若手有望力士に引退勧告……   | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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大相撲取材歴20うん年!よっちゃんです!

 

 相撲界には、強ければすべて許される、みたいな空気が結構根強くあります。

 そのおおらかな社会で相撲協会が〝あんたは力士の資格がない、やめなさい〟という処分。これには驚きました。

 

 通告されたのは、宮城野部屋の北青鵬(22歳)。これからの相撲界を担っていくと期待されていた若手の有望力士です。

 親方の宮城野親方(元横綱白鵬)も2階級降格という厳しい処分を受けました。

 

 相撲界をゆさぶる大ニュースを聞きながら、少々前のことを思いだしました。

 

 2015年初場所、白鵬が33回目の優勝を遂げた場所ですが、千秋楽翌日におこなわれる恒例の会見に遅れ、ようやく席に着いたと思ったら、敗れた稀勢の里戦での審判批判を延々と始めました。

 朝まで酒を飲んでいたとかで、ろれつが回らない状態での発言にはうんざりしました。

 

 2017年九州場所11日目、関脇嘉風(よしかぜ)に敗れた一番で白鵬は、嘉風の勝利判定に納得できないと土俵下で抗議を続け、土俵に戻ろうとしなかった場面も忘れることができません。

 

 その白鵬は、現役後半の土俵では危険な張り手、かちあげを頻繁に繰り出しました。厳しい批判があがると〝力士は勝たなきゃダメなんだ〟と、居直りました。

 

 弟子の北青鵬が弟弟子らに繰り返した暴力を日常的に見ながら、親方の白鵬はまったく注意しなかったと言います。

 相撲部屋の師匠になっても〝相撲とりは強けりゃ何をやってもいい〟という姿勢は変わらなかったようです。

 

 大相撲界でこれまで「引退勧告」を受けた力士は幕内で6人います。うち4人がモンゴル出身でした。

 

 モンゴルに限りませんが、同国では〝とにかく強ければいい〟という考えが特に根強いそうです。

 元横綱の朝青龍が日本でどんなに粗暴な行動をとっても、国に帰ればいつも英雄扱いされ、絶大な人気を集めてきたのはその一例です。

 

 元横綱の鶴竜親方や、39歳ながら元気な相撲を見せている玉鷲関等を見ればわかるように、力士の手本になるようなモンゴル出身力士も少なくありません。

 

 そこはきちんと見る。そのうえで、相撲は相手あってのスポーツであること、強くなるのはもちろん、その鍛錬を通じて人間性も高めていく。

 くどい、しつこいと言われようが、日々の稽古、生活の中でしっかり力士に伝えていく。

 それが、いま指導者に求められている最も重要なことじゃないですか。

 

 事件が明らかになると相撲協会は、一片の通達を出したり、講演会を開いたりします。ただ今回の事態は、そうした通り一遍のことを繰り返すだけではすまないと思うのですが、どんなものでしょうか。

 

 ※2月10日付で「相撲ブログの発信から身を引く」と書いたばかりで、なんですが、つい一言…。

 

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