103. 「お水もらい」に、瀬戸の滝

 

今年の冬は、本当に雨が降りませんでした。

気象庁によりますと去年の12月からこの2月まで、東日本と西日本の太平洋側では統計を取りはじめた1946年以降、最も少ない降水量だったそうです。

雨が少ないと野菜が育たず・・・キャベツは高いし、ブロッコリーは見かけないし、不便が多い冬でした。

雨って大事。




そこに来て、各地で起こった山火事です。

もう恐ろしくて。

地面も空気もカラカラなので、火の勢いが止まらない。

日本中の人が、福島に雨よ降ってくれと願っていたのではないでしょうか。

雨の大事さを痛感しました。

降るとつい文句を言ってしまうんですけどね、てへ。




雨が降らなくてに困るのは、昔も今も一緒だったよう。

雨乞いの神様は各地にあります。

どんなに文明が進もうと、動物にも植物にも水が不可欠なのは変わりないですもんね。




そんな雨乞いの神様のひとつが、南国市にある『瀬戸の滝』です。

昭和の初め頃は、ひでりが続くと「お水もらい」といって、近辺や隣の土佐山地区からお参りに来ていたそうですよ。

昔から大蛇が棲むといわれていて、登り口の『瀬戸神社』に神として祀られているそうです。




昔は、雨乞い祈願に酒を入れた樽を滝壺に投げ込むと、空になって浮かんできたとか。

また旅の商人が、お弁当のおかずのタイを滝壺に投げ込むと泳いでいったとか。

南国市植田の染物屋の娘が身投げしたとか。

多くの伝説があるそうです。

個人的には泳ぎだすタイを見て腰を抜かしタイ。




瀬戸の滝の近くには、2本の大きな杉が鳥居のような形につながっている地主神社の『鳥居杉』があります。

→『65.桑ノ川の鳥居杉』も合わせてどうぞ

南国市はセットでパワースポッツとして押し始めたもよう。

でも、わかる。

どちらも見ごたえ十分、迫力あります。

『にこ淵』もいいですが、こちらはダブルで楽しめますよ~。




瀬戸の滝は、少し手前に駐車場を作ってくれているので車でも行けます。

道は狭いですが、近くまで行けるのはありがたいです。

今回は歩きたかったので、滝と鳥居杉の分かれ道のあたりに車を置かせてもらいました。

路駐で、すみません。

でも、瀬戸の滝までの道が30分くらいのちょうどいい散歩道で、気持ちがよかったです。

せっかくなので、分かれ道にも駐車場があればいいのになあ。

 



滝は、高さが約30m。

二段になって流れ落ちています。

行ったのが去年の11月終わりで、その頃も雨はあまり降っていませんでしたが、満足するくらいの水量はありました。

静かで清らかな風景の中に、大蛇が棲むといわれるのもうなずける神秘的な滝。

マイナスイオンを浴びまくりながら、心の洗濯っす。

心のひでりに潤いをもらえたような。

なんかいいですね、非日常の光景って。




瀬戸神社も、最近建て替えられたのか新しい社殿でした。

雨乞い祈願に来る方が、きっといるのでしょうね。




瀬戸の滝や鳥居杉のある桑ノ川地区まで行くのも山道なのですが、間近で見ると口が開いてしまうくらいの迫力名所(←パワースポット日本語訳 笑)

一見の価値あり×2、です!




参考文献 : 桂井和雄さん著『土佐の傳説』、橋詰延寿さん著『高知史跡 南国市』

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