俳聖・松尾芭蕉も、実は弟子たちに手厳しいツッコミを入れられることがあった。「奥の細道」の旅で、芭蕉が「五月雨を 集めて早し 最上川」と詠んだ時、弟子の河合曾良が「いや、先生、これじゃ雨の量が多いだけで、川の勢いが伝わらないっすよ」と遠慮なく指摘したらしい。芭蕉はムッとしたのか笑ったのか定かではないが、結局この句は後世に残り名句となった。普段は弟子たちを指導する立場なのに、旅の疲れもあってか逆にダメ出しされるシーンを想像すると、偉大な俳人にも人間らしい一面があって微笑ましい。曾良の日記に残るこのやりとりが、師弟の仲の良さも感じさせてくれて、なんだかほのぼのする話だ。
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