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高校数学教師(宮城県)を退職し、全国のデモクラティックスクール、
北欧デンマークの教育を学んだ後、仙台から教育革命をしている伊藤真結です。

2020年4月からAKIU SCHOLĒ(アキウスコレー)という新しい学校🏫を仙台市秋保町に創っています。

全日制の学校に行っていても、通信制高校に行っていても、不登校でも、全ての中高生が、自分の選択で自分の人生を切り拓く力を育みます。

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4月27日(土)

 

 

今日は、AKIUSCHOLĒ の開校日でした。

欠席の多かった今日でしたが、

それでもこの4年間、ぎりぎり、

生徒が一人も来ない、それがないのが有難いですニコニコ

 

今日は、AKIUSCHOLĒ の生徒と、

いつも応援して下さっている方とその娘さん二人と、

あっという間の対話の時間を過ごしました。

 

 

 

 

 

いつものように、午後からはDialogTopixから、

対話のテーマを選びました。

 

小学3年生、中学3年生、高校3年生と、私と、

そのそばで遊ぶ小学1年生の女の子とそのお母さんと、

丸くなっていたのは最初の4人だったけど、

小学1年生の女の子は、たまに対話に言葉を投げかけてくる、

たまに耳だけこちらに貸してくれながらの、

みんなの対話の時間でした。

 

今日は4つくらいのテーマで対話をしたのですが

そのうちの一つ、

「幸福は人生で一番価値があるものだろうか?

みんな幸せになりたくて生きている?」

というテーマの時に生まれたやり取りが印象的でした。

 

テーマについて、

あれこれとまずは考えを言葉にしてから

幸福を感じる為に「健康って大事だよね」

という流れになりました。

 

そこで、こちらの今読んでいた小説のことがふと頭に浮かび、

幸福には健康が大事、と頷くみんなに、こう聞いてみました。

 

 

「もしみんなが、不治の病にかかってしまって

余命があと3年だと言われたとしたら

残りのその3年間は、不幸かな?」

 

 

 

みんなまずは、うーん…

と頭を抱えるのですが、

 

小学3年生の子がすぐに、こんな風に言いました。

 

「ううん、不幸ではない。

だって、まだ3年あるから、

その3年間を、楽しく過ごせばいい」

 

とまっすぐ目を見て話してくれました。

 

中3の生徒が、

「それは、そうだけど…」

 

と口ごもり、

そこで見学のお母さんが、小3の子に、

こう投げかけました。

 

「3年ってことは、

中学生になれないということだよ。

中学生の生活を、送れないってことだよ」

 

その問いを投げかけられて、

改めて考えたその子は、

またまっすぐ私の目を見て

 

「やっぱり、大人にはなりたい、

やりたいことやって、大人になってからならいい、

まだ、生きたい」

 

私から見て、

なんだか少し目を潤ませたように見えたその子が、

こんな風に言いました。

 

 

余命宣告、つまり“健康”とは言えない残りの3年間は、

“幸福”だろうか?

 

という問いの主眼からはずれてしまったのですが、

私はなんだか、

中学生になれないかもしれない、

そこに想像力を働かせて、考えて、

純粋に「生きたい」と出てきた小学3年生のその言葉が、

すごくかけがえのないものだなと、

その瞬間すごく感じました。

 

 

 

 

それから実家に戻って、

畑に居た父にこの話をしました。

 

父は頑固一徹、口も年々悪くなるし、

酒癖も悪いし、、、な人ですが(笑)

 

「小学3年生の子がさ、

「生きたい」とまっすぐに言ったこと、

これってさ、なんか、すごく大切なことだと思ったんだよ、」

 

と、今日のAKIUSCHOLĒ での出来事を勢いよく話した私に対して、

じゃがいもの芽を見つめながら、

 

「そうだなあ、そうしたら、自殺だってなくなるなあ」

 

と静かに言ったのでした。

 

 

 

 

そうしてアパートに帰ってきてから、

途中だった「スピノザの診察室」

を読んでいたら、

物語の終盤、主人公の医師が、

研修医である後輩に対して、

語り掛けるシーンがありました。

 

ーーーーーーー

 

医療というものに、

たいした期待も希望も持っていないんだ

 

