チ。―地球の運動について― 第3話より 🄫Gomdori co., Kim Jeung-Wook, Han Hyun-Dong／Mirae N／Ludens Media／朝日新聞出版／NHK・NEP・東映アニメーション
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アニメの中に登場する「裏表の性格の差」が激しいキャラクター（や裏表の関係のキャラクター）を「エニアグラム」を使って分析するこのシリーズ。
今回の考察は「 チ。―地球の運動について―」に登場する一ノヴァクとラファウ。2人は「表の主人公」と「裏の主人公」の関係。
「 チ。―地球の運動について―」は主人公がラファウ（第1章）→オクジ―（第2章）→ドゥラカ（第3章）と入れ替わっていくお話ですが、その裏では一貫してノヴァクをメイン主人公とした物語構成となっています。
ノヴァクを主人公とした物語の構成を詳しく見ていきましょう。
「チ。―地球の運動について―」PV
【ノヴァク】（タイプ3ｗ2：主人公）
タイプ3w2（魅了する人）は基本的に目立ちたがり屋（タイプ3）の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き（タイプ2）な面があります。
チ。―地球の運動について― 第1話より 🄫Gomdori co., Kim Jeung-Wook, Han Hyun-Dong／Mirae N／Ludens Media／朝日新聞出版／NHK・NEP・東映アニメーション
【ラファウ】（タイプ7w8：裏の主人公）
タイプ7w8（現実主義者）は基本的に明るく人生を楽しみたい（タイプ7）タイプ、それに加えて現実的で社交的、人と仕事をするのを好む（タイプ8）性格。
チ。―地球の運動について― 第1話より 🄫Gomdori co., Kim Jeung-Wook, Han Hyun-Dong／Mirae N／Ludens Media／朝日新聞出版／NHK・NEP・東映アニメーション
主人公：ノヴァクの性格とその世界観
ノヴァクの性格は3ｗ2（魅了する人）
タイプ3w2は基本的にプライドが高く目立ちたがり屋（タイプ3）の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き（タイプ2）な面があります。
ノヴァクのウィングの重さはおそらく★2。
【ウィングの強さについて】
ウィングが★2のキャラクターは他人に対して消極的な所があり、タイプ3にしてはあまり「目立ちたがり」ではありません。
しかし彼の言動にはタイプ3w2らしい「実績重視でかっこつけ（キザっぽい）」と「おせっかい」な性格を見る事ができます。
ノヴァク：「私なりの方法論をまとめると うちの司教さまは宇宙論関係を重視している だからそういう案件があったら意識的に手を上げれば点数を稼げる あと一人の大物を堕とそうと長期間こだわるより 小物でも大勢を処理した方がいい 人数の実績は見栄えがいいからさぁ」【実績重視・かっこつけ】
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ノヴァク：「あと これ 君のだろ 大学の入学許可証 これはまだ有効だ 神学で人生をやり直せる この世で最も肝心な選択とは 何をあきらめるかだ 君は賢いんだろ 正解を選べるはずだ」【おせっかい】
裏の主人公：ラファウの性格とその世界観
裏の主人公ラファウの性格は7ｗ8（現実主義者）。
タイプ7w8は基本的に明るく人生を楽しみたい（タイプ7）性格、それに加えて現実的で社交的、人と仕事をするのを好む（タイプ8）性格ですが、「人とのつながり」よりも「出来事を引き起こす事」に関心があります。
ラファウ：「その前に生きるのが上手かった それもすごく 僕の信条は合理的に生きるだ 愛とかに代表される無為な感情や 無駄な欲望に惑わされず 合理的な選択をすれば この世は快適に過ごせる」
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ノヴァク（主人公）とラファウ（裏の主人公）は表と裏の性格。
「裏の主人公の役割は主人公を否定する事」。
ラファウはノヴァクに対するアンチテーゼ。両者のぶつかり合いはそのまま2人の成長へと繋がっていきます。
ラファウ：「敵は手ごわいですよ あなた方が相手にしてるのは ぼくじゃない 異端者でもない ある種の想像力であり 好奇心であり ひっきょう それは知性だ」（中略）
ノヴァク：「そ、そんなの2000年近くも前の愚かな異教徒の言葉だろ 奴らには絶対神も救いも無い そんな言葉が何になる！！」
ラファウ：「感動できる」
ノヴァク：「か…ん…」
ラファウ：「フベルトさんは死んで消えた でもあの人のくれた感動は今も消えない 多分 感動は寿命の長さより大切なものだと思う だからこの場は 僕の命に代えてでも この感動を生き残らせる」
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ノヴァクとラファウの対決シーンでは上手（右）にノヴァク。それに対してラファウが下手（左）に描かれています。通常主人公は上手、主人公に相反するキャラクターが下手に配置される事からこの場面の主人公がノヴァクであると考察できます。
「人々（神や司教）からの賞賛を得るふるまい」をしてきたノヴァク（主人公）が壁にあたり、その問題を解決するために「自分自身が関心のあるふるまい」を見つけようとする。それがノヴァクのお話。
アントニ司教：「いいかノヴァク君 はっきり言おう 人を拷問し殺すなら その理由に正統性があるかくらいは自分で調べろ」
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第3章のノヴァクとドゥラカ（＆アントニ）の対決シーン。こちらも上手にノヴァクがいる事から主人公がノヴァクである事が分かります。
