
日本の超富裕層の没落について考える。
一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。
今更であるが、先月(2月)中旬に、野村総研(以下、「NRI」と略」)の例の有名な「(超)富裕層の統計」が公表された。この統計では「資産5億円以上」を「超富裕層」としている。
2年毎に発表され、2023年の日本に於ける数字であるから約2年前の実態となる。今回はこれを題材とする。
今回も総じて上位層へ富の集積が進んでいるというのが、NRIの発表自体でも、この統計を取り上げた報道でも、一致した分析で、その是非は置いておくとして、一応超富裕層の研究として「超富裕層」の数字を考える。
第一に超富裕層の資産額を考えてみる。
この統計では、超富裕層の総資産が105兆円から135兆円で28%の増加となっている。
一方でこの層自体の人数も9万人から11.8万人へと31.1%増加しているから、人数が増えた割には資産額が増えていない。
だが、この2年で直下の「富裕層」から上がって来た「増加勢力」は資産額が低いと考えられる。大雑把に増加人数(2.8万人)は全てその層とし、そこの資産額を低めに見積もって平均5億円ちょっととすると、概算小計で15兆円となる。
つまり、元から居た超富裕層は135‐15=120兆円の資産合計となる。2年前が105兆円だったから、資産増加は14.2%だ。
第二に、この間の為替と米国の株価の変動を考える。
2021年と2023年の名目為替レートでは、ドルやユーロに対してざっくり20%から30%の円安になっている。控えめに20%を採用する。
同様に米国株価だと、例としてSP500が、ドル基準ではまぁどこを比べるかによるが、これまた大体20%上っている。
つまりこの2年でただSP500を保有して何もしなくても、円建てだと1.2 x 1.2で44%上昇している計算になる。
第三点として、「超富裕層」の投資の特徴を考える。
といっても大した分析ではないが、この層は相対的に経済的に大きな余裕があるはずだから、投資活動に於いても他の層に比べて「価格の下落幅」の許容範囲が大きい。カタカナでいうと「より大きいリスクが取れる」。リスクとリターンは表裏一体であるから、総体として「リスクの小さい」SP500等により「リターン」は大きいはずだ。つまり超富裕層は20%より大きいリターンを得ている可能性が高い。実際、著名?な「〒ス夕」とか「龴艹ニー」とか投資成績はこれよりずっと良いようだ。つまり「平均的」超富裕層の投資成績はより悪い可能性が高い。
以上をまとめると、
- 元から居た超富裕層の資産増加はざっくり14%。
- この2年でただSP500をただ保有してるだけでも、円建て資産額は1.2 x 1.2で44%上昇。
- 「平均的」超富裕層の投資成績は上記14%よりもさらに低そう。
これをどう考えるか。
この統計からの俺の素人分析は
- 昨今の日本の超富裕層は資産運用能力が著しく低い
という事である。超富裕層を目指す自分の成績を棚に上げて、「日本の超富裕層集団よ、もっとシッカリしてくれ!」と言いたくなってしまうような悲惨な実態である。
いや、そうだとしても、その分他の層に儲けが回っているなら、日本国全体としてはまだいい。だが、コメとか、ガソリンとか、電気代とか、その他諸々の諸経費が年1万円、3万円と増加するだけで大多数がヒーヒー言っている状況だから、NRIの数字を見るまでもなく、儲けが回っているのでもないようだ。
つまり、日本が全体で貧しくなっているのはもはや皆わかっていると思うが、超富裕層に富の蓄積はそれほどでもなく、どちらかといえばその他の層と共に沈んでいっているというのが凡人の俺の屁理屈分析だが、どうだろうか。
全て、個人の意見だから、自分でもよく考えてくれ。
投資は自己責任。言動は自分の思考で。ではまた