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これまで常時穏やかで落ち着いて状況を判断し
人情味あふれる行動をとっていたダイゴさんが
額に青筋まで立てて、
激情にとらわれて行動してしまうほどの怒りが
ここで炸裂することになるとは…
エンマンドの「駆除」発言への激昂も当然ですが、
エンマンドが巨人化したときに
いったい何があったというんですか…
※【以下、画像・解説は公式より】
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◆コウノスケ「ゴダイゴダイゴ」
67話 (感想)
内容のネタバレ普通に含みます。未読の方はご注意。
エンマンドの理不尽な正当性への反論
今回までのエンマンドの行動は
自身が蜃気楼型怪獣を乗っ取ることで
人類を超えた救世主という存在になり、
(人類がどのような形になろうとも)
「人類を守り、さらに繁栄させる」という
非常に崇高な目的を持ってのことである。
ということが判明しており、
そこには間違いなく
エンマンドの信念が貫かれているというのがよくわかる。
そしてそれは実際に、
進化に行き詰った生物としての人類の新たな道のひとつである
ということに間違いはないのであろうと、
そこも理解できるのです。
できるのだけれど。
でもその目指す
「人類の繁栄」とは、
結局のところ人類の自主性も
おそらくや心や情などといったものも失われてしまう
「蜃気楼型怪獣の勢力拡大のためのサポーターとして」であり、
それに対して、
ダイゴさん曰く、それは
「なんだか暗そう」なものだと。
つまりは
人類の生き方として望ましくないのではという、
疑問の提示が行われました。
ダイゴさんは今回、
言葉が通じなくとも心は通じあえると判明した
「現人類とガイオンの民との共存する未来」を希望し、
「今、目の前で苦しんでいる人を助けたい」という
人の心こそを大事にし、
人の心が失われたエンマンドや
そもそも人の心もない蜃気楼型怪獣の
侵略や支配には従いたくない。抗う。という姿勢を見せてくれました。
実際、ガイオンの民を受け入れられるだけの
リソースが
地球側にあるのかどうかわからない。
これまでのガイオンの戦士たちと巨大ヒーローとの戦いの中で
怪我をしたり命を落とした人、家屋や財産を失った人々が
心情的に彼らを受け入れられるかどうかもわからない。
逆に、
一応の和解の気配があるとはいえ、
ガイオンの戦士たちにとってダイゴさんは
「新天地の門番」であり「笑う死神」という
恐怖の対象だったわけで。
将来、共存を目指すにあたって、
問題は山積みであることに間違いはない。
それでも、
ダイゴさんはこの二択のなかで、
「人の心のない」エンマンド&蜃気楼型怪獣ミラよりも
「心が通じる」ガイオンの民たちを
未来の人類のパートナーとして選びたいと望んだわけですよね…
一読者としては、
エンマンドの思想や行動に一抹の理解はできても、
やはりダイゴさんの気持ちにこそ共感して
拳を握ってしまうのですわ…
ダイゴさんの怒り
そのエンマンドの
強大な力を背景とした
「駆除」という言葉に
ダイゴさんはおそらく
物語中で初めて
激烈な怒りを示し、
明確な殺意をもって
エンマンドの頭部を狙い、仕留めました。
3体中1体、つまり残り2体の『幼体』を倒せば
とりあえずの危機は防げたりします…
なんだか物語的には『幼体』からの進化という一幕が
ありそうな気もしてしまう…
しかしやはり大きく強い「絶対者エンマンド」に
ねじ伏せられてしまったところで、
青空アキラくん来たー
エンマンドに蹴りを入れたのが
あのとき切断された右足というのもまた熱い
主人公のピンチに救援に訪れる、
君はやっぱりもう一人前のヒーローだよ
しかし、
デザイナーベイビーとして誕生し、
実験終了とともに打ち捨てられ、
そのことも知らずに育って巨大ヒーローとなったアキラくん、
そもそものその悲願が、
「両親に会いたい」だったことを思うと、
今回の章の
ミネルバさん(母親役)との
一幕もありそうな気配…
ガイオンの戦士のハンマーとか、
初期に出てきた状況についても
きっちり決着をつけてきた作者さんなので、
このアキラくんのエピソードについても
(願わくば最良の形で…)
描かれることを願うばかりです。
エンマンドが巨人化したときに
何が起きたのかというポイントがまだ不明ですね。
今後のどこかで明かされるのが
不安なような期待大のような…