カフカの作品で一番まとまったものではないだろうか?
変身 カフカ
原題 Die Verwandlung 変身
虫について:虫ならInsekt(ゴルゴ13)
ドイツ語の原文はUngezieferとなっており、これは鳥や小動物なども含む有害生物全般を意味する単語
YouTubeでたくさん語ってきました 特に城は徹底解説しています
多和田葉子訳 グレゴール・ザムザがある朝のこと、複数の夢の氾濫の果てに目を醒ますと、寝台の中で自分がばけもののようなウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚れた動物或いは虫)に姿を変えてしまっていることに気がついた。”
実存主義 ●カミユ的不条理 ペストは集団 変身は個人というが カフカはいつも個人 ペストもリウーとい う個人に 個々人にふりかかっている ●ヤスパース的限界状況 虫に変身して他者へのコミュニケーション 手段がないというのは限界状況ではないか
それにしてはザムザは虫になったことで 自分の人生を嘆かない 家族のことだけだ なぜだ? 普通まず自分のことを絶望する まるでそれはないようだ 不条理感が増す
カミユ曰く カフカの真骨頂は長編にあり 審判や城の方が迫力がある 長編は未完 変身は適度な長さの完成品でペストのような希望を暗示して終わるから読みやすい
虫になっている 無断欠勤 支配人 経済的困窮 3人の紳士 細かく写実的に描写する カフカはだいたいそう書く それが震撼とさせる リアリズムタッチでありえないことを書くからだ
審判はある朝起きたら逮捕された 変身はある朝起きたら虫になっていた バイロンはある朝起きたら有名になっていた
個人的に私はカフカを読むと 城も審判も変身も ナチスによるホロコーストの予知夢を 描いたように感じる やがてユダヤ人は一家まるごとザムザのように虫扱いされるのだ ユダヤ人こそUngezieferウンゲツィーハー 生贄にもできない汚れた虫として・・・ という意が込められていたか?
審判も城もそしてこの変身も
ホロコーストの予知夢だったように感じるのである