  • 筆チッピング:筆で細かい剥がれを描き込む。
  • ヘアスプレー法:下地を残しながら上塗りを剥がすことでリアルな塗装剥がれを表現。

使用する道具と塗料

  • スポンジや筆
  • エナメル塗料やアクリル塗料
  • パレットやペーパータオル
  • ピンセットやマスキングテープ(細部の調整用)

リアルなチッピングを作るコツ

  • エッジや摩耗しやすい部分を中心に:ハッチや関節部、パネルの角など。
  • 色の選び方を工夫する:金属部分はシルバー、塗装の下地が見える部分はダークグレーやブラウン。
  • 大小の剥がれを組み合わせる:単調にならないように細かい剥がれと大きな剥がれを混ぜる。

ウォッシングとは?汚れや影を強調する技法

ウォッシングとは、塗料を流し込むことでモールドを強調し、汚れや影を表現する技法です。チッピングと組み合わせることで、ダメージ表現にさらなる深みを加えます。

主なウォッシング技法

  • エナメルウォッシング:エナメル塗料を薄めて流し込み、不要な部分を拭き取る。
  • アクリルウォッシング:水で薄めたアクリル塗料を使い、自然な汚れを表現。
  • オイルウォッシング:油絵の具を使用し、より滑らかなグラデーションを作る。

使用する道具と塗料

  • エナメル塗料やアクリル塗料
  • 溶剤(エナメルシンナーなど)
  • 筆、綿棒、ティッシュ

リアルなウォッシングを作るコツ

  • 凹凸のある部分に汚れを流し込む:モールドの溝やリベット周りに塗料を流し込むことで陰影が強調される。
  • 拭き取りを工夫する:拭き取る方向を意識することで、雨垂れや泥の流れを表現。
  • 色を使い分ける:油汚れには黒やダークブラウン、砂埃には明るめのベージュ系を使用。

チッピング+ウォッシングの組み合わせ方

① チッピングを施す

スポンジや筆でエッジ部分を中心に剥がれた塗装を再現。

シルバーやダークグレーの塗料を使い、自然な摩耗感を出す。

② ウォッシングで汚しを加える

チッピングを施した部分を中心にウォッシングを行う。

隙間やモールドに塗料を流し込み、拭き取りながらリアルな質感を作る。

③ 仕上げの調整

はみ出した塗料を綿棒で拭き取り、自然なグラデーションを作る。

乾燥後、必要に応じて追加のチッピングやウォッシングを施す。

チッピング×ウォッシングを活用した作例紹介

戦車モデル

ウェザリング

装甲部分の剥がれや泥汚れを表現。

エッジのチッピングと車体のウォッシングで使用感を演出。

航空機モデル

ハセガワ T-4

翼のリベット周りに剥がれや雨垂れ汚れを再現。

戦闘機の機体パネルに施されたウォッシングがリアル感を強調。

ガンプラ・SFモデル

ウェザリング

モビルスーツのアーマーに施された戦闘ダメージ表現。

ジオラマと組み合わせて、よりストーリー性のある仕上がりに。

まとめ:組み合わせ技法でリアルなダメージ表現を極めよう!

チッピングで「塗装剥がれ」、ウォッシングで「汚れ・影」を加えることで、よりリアルな仕上がりに。

どちらの技法も単体では出せない深みのある表現が可能。

簡単なテクニックを組み合わせるだけで、模型のリアリティが格段に向上。

ぜひ、今回紹介したテクニックを活用し、よりリアルなダメージ表現を追求してみてください!