↑のつづき。

さて、長距離バスで3時間の長旅を終え、
その日の夜、高知駅⇒徳島駅に着いた。


翌朝、ワクワクを抑えきれずに
まだ暗いうちに出発しんこー。


神山高校前行きのバスに乗り、
大木南バス停で下車。



朝焼けの徳島市上八万町。

すごぉーく良いところだ。



そして、徒歩10分。


個人的に、
もっとも参拝したかった神社のひとつ
『宅宮神社』にたどり着いた。


鳥居の扁額に刻まれる
『延喜式内』『十二社第一』。


のちに、
改めて実感することになるのだが、
阿波徳島は、延喜式内社の宝庫だった。



手水舎には、カエル。



徳島市指定保存樹木のクスノキ。



解説文には、
阿波国名方郡十二社の
第一位に列せられているとのことや、
日本唯一の家宅の神が祀られていること、

また、毎年五穀豊穣悪病退除をお祈りし
社前で古式豊かな『神踊り』が
奉納されていることが記されている。


随神門。


拝殿。

名方郡十二社第一位 延喜式内社 
『宅宮(えのみや)神社』

鎮座地 徳島県徳島市上八万町上中筋
創建 不詳
祭神 大苫辺尊 大年大神 稚武彦命

延喜式神名帳の式内小社
阿波国名方郡
意富門麻比売(オオトマヒメ)神社」
に比定されている。

延喜式内社で唯一、
神世七代の第五代目
大苫辺尊オオトマベ(大斗乃弁神オオトノベ)
を祀る神社。

イザナギイザナミが第七代なので、
日本全体で見ても大変貴重な神社である。



宅宮神社略記↓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一、千数百年以前より
意富門麻比売神社と奉称された式内社にして
現在地の南方約二丁余(上八万小学校西南)
山間の堂と称せられし平坦地に鎮座す

一、天正年間、長曽我部元親
阿波国攻入の際、兵火により社殿焼失す 
兵乱鎮まりて後、
神林地の現在地に社殿を建立し、
その時より宅宮大明神として
奉斎された日本唯一の家宅の守護神なり

一、寛保元年三月
稚武彦命の御神体を勧請せり

祭典神事
一、大御神楽祭  旧二月一日
一、例大祭  十一月三日
一、神 踊(徳島市指定重要文化財) 八月十五日

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大苫辺尊(オオトマベ)の他、
豊穣の神『大年大神』と
第7代孝霊天皇の皇子であり、
鬼退治の神『稚武彦命』を祀る。



拝殿の中を少し覗けた。



横から本殿。

千木は女千木。

祭神はイザナミの二代前の大女王である。

敬愛する
引用させて頂きますと、

祭神の『意富門麻比売』の神名の意味は、
『意富(オホ)』⇒「大(オオ)」、
『門麻(トマ)』⇒「泊(トマリ)(港のこと)」
を意味しているのだそうな。
 
つまり、
「八萬津(現在の上八万町)」を祀る神であり、
大昔は「大きな港」だったのである。


昔の地形や海岸線は、
現代とは違うことを加味しなければ、
神話の謎は謎のまま。

例えば、現在は平地でも
地名に「島」がつけば、
昔は島だったりとかするのだ。

「津」がつけば港だったのだ。

昔の地名がいかに重要なのかを
改めて痛感する今日この頃。





さてさて、以前↓の記事で書いたとおり、
この宅宮神社には、
少なくとも平安時代の頃から
神踊り』が伝承されている。

県の無形民俗文化財にも指定される
神踊り』は、
五穀豊穣や悪病退散を祈願し、
毎年旧暦7月16日に
13地区の馬組と称す氏子によって奉納される。

踊りは計12種類。
神踊、出雲踊、伯母踊、住吉踊、駿河踊、
汐汲、博多踊、燕踊、鐘巻踊、
忍び踊、赤黄踊、清水踊。

そんな踊りの中に
出雲踊』というものがある。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●出雲踊の歌詞

伊豆毛の国の伯母御の宗女
御年十三ならせます
こくちは字とおたしなむ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして、
魏志倭人伝には、こう記されている。
~~~~~~~~~~~~~~~~
卑弥呼亡き後に国は乱れたが、
十三歳壱与が王となり、
国は治まった
~~~~~~~~~~~~~~~~

つまり、
千年以上も前から
阿波の神社に受け継がれてきた
神踊り『伊豆毛踊り』の歌詞に、
邪馬台国の女王卑弥呼の後継者
壱与』が登場している事実。


『伊豆毛(イヅモ)』とは、もちろん
島根県の「出雲」ではなく、

かつて、阿波徳島の海岸部にあった
「イの国の面(ツモ)」のことである。

元々、宅宮神社は現在の位置より
南側の山周辺に鎮座しており、
その背後には古墳もあったのだそうな。

宅宮神社の祭神が、
実は『壱与』だった説もあるため、
古墳がその陵墓だったのかもしれない。

壱与(イヨ)の別名は『台与(トヨ)』であり、
数々の阿波説にある通り、
『トヨウケ大神(オオゲツヒメ)』であり、

卑弥呼=大日孁尊(オオヒルメ)
台与=豊日孁尊(トヨヒルメ)であり、

阿波国式内社の
⛩️天石門別八倉比売神社
⛩️天石門別豊玉比売神社
が絶妙に絡んでくる。

まさに、
ワクワクのワクムスビなのである🤣


そして、なんとびっくり。
『神踊り』の本当の漢字は↓


こう書くのだそうな。

これはやばいですね💧



つづいて境内の様子を。

境内社『厳島神社』

祭神 市杵島姫命



御神水『力の泉』

古(いにしえ)からある井戸。
時々、地下から水が沸き上がるのが見える。

飲料としても良い成分のようだ。

有り難く頂戴いたします。



力の泉の奥には『夫婦杉』

宅宮神社の夫婦杉由来↓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
旧称意富門麻比売神社の神林地(現在地)に
目通り周囲八メートル余り
樹齢千年と推定される老杉にして
太古より夫婦杉として仰がれ
夫婦円満の御神霊をもった御神木であった。

先年、落雷により樹枝を損傷していたが、
昭和三十五年、拝殿改築にあたり
忝けないがご用材として、
昭和三十三年三月、伐採した。

よって、御神木を頂き
荘厳極まりない社殿の完成を見るに至った。

以来、二十幾星霜往事を偲び奉りて
樹根を起して御神霊を鎮め奉り
夫婦円満家内安全の守護神として
後世に伝え由来を記す
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


とても立派だったのだろうなぁ。

しかし、木材として社殿に使い、
根っこも大切に保管しているところが
日本人の素敵なところなのだ。


そして、

この神社にはなんと、

漢字伝来より以前より
すでに日本に存在していたと言われる
神代文字』で書かれた
祓詞の版木が残されているという。



『清めの岩』



阿波徳島は最高ですよ皆さん❗



朝焼けがキレイ。


入り口の左側にも鳥居がある。


左が『朝宮神社』
祭神 大日孁尊・月読尊

右が『十二社神社』
祭神 天神七代・地神五代


「天照大御神」ではなく、
大日孁尊(オオヒルメ)』が
祀られていることが重要なのである。



ずっと参拝したかった宅宮神社は
想像以上に素晴らしかった。

今回の阿波徳島編一社目にふさわしい。


そして、次なる神社に向かった。


前述した境内の朝宮神社


その鳥居のむく方向にもあるのだ。


朝宮神社』が❗



朝焼けの上八万町の旅は
つづく。



ではまた❗




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