宇野亜喜良展
東京オペラシティアートギャラリー
2024年4月14日(日)
圧倒されました。
期待通り、いや、期待以上のボリュームでした。
宇野亜喜良は日本のイラストレーターの草分けで1934年生まれ、今年90才の現役です。70年間にわたり一線で活躍し続けていますから、作品に触れたことのない日本人はいないでしょう。
来場者も一般的な西洋美術の展覧会と雰囲気の違う方が多かったです。ファッションが独特な感じで、年齢層も幅が広い。演劇関係かもしれません。
作品点数が多く、昔の仕事から現在の仕事までバランスよく展示されていました。
広告デザイン
絵が描けてデザインもできる。ひとことで言えばそういうクリエイター。両方が掛け合わさることで、誰にも真似ができない独自の表現が生まれます。
初期の頃から写真を使った表現もあり、イラストに留まらないクリエイターでした。初めから完成していて、どうやってここにたどり着いたのか不思議でなりません。
雑誌、書籍
これ版下ですね。
複数の雑誌の挿絵も長く続けています。ゼロからの創作ではなくとも、これだけの数を作り続けるのは大変なことです。
エロティックなもの、ユーモラスなもの、かわいいもの、どんなテーマでもこなします。そしてテーマに合わせてイラストっぽいものからリアルなタッチまで使いこなします。
絵本
絵本、児童書も創作しており、いろいろな表現に挑戦しています。
演劇のポスター
ポスターは多作過ぎて訳がわかりません。印刷マニアと言われるほど印刷技術に精通しているので、特色など効果的に使いよりインパクトのある仕上がりになっています。
舞台芸術
演劇のポスターだけでなく、衣装デザインやセットまで手がけるようになりました。二次元の世界のキャラクターたちが、三次元に飛び出して来ています。
違和感がないのは、宇野亜喜良の中では元々が明確な三次元のイメージがあるのでしょう。とにかく手を動かして作るのが好きだというのがわかります。
そのほか
俳句も嗜むそうで、俳句をテーマに絵画も描いています。
展示の最後にインタビュー映像があります。
制作する時は媒体のターゲットに合わせて表現を選んでいるので、この展覧会で誰に何を見てほしいという希望はないと、話していました。根っから商業画家のスタンスです。
それでも、際立つ個性、世界観が、宇野亜喜良の作品であることを強烈に主張しているので、名前が世に知られています。
時を経て、アーティストと呼ばれることは確かでしょう。
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