フオリサローネ2024 その10

有休を取った日の午後は、用事があって、用事の後に見学するのは、場所的に難しいと思っていたのですが、実際に用事が終わって、それも、思っていた以上に早く終わった時、そういえば、と思い出した場所がありました。

ミラノ中央駅は、欧州の巨大鉄道駅にありがちな終着駅スタイルで、とにかく巨大ですから、駅舎の長さが半端ないんですよね。



屋根のついている駅舎は、町の側(地図での下側)部分だけですが、それだけでも相当長いし、屋根が途切れた後も、線路は高架になっていて、下は倉庫や地下スペースになっています。
クラブやスーパーやジムなど、すでに店舗として使われているスペースもあるにはあるけれど、まだ多くは空き家状態になっています。そこを文化拠点にしようという、ドロップシティというプロジェクトが進行しており、フオリサローネで積極的に活用されています。
地図上に緑で印をつけたあたりが、フオリサローネの会場になっています。

昨年も、滑り込みで見学に行ったのですが、今回は想定していなかったのですが、用事の場所が本当に近所だったので、時間ロスもないので、行ってみることにしました。



Drop city in progress

倉庫街というんでしょうかね。高架下に、並んでいる穴倉みたいなスペースが会場となっており、スペースごとに異なる出展者さんですから、結構な数の出展があります。といっても、各スペースはさほど広くなく、内部でも貫通しているので、ぶらぶらしながら見学していくとあっという間ではあります。

目的があったわけではないので、ぶらぶらお散歩感覚で、軽く見ていきます。



市内中心地のように、見学者が多くないので、ゆったりのんびりと見学できる雰囲気は、なかなか良き。出展社さんも、基本リラックスしている様子ですね、笑。
あまり深掘りしませんが、この小さな椅子?テーブル?民芸品的な要素もあり―の、結構実用的なサイズ感、好みだわ。



倉庫感むき出しの展示がほとんどで、そこにプロダクトを並べる無造作な様子が、リラックスした見学につながっているとこもあるかも。触る、座る、体験する、が当たり前にできるのが、正当だと思います。
確か昨年は、日本からの出展者が複数いらっしゃったと思いますが、今回は中国人や韓国人優勢だったような。

日本といえば、あれっと思ったのが。



Shimadzu - we+
Wonder Powder
c/o Tunnel 44, Dropcity

島津製作所が出店していました。
イタリアでShimazuといえば、まずは自転車ですから、なんで?と思って聞いてみたところ、島津製作所の方でした。

「ワンダー・パウダーは、島津製作所とデザインスタジオ we+ による研究プロジェクトであり、潜在能力の高い粉末を原動力としています。2022年にスタートするこのプロジェクトは、水中での粉末状のさまざまな物質の動きを観察するだけでなく、島津製作所の分析機器を用いて科学的に分析するものです。このプロジェクトは、感覚的探求と論理的探求という二重のアプローチを通じて、パウダーの美しさを理解しようとしています。本展では、新たな視点で「美」を捉えようとするプロジェクトの一環として、リサーチ成果やインスタレーション作品を展示します。」
というコンセプトの展示です。



板状になっているガラスケースに、粉末と液体が入っていて、ガラスケースは回転させたり横にしたりできるようになっているので、動かすと粉末入りの液体が、それぞれに面白い様相を見せる、といった仕組み。



おそらく粉末の原料によって比重が違ったりして、違う動きになるんでしょうし、動かせるのは楽しいし、確かにインテリア的要素があって、面白い提案だと思いました。
ちょっとお話させてもらったところ、ぶっちゃけ自社の活動アピールなんですよ、という端的なご説明、いただきました、笑。

失礼ながら、どの島津ですか、的なご質問から入って、あの、ノーベル賞受賞された方の島津ですか、ということになったわけなんですが、恥ずかしながら、何を作らている会社か知らず、ノーベル賞の内容も、基礎研究的なものだったような記憶があるので、この具体的な製品にびっくりしたことをお伝えすると、「まさに、一般の方の印象はそこなんです。やはり、会社の活動を知ってほしいという気持ちもあるので、分析や計測技術を基礎にした製品を作っている、というところから、それを視覚化する展示をしてみたのです」というようなご説明だったと思います。会社の方だったと思いますが、とても親切な対応で、好感度バリ高でした。
そういえば、ノーベル賞の田中さんだったか、謙虚な方で、日本中驚きましたよねぇ。



きっとすごくいい会社なんだろうな。

その後は、いくつか3Dプリンター関連の出展者さんがいました。



昨今、3Dプリンターで家を建てるとか、どんどん技術が進んでいるような世界ですが、実際のところどこまでどうなのか、というのは認識していないわけです。でも、すでにあちこちで、それによる製造製品が出回っているはずであるという現実を実感したかも。

その一つの出展者さんのコンパニオンさんが声をかけてくれたので、説明を聞いて、面白かったのがこれ。



ゴムとかシリコンとか、そういった素材によるメーカーさんで、この展示では、おそらく分かりやすさ優先で、運動物の靴底展示だったんですよ。多分、いわゆる金型みたいなものですよね、これ。

ちょっとびっくりしたんです。
靴って、底までトータルして、靴のメーカーさんが作っているものだと思い込んでいたから、靴底部分だけを作っているメーカーさんがあるって、考えもしなくないですか?
その点聞いてみたら、メーカーさんによっては、もちろん底までトータルで製造していますけど、うちのような専門メーカーへの発注もあるんです、ということ。
考えたら、運動靴の紐とか、おしゃれ靴のボタンや飾りなどは、靴とは関係ないアイテムだから、外注するんだろうし、不思議はないですよねぇ。でも、気が付かないのよね。

どうでもいいことだし、自分の人生には何ら関係ないことかもしれないけど、私は好奇心が強いのかなぁ。決して深掘りはせず、知識用とも言えない浅い好奇心だけなんだけども、笑。だから、変な知識だけは割と幅広く持っているタイプです。でも、忘却が激しいので、知った端から知識が曖昧になって行くという情けないおまけ付きなんだけども、涙…。



ここは、インテリアのアイテムごとに、具体的な写真が展示されていて、はまりました。扉とか、照明とか、リビングルームとか。



国と都市名、場合によってデザイナーさんの名前まで入っていて、面白かったです。自分の知っている場所なんかあるわけもないんだけど、なんか、地図を追っていくような楽しさ、あ、これも、地図が好きだったりしないと意味不明な説明かなぁ。ウォーリーを探せ的な楽しさっていうんだろうか。分からないだろうか、笑。
すごく食いついてしまいました。

全部の写真が載せられませんでしたが、さして期待せずに行ってみた会場、意外と楽しめました。
さらに、昨年は入れなかった、対面にある会場にも入れましたので、続きます。

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