南アフリカ共和国では、英語をはじめ、様々な言語が広く話されています。とは言っても南アフリカ共和国で一番多く使われているのは英語だと言えるでしょう。
南アフリカ共和国に住んで3年の実体験から、彼らが英語ネイティブスピーカーだと言える理由、また南アフリカ共和国の英語の特徴についてお話します。
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南アフリカ人はイギリス英語を話すネイティブスピーカー
ピーターマリッツバーグにあるシティーホール。
植民地時代から使用されていることで有名です。
結論を言うと、南アフリカ共和国の公用語は英語と言っても間違いではありません。
イギリス連邦の一部だった歴史があり、イギリスからの移民が多かったからです。
私たちの友人にも、先祖はスコットランドなど、Great Britainの地域から来たという人が多いです。
彼らの家に行くと、数百年に渡る彼らの家系の写真を見せてもらえたりします。
テレビではイギリスBBCのニュースが流れていたり、書店に並んでいるタブロイド紙の表紙は、イギリス王室の方たちです。
プリンス、プリンセスのファッションも注目されているんですね。
そういうわけで、イギリス各地をルーツに持つ方たちの英語はイギリス式のアクセントです。彼らは純粋な英語ネイティブだと言えますね。
例えば、「Tomato」は「トマート」のように発音しますし、(アメリカ式ではトメーイトに近い)
「God」は「ゴッド」のように発音します。(アメリカ式ではガー、に近い)
イギリス英語を勉強したい方は、こうしたイギリス系移民の南アフリカ人から学べます。
公用語がたくさんあっても、実際に使われるのは英語
アフリカーンス語、コーサ語、ズールー語などです。
なぜこんなにたくさんあるのかというと、他民族の国だからです。
アフリカの諸民族は伝統的に自分たちの言語を話します。
でも子供たちは学校で、基本的に英語を使って教育を受けています。(school language)
それでほとんどの人が英語を話せるネイティブスピーカーだと言えます。
友人のズールー人の中にも、家での会話はズールー語でも、本を読んだりするのは英語の方がいい、という人は多いです。
アフリカーンス語なども同じで、若い人たちは母語のものより、英語の映画や小説を好みます。
娯楽は英語が圧倒的に種類が多い、という理由もありますが。
またアフリカ近隣諸国、例えばジンバブエやマラウイなどから移住している人も多いです。
そうした背景があって、お互い通じる言語として英語が使われています。
英語が母語でない人同士で会話するので、シンプルな言葉で会話することも多く、私の下手な英語も辛抱強く聞いてくれます。
公用語がたくさんあるといっても、お互い一番通じるのは英語なので、一番多く話されているのは英語なのです。
南アフリカ共和国の英語の特徴
イギリス系のいわゆる白人が話すのはイギリス英語ですが、やはり南アフリカ共和国特有のフレーズもあります。例えば、
「Howzit?」〜ハウジット
これは「How are you?」のような感じで使います。
アフリカーンス(アフリカーナー)と呼ばれるオランダ系の移民が話す言葉にも独特の表現があります。
例えば
「Lekker Lekker」〜ラッカーラッカー
これはアフリカーンス語から来ている表現で「Good Good」のような感じで使います。
英語を母語とするイギリス系の人もたまに使っていたりします。
「Izit?」〜イジット
もよく使います。語源は詳しく知りませんが、「マジか?」「本当?」のような言い方です。
いわゆる黒人の方たちが使う英語はシンプルで、分かりやすい印象があります。
早口でペラペラ話すというより、比較的ゆっくり丁寧に話している感じです。(個人差はあります)
私のいたナタール州は、インド系の移民も多く、彼らの母語は英語です。
インド人の英語にも特徴があり、「three」の発音は「tree」に聞こえたりします。
これは黒人の方たちも同じ傾向があります。
私たちもこの「th」の発音は苦手なので、お互い気にせず会話ができ、とてもやり易いです。
ちなみに3年間南アフリカ共和国にいて、私の発音や文法の間違いを気にする人はほとんどいませんでした。
他民族国家、南アフリカ共和国の英語は外国人に優しい英語です。
南アフリカ共和国に英語教師はたくさんいる
英語を学びたい方にとって、南アフリカ共和国の英語は分かりやすいのでおすすめです。
私の周りには、仕事で英語を教えている南アフリカ人がたくさんいます。
その多くはインターネットで教えている方たちです。
みんな一生懸命準備して、がんばっています。
イギリス系移民の方たちは、母語が英語のネイティブスピーカーなので他の外国語を使う必要がほとんどありません。
それで外国人にとって英語のどこが理解しにくいのか、改めて勉強して、教えるための資格を身に着ける必要があります。
またアジアとは時差がかなりあるので、(日本とは7時間)深夜に授業になることもあり、それが大変だという友人もいました。
夜講師として仕事をして、朝起きて年老いた親の世話をしている方もいました。
南アフリカ共和国のインターネットは、他のアフリカ諸国に比べて安定しています。
もちろん日本よりはスピードが遅かったり、停電で不安定になることもありますが。
今人気のオンライン英会話教室でも、英語ネイティブの南アフリカ人講師が紹介されていることもありますね。
もし気に入った講師を見つけたら、
「Howzit?」
と話しかけてみてください。
満面の笑みで答えてくれるはずです。
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まとめ
南アフリカ共和国の公用語は11もありますが、一番広く使われているのは英語です。
家庭で使うのはそれぞれの民族の言葉だとしても、学校や日常生活で使うのは英語です。よって南アフリカ共和国は英語ネイティブが多いと言えるでしょう。
文化もイギリスの影響を強く受けていて、発音も文法もイギリス英語です。
民族やルーツによってアクセントなどが変わりますが、一般的にはっきりと、分かりやすい英語です。
外国人に優しく、フレンドリーなアフリカ式イギリス英語に、是非触れてみてください。
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