必ず自分の頭で考えるということを理解して頂いたら、これから具体的な話をしてみます。

 

まず最初に心掛けることは、何でもかんでも全てから利益を取ろうとせずに、自分がもっとも得意とする上昇相場のパターン、1つの手法、1つのスタイルを確立するということです。

 

一口に上がる銘柄と言っても、色々なタイプがあります。それらを全て取ろうとするのは無理です。まず失敗します。それよりも、自分が取りやすいタイプを見極めて、最初はそれだけを狙う、そこを徹底して行く、これを実行しましょう。

 

では、どうすれば自分の手法を確立できるか?

ここから、私の体験をベースに話していきます。

 

大手機関投資家に勤めるクオンツの知人から、四半期成長率というファクターを教えてもらったという話は、拙著『四半期成長率とチャート分析』にも書きましたが、四半期成長率を知った途端に、連戦連勝・・・というわけではありませんでした。

 

四半期成長率が良くても、上がりやすい銘柄と、上がりにくい銘柄がありました。

 

例えば、PERやPBRが低くても上がらない銘柄はありますよね。それと同じです。

5分位分析の検証によって、四半期成長率は一般的に使われている他のファクターよりも、有効性は確認できていたのですが、じゃぁ、「四半期成長率が高い値なのに、上がる銘柄と上がらない銘柄の違いは何なのだろう?」と思ったわけです。

 

最初に気が付いたのは、「上がっている銘柄では、出来高の増加が見られる」ということです(こんなの今考えると当たり前なのですが、当時は新鮮でした)。

出来高の増加は、投資家に人気がある証です。多くの投資家が参加し始めたているので、それだけ勢いも増します。

逆に出来高が少ないのに上がっている銘柄は、少しの出来高で値が大きく動くことから、一部の参加者の思惑や売買で大きく乱高下して不安定です。株価を上げた少数の売買が投げ売りされたら、それだけで上昇が終わることもあります。

 

図1

 

出来高の多い銘柄は、人気がある銘柄です。

そういうわけで、最初に私が作ったルールは次のようなものです。

 

【マイルール①】

 四半期成長率が高くて出来高の高いものを選ぶ

 

このルールを作ってから、銘柄探しが楽になりました。何故なら、yahooファイナンスやネット証券のサービスで、毎日の出来高が、値上がり率ランキング(前日比)に載っているからです。もともとランキングを見る切っ掛けとなったのは出来高を見るためでした。

 

ところで、この出来高の増減ですが、●●以上なら多いという絶対基準ではなく、過去の出来高と比較して相対的に見るのが良いでしょう。値上がり率ランキングで他の銘柄と比較して、一見、出来高あ少なそうに見える銘柄でも、過去に動きが無かった(長期的な底値ボックス相場)頃に比べて、上昇トレンド中の出来高は増大しているはずです。一例として去年、大相場を演じた6227AIメカテックを見てみましょう。

 

図2 6227AIメカテック ※クリックで拡大

 

チャートが底値を張っているような時期は出来高が少なく、上昇を開始し始めてから増大しているのが分かるでしょうか。

チャートの下には、出来高加重移動平均(5日、20日)を表示しました。このようなオシレーター指標で見るとよりハッキリと出来高増加と上昇の相関性が見えてきます。上昇時には5日>20日、つまり過去20日間の出来高よりも、5日間の出来高の方が増大していることが分かります。

また、上昇トレンド全体を見ると、いくつもの波を作りながら上昇していますよね。チャートの波と照らし合わせて出来高を細かく見ると、それぞれの上昇波が始まる初動では増加し、天井では更に増大しています。そして下落局面では減少しますが、た底打ち反転する際にも増加が見られます。(※底打ち時の出来高増大をselling climax:セイリングクライマックス、略してセリクラなどといいます)

 

まとめると、出来高増加が確認されるのは、概ね次の4か所ですね。

 

・各波の初動

・直近高値のブレイク

・天井

・底打ち(セリクラ)

 

四半期成長率が高く、出来高が増大している銘柄をエントリーする際は、これらのポイントを必ず確認しましょう。図3はそのポイントを利用したエントリーを模式図化にしたものです。

 

図3

 

経験上、やはり各波の初動(赤文字)圧倒的にエントリーしやすいんですよね。失敗したときも損切りラインを決めやすいですし。

 

上昇中のブレイクアウト(青文字)でエントリーする際には、出来高やチャート以外にも色々チェックする必要があったりして難易度は上がります。なぜなら、利確タイミングを誤ると買値に戻ってしまうことがあるからです。

 

そして、二番天井狙いのもの(黄土色)もエントリーポイントになります。ただし、これはかなり難易度が高いです。この二番天井狙いは、上昇途中の押し目底狙いでもあるので、上手くハマれば効果絶大ですが、建玉の枚数調整も踏まえた戦略が必須です。(※この手法は、いずれ詳しく書いてみようと思います)

 

色々なポイントがありますが、全て狙おうとせずに、最初のうちは、初動狙いに徹すると良いでしょう。

 

【マイルール②】

 四半期成長率が高くて出来高の高いものを選ぶ

 ただし、初動であることを確認する

 

 

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