101. それいけ!轟の滝

 

2025年4月から、朝の連続テレビ小説『あんぱん』が始まります。

やなせたかし先生のふるさとであり、アンパンマンミュージアムもある香美市香北町(かみしかほくちょう)。

自然豊かで、穏やかないいところです。




その香北町には滝がいくつかあるんですが、今回はのどQおすすめの『轟の滝』を紹介します。

まあ、のどQがすすめるまでもなく「日本の滝100選」に名を連ねるくらいの景勝地なんですけれど!




すてきな滝って山奥にあることが多いんですよ。

当たり前のことですが(汗)

『轟の滝』への道中は、山道にしては少し広め。

狭くなるところもありますが、走りやすかったです。

到着したら、駐車場もトイレもあり◎

季節のよっては茶屋も開いているみたいですよ。(真冬なので閉まってました)




駐車場から少し歩くと滝の音が聞こえ始めて、展望台に到着。

そこから滝の全景が見えます。

白亜紀の礫質砂岩(れきしつさがん)の断崖を、三段になって落下する美しい滝。

落差は約80メートルです。

青く静かな滝壺に、ゾクっとしてしまいます。

特に上段の滝壺は、径約15メートルの円形の甌穴なのだとか。

(↑難しい言葉は、ぜーんぶ案内板の受け売りデス)




展望台から下へ遊歩道を15分ほど降りていくと、滝の真下に出ます。

見上げる滝もまた良き。

ここぞとばかりにマイナスイオンを浴びます。




ちょっと岩を登ってみると、一番下の滝壺を覗くことができました。

これは肝試し。

滝壺って、なんでこんなに不安になるのでしょうか。

しかも青くてきれいな分、よけいに怖い。

これが伝説につながっていくのでしょうね。

見に行かれる方は、くれぐれも足元注意です。




滝の先にある赤い吊り橋を渡って遊歩道を登っていくと、滝壺を上から見られるポイントに行けます。

吊り橋が、また異界につながりそう感満載。




滝壺は展望台から見たのより小さいもののようですが、足がすくむきれいさです。

そのまま登っていくと『轟神社』に出ました。




そこから駐車場まではすぐなので、ぐるり一周の滝めぐり。

遠くから眺めて、近くで見上げて、滝壺まで覗けて、満足満足。

得した気分。

高低差があるので、ちょっとした山登りですが。

ひざは笑ちゃってます。




美しい滝には、もちろん伝説がつきもの。




香美市は、平家の落人伝説がたくさん残っているところです。

この里にも、落ちのびた平家の武将と腰元の夫婦がおり、二人には美しい娘がおりました。

娘は機織りがたいへん上手く、織った布地は玉虫のように輝くので、いつしか玉織姫と呼ばれるようになりました。




玉織姫が17歳の時です。

機織りの道具を返しに行った帰り道、滝壺の中へ引き込まれてしまいました。

この滝壺に棲む大蛇が、美しい玉織姫に恋をして、蛇のもつ魔力で淵の底に引き込んだということです。

以上が、轟神社の石碑に書かれていた物語。




別バージョンでは、話を聞いたお父さんが、滝壺に飛び込みます。

そして、機を織っている玉織姫に再会することができました。

実は、いま一度のお別れがしたいと滝主にお願いして、導いてもらったとのことでした。

主人であるりりしく美しい滝主とも会わせ、お別れに絹の巻物を手渡す玉織姫。

「これを持っておられたら、お二人の暮らしは、生涯困ることはないでしょう」

と。

帰ろうとしたとき、ふわっと体が浮いたようになり、振り返るとそこには大蛇が。

気がつくと、わが家に帰っておりました。

3年の月日が経っていたということです。

その後、お父さん夫婦の家が幸せになったのはもちろん、部落も人が増えて栄えたということです。




この滝、大蛇が似合いますもの。

あの滝壺に伝説がないわけがない。

ということで、滝を見に行きたいなと思ったら『轟の滝』おすすめです。

新緑、紅葉・・・どの季節も映えると思います!





参考文献 : 市原麟一郎さん著『土佐の伝説 第1集』

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