NAS やネットワークスイッチ、ミニPC にはそれぞれに ACアダプタ が必要で、これがかさばることや電源タップを占有するのが大きな不満。幸いこれらは全てDC12Vなので、LEDライト用の大出力電源から 一括供給 する分電盤を製作し、 ACアダプタ の山と置き換えてみました。
スリムなLEDライト用電源
自宅で使用中のSynology NAS 2台のACアダプタはそれぞれDC12V 5A、ミニPCは3Aのものが使われており、その他今後の展開も鑑み、25Aクラスのこちらの電源を購入しました。
- 入力: AC100-250V
- 出力: DC12V 25A 300W
- 寸法: 205 x 50 x 23mm
スイッチング電源というとパンチ穴の開いた金属筐体のゴツいのが思い浮かびますが、近年はLEDライトの普及でこんなにスリムで密閉筐体な電源がとても安く手に入ります(淘寶にてRMB42)。
密閉筐体では発熱が心配されるので、150 x 45 x 10mmサイズのヒートシンク(個当たりRMB4.50)とサーマルパッドを別途購入、上下から挟み込んで通気と排熱を促そうという目論見も、夏がやってくるまでは様子見です。
まずは電源ユニット単体で、自宅キャビネット奥のスペースを確認。ちなみに下図左に見える黒い塊がNAS2基分のACアダプタです。
電圧電流表示付き分電盤の製作
電源ユニットからDC12VをXT60コネクタ2個で受け、XT30Tコネクタ10個に分電出力、その電圧電流を市販の直流電圧電流メータ(50A分流器込みRMB13.80)で監視するための分電盤を製作します。
直流電圧電流メータの繋ぎ方は以下の通りで(商品購入ページより拝借)、扱える電流が10Aを超える場合には分流器が必要になります。
50Aまで通せるこの分流器が思っていた以上に大きく、分電盤に使う筐体は82 x 52 x 30mmと言う大きさに。まずは入力側のXT60コネクタ2連をエポキシ接着剤で固定しつつ、筐体底に分流器を収めてマイナス側を結線します。
続いて分電出力側は、XT30Uコネクタ10個を2列に並べ、銅線にハンダ付け。コネクタ間隔や、筐体から底上げする脚に適当な木材の切れ端を使いました。
さらに筐体フタにメータと分電出力の開口部を、カッターのみでひたすら手加工。
これらを図04の結線図に習い繋げれば、電圧電流計付きの分電盤は完成です。
そして、分電盤を電源ユニットの出力と太めの電線で繋いで、DC12V多口電源のできあがりです。
試運転と本設置
本設置を前に、適当な負荷にIntel NUC7i7BNHを繋いで試運転。ラベルにはDC19Vと記載のあるNUCですが、規格上は12〜19Vで動作とあるので、12V印加でも正常に稼働します。
本設置では、Synology NAS 2基、J4125ミニPC、8ポートギガビットスイッチのACアダプタを撤去し、このDC12V電源に集約しました。ACアダプタもさることながら、香港は電源プラグが大きいのでこれらが無くなり、キャビネット奥がスッキリ。
ちなみにこれらの機器を繋いだ消費電流は、平常稼働時で3.4Aでした。ちなみに電圧電流計は主にメンテナンス用途なので、普段は目にしにくい位置にあるくらいが控えめでベター。
任天堂Wiiへは変換コネクタを介して供給
ACアダプタが巨大な任天堂WiiもDC12Vで動作するも、電源コネクタが特殊なので一般的な5521コネクタへの変換ケーブルを入手(送料別RMB9.70)。
光学ドライブのあるWiiに使われていたACアダプタは12V3.7A定格で、実際はゲーム中でざっと0.8〜1.2A程度消費していました。
今後、DC5V駆動系のNanoPi R2S(関連記事はこちら)や安博電視セットトップボックス、ESP32−Cam(関連記事はこちら)用に出力多めのDC-DCダウンバータを追加するつもりです。
こうした電源の集中化の弱点は、電源が壊れたら電源全喪失してしまうということ。安価な電源ユニットなので予備品を準備して故障に備えたり、理想ダイオードを用いた電源の冗長化にもいずれ手がけてみたいと思います。