村上春樹が作家になるきっかけは、1978年4月、神宮球場でヤクルトスワローズの試合を見ていた時のこと。デーブ・ヒルトン選手が打った二塁打が気持ちよく決まった瞬間、「俺、小説を書けるかもしれない」と突然ひらめいたのだそうだ。特別な文学的啓示でもなく、ただビールを飲みながらの野球観戦という日常の中でポンっと湧いたアイデアが、「キッチン」から「ノルウェイの森」へと繋がっていくのだから驚きしかない。その後、彼はジャズバーを辞めて執筆に専念するが、こんな気まぐれな思いつきが世界的作家の第一歩だったなんて、笑えるほど軽やかで微笑ましい。村上本人はこの話をインタビューで淡々と語るが、そのラフさがまた彼らしい。
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