80代後半の母は、膝が悪く足元がおぼつかなくなってきていますが、歩けなくなることを心配して、散歩やジムのプールでの歩行など、できる範囲で運動をしています。

天気が悪い日をのぞいて毎朝、犬がいた時の散歩時間と同じ早朝に、ワンちゃん仲間と集まっていた公園まで散歩しています。

そこに集まっているのは母と同年代~1番若い人でも70代後半の高齢の男女のみなさまです。みなさんワンちゃんのお散歩の終わりにその公園に集まって少し世間話を楽しんでから帰ってくるのだそうです。
母と同じく我が子同様に溺愛していた犬に先立たれ、1人で来ているお仲間も何人もいるそうで、ワンちゃんとの思い出話も楽しいようです。

長いお付き合いの方たちですし、犬好きという大きな共通点もあることでとても楽しく、がんばって散歩しているのだと思います。

母ほどの高齢になったらもう楽しいことでしかがんばれませんよね。

犬好きに悪い人はいないというか、どの方々も話を聞く限りとても良い方たちのようです。
老人の孤独は心身ともに悪い影響を与えるそうですのでありがたいコミュニティだと思っています。

住宅街の中の広い公園、周りの道路や歩道は早朝は車も人もほとんど通りませんが、歩行者も車もほとんどいないとなると油断するのか、たまにものすごくスピードを出して通り抜けていく車がいることは前から母から聞いていました。

その日の朝も公園でお仲間たちと和やかに談笑していると、

キキキーーーーーーッッッ!!!

ドッカーーーーン!!!!!!


ものすごい大音響に公園のベンチに座っていたみなさま、仰天して一斉に飛び上がったそうです。

公園の前の道の電柱に乗用車が激突し大破、でもドライバーの若い男性は車の壊れ具合からしたら不幸中の幸い、怪我もなく無事で車から普通に降りてきたとか。

ドライバーが無傷だったと聞いて「それはよかったわね」と相槌を打っていたんですが、その先を聞いてあまりにおかしくて笑ってしまいました。

大音響に驚いて一斉に飛び上がったご老人のみなさまだったそうですが、全員一瞬の迷いもなく、ある人はものすごい瞬発力で飛び出し、ある人は自分の限界までの全速力で、ある人はよろよろとよろけながらも、ある人はご自分の可愛いワンちゃんをひきずるようにしながら、1人残らず自分のできる範囲での最速でがんばり、事故現場を見に駆けつけたそうです。

もちろん我が母も。ヨタヨタしながらも一生懸命速足して見に行ったそうです。こういうことでもがんばれるようです(笑)

超高齢の人ばかりで、突然の大音響やショックな光景に心臓発作とまではいかなくとも、よろよろと貧血起こしそうになったおばあ様がいたとか、ベンチから慌てて立ち上がって転んでケガしたおじい様がいたとか、そちらへ話が行くのかと思ったら真逆でしたわ。

公園からわらわらと、よたつきながらもみなさんが駆けていく姿を想像したらちょっとおかしくて笑ってしまいました。

老人とは思えぬ瞬発力で真っ先に公園を飛び出して行った御仁はコミュニケーション能力も素晴らしく、運転していた青年の保険が切れていたなんて重大なことまで聞き出していて、聞いていた私は「そんなことまで事故起こしたばかりの知らない人にどうやって聞いたのよ⁈」とびっくりしたんですが、母は「あら、あの人はそういう人なのよ、とても感じよくて気さくで誰とでもすぐに仲良く話せるのよ。」って、、、

好奇心旺盛、高いコミュニケーション能力、気さくな人付き合い、長生きの秘訣でしょうか。