医者がこんなことを言ってはいけないのかもしれないが

医療の力なんて、本当にわずかなものだと思っている

 

人間はどうしようもなくはかない生き物で

世界はどこまでも無慈悲で冷酷だ

そのことを私は妹を看取ったときに

嫌というほど思い知らされた

 

けれども

だからと言って無力感に囚われてもいけない

それを教えてくれたのも妹だ

 

世界にはどうにもならないことが山のように溢れているけれど

それでも、出来ることはあるんだ、ってね

 

人は無力な存在だから

互いに手を取り合わないと

たちまち無慈悲な世界に呑み込まれてしまう

 

手を取り合っても

世界を変えられるわけではないけれど

少しだけ景色は変わる

真っ暗な暗闇の中に

つかの間小さな明かりがともるんだ

 

その明かりはきっと同じように暗闇で震えている誰かを

勇気づけてくれる

 

そんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを

人は

幸せと呼ぶんじゃないだろうか

 

 

間違えてはいけないよ、先生。

 

医療がどれほど進歩しても

人間が強くなるわけじゃない

医術には、人の悲しみを克服する力はない

 

勇気や安心を

薬局で処方できるようになるわけではない

そんなものを夢みている間に

手元にあった幸せは

あっという間に世界に呑まれて消えていってしまう

 

私たちに出来ることは

もっと別のことなんだ

 

うまくは言えないけれど

きっとそれは

 

暗闇で凍える隣人に

街灯をかけてあげることなんだよ

 

 

ーーーーーーー

 

 

今日のAKIUSCHOLĒ の「幸福」をテーマにした対話と、

この小説の主人公と同じく、妹を病で早くに亡くした父の存在が思い出され

 

なおかつ、

どんなにテクノロジーが進化して、

誰もが素晴らしいとする「教育コンテンツ」が生まれても、

 

私たち「教師」という存在にできることもまた、

ほんのわずかなことだけれど

ささやかな勇気と安心を生み出し続けること

なのかもしれないなと、

今日1日を締めくくるように

小説を読み終えたのでした。

 

 

 

この小説を書いた夏川さんは、

20年以上医療の現場で向き合った方です。

夏川さんのメッセージもまた素敵だったので、

最後にこちらも引用します…。

 

 

●著者より 読者の皆さまへメッセージ

医師になって二十年が過ぎました。
その間ずっと見つめてきた人の命の在り方を、私なりに改めて丁寧に描いたのが本作です。
医療が題材ですが「奇跡」は起きません。
腹黒い教授たちの権力闘争もないし、医者が「帰ってこい!」と絶叫しながら心臓マッサージをすることもない。
しかし、奇跡や陰謀や絶叫よりもはるかに大切なことを、書ける限り書き記しました。
今は、先の見えない苦しい時代です。
けれど苦しいからといって、怒声を上げ、拳を振り回せば道が開けるというものでもないでしょう。
少なくとも私の心に残る患者たちは、そして現場を支える心ある医師たちは、困難に対してそういう戦い方を選びませんでした。
彼らの選んだ方法はもっとシンプルなものです。
すなわち、勇気と誇りと優しさを持つこと、そして、どんな時にも希望を忘れないこと。
本書を通じて、そんな人々の姿が少しでも伝われば、これに勝る喜びはありません。
(夏川草介)

 

 

 

 

ということで、

他にも盛沢山、対話をして、

私もやっぱり葛藤して、

 

今日もやっぱり葛藤やモヤモヤを持ち帰ってきて、

 

頭痛い…!

と思いつつも、

 

今日も集まったみんなでつくられた、

もう2度とないかけがえのない対話の時間だったな、

と感謝して、泥のように寝ます。

 

 

おやすみなさい大あくび

 

 

 
 

 

 

 

 

今日も、

能登半島地震の被災地のみなさんが

少しでも安心してあたたかく過ごせますように。

令和6年1月能登半島地震 災害緊急支援寄付

 

 

 

 

 

 

メディア掲載情報

 

2021年6月 仙台サポセン「パレット6月号」

「仙台市市民活動サポートセンター通信 ぱれっと 6月号」に掲載していただきました。

 

2020年10月28日 毎日新聞朝刊

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