主人公を導く者：ヨレンタ
ノヴァクとラファウの性格は正反対で水と油の関係。2人の関係を導く存在が必要。
その役割はノヴァクの娘、ヨレンタが握っています。
【ヨレンタ】（タイプ6ｗ5：守る人）
※自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性（タイプ6）、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意（タイプ5）な性格。
6w5は6ｗ7より集中力に優れているが、関心事は狭まる。往々にして、不利な立場にある人やグループの代弁をしたり擁護をします。
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ヨレンタ（タイプ6）はノヴァク（タイプ3：主人公）にとっての「主人公を導く者」の位置。
ヨレンタの導きによってノヴァクは裏の主人公であるラファウ（タイプ7）の良い影響（自分自身が関心のある[楽しい]ふるまいを実行する）を受ける事が可能となります。
タイプ3（ノヴァク）の成長方向はタイプ6（ヨレンタ）。タイプ6の長所は「仲間を大切にする行動と思慮深さ」。
人々からの賞賛を得るふるまいで行き詰まっていたタイプ3は人々を信頼して共に行動する事で成長できるのです。
しかしノヴァクはヨレンタに自分の仕事についての話をしていません。そしてその結果、導きを得られずにラファウ（裏の主人公）を死に追いやり、ヨレンタ（主人公を導く者）をも殺してしまいます。
ノヴァク：「その不安は分るよ 社会にとって必要な仕事だけど 異端と接したり 拷問したりするのは気持ちいいもんじゃないからねぇ 私だってまだ娘にちゃんと話せてないし」
チ。―地球の運動について― 第11話より 🄫Gomdori co., Kim Jeung-Wook, Han Hyun-Dong／Mirae N／Ludens Media／朝日新聞出版／NHK・NEP・東映アニメーション
ヒロイン（宿敵）：アントニ司教
主人公のノヴァクに対するヒロイン（宿敵）はアントニ司教。
ヒロインは主人公の「憧れ」で同時に「救い出すべき（又は克服するべき）存在」でもあります。
【アントニ】（タイプ9w1：夢見る人）
※マイペースなのんびり屋さん（タイプ9）、それに加えて真面目で正義感が強い（タイプ1）性格。
9ｗ8より内向的。冒険を好まず控えめ。
チ。―地球の運動について― 第1話より 🄫Gomdori co., Kim Jeung-Wook, Han Hyun-Dong／Mirae N／Ludens Media／朝日新聞出版／NHK・NEP・東映アニメーション
アントニ司教（タイプ9）はノヴァク（タイプ3）にとって「憧れ方向」の存在で頭が上がりません。
ノヴァク：「い、今はここで司教をされてるのですね 私はノヴァクです」
チ。―地球の運動について― 第1話より 🄫Gomdori co., Kim Jeung-Wook, Han Hyun-Dong／Mirae N／Ludens Media／朝日新聞出版／NHK・NEP・東映アニメーション
上で紹介したメインキャラクターの関係をまとめると以下の図になります。
3w2が主人公のストーリーライン
【3w2（ノヴァク）のストーリーライン】
「人々からの賞賛を得るふるまい」をしてきた主人公が壁にあたり、その問題を解決するために「自分自身が関心のあるふるまい」を見つけようとする。
表の性格（3w2）のノヴァクは人々（他人）の賞賛を求めて進んで来ましたが大きな壁に当たります。そんなノヴァクが裏の主人公 ラファウ（7w8）と分かり合い、自分の夢と冒険を得る事によって壁を乗り越えていく。それが3w2の物語の基本パターン。
しかし裏の主人公（ラファウ）との相互理解を行う事ができなかったノヴァクは悲惨な末路へと向かうのです。
【3w2のストーリーラインの詳しい解説はこちらをご覧ください】
おまけ（各章の主人公達の関係）
ノヴァクは物語全体のメイン主人公ですが、各章ではそれとは別にサブ主人公達が設定されています。それぞれの主人公達を取り巻く人物関係をまとめました。
【第1章】主人公：ラファウ（7ｗ8）
※ラファウはノヴァクに対する裏のキャラクター
【第2章】主人公：オクジ―（9ｗ1）
【第3章】主人公：ドゥラカ（1ｗ2）
※ドゥラカはヨレンタに対する裏のキャラクター
こうして見てみると第2章が一番安定した人物関係となっており、第2章を中心に第1章と第3章の人物関係が組み上げられている物語構成なのが分かります。
各章のメインキャラクター達が無駄なく配置され、章をまたいで関連している構成がとても気持ち良い！
今回の考察はアニメ22話「君らは歴史の登場人物じゃない」までの分析。ラストに向けてまだ何かありそうで今後の展開がとても気になります。（原作未読なので楽しみ♪）
今日はここまで。
追記（2025/3/3）
このブログを書いた後のお話、23話「同じ時代を作った仲間」を観て大感動しています。
3ｗ2（ノヴァク）が主人公のお話の流れは以下の通り。
「ノヴァク（主人公：3ｗ2）がヨレンタ（主人公を導く者：タイプ6）に導かれラファウ（裏の主人公：7ｗ8）と相互理解をするお話。」
23話は上記の通りの実に基本に忠実な展開のお話。しかしながら、すでに死んでいるラファウとヨレンタがノヴァクの前に登場する演出・展開にはとても驚かされました。
お話はまだ続きます。ラストに向けてどんな展開になるのか全く予想できずにワクワクしています。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように！
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「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。
