ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「喊杀喊打」とは?

風の谷のナウシカ」の中で
「喊杀喊打」という言葉が出てきました。

漢字4文字の言葉を見ると
ついつい成語かな?と思ってしまうのですが
「喊杀喊打」は成語ではなさそうで
辞書にも載っていませんでした。
どういう意味があるのでしょうか?

セリフの中ではこのように使われていました。

ユパ様に自重するように言われていたのに
城おじ達がトルメキアと
戦いを始めてしまった場面での
クロトワと兵士の会話です。


クロトワ:
会过来吗?
huì guò lái ma
こっちへ来るか?

兵士:
不知道
bù zhī dào 
わかりません

不过村民越来越多了
bú guò cūn mín yuè lái yuè duō le
村中が集まりつつあります

クロトワ:
真是的
zhēn shì de
いやだねぇ

就是一座森林嘛
jiù shì yī zuò sēn lín ma
森の一つや二つで

喊杀喊打的
hǎn shā hǎn dǎ de
殺気立ちやがって

想变成培吉特第二
xiǎng biàn chéng péi jí tè dì èr 
ペジテの二の舞だぜ


「喊杀喊打」はクロトワのセリフで
もともとは「殺気立ちやがって」
というセリフになっています。

「喊杀喊打」という言葉は
検索しても引っかかってこないのですが
「杀」と「打」を逆にして
「喊打喊杀」という表現は見かけました。

「喧嘩が激しい様子」「力ずくで威嚇する」
「殴ったり殺したり脅したりする」
というようななんとも物騒な意味のようです。

「喊」は「叫ぶ」「怒鳴る」「大声を出す」
という意味の動詞です。
「打」は「殴る、喧嘩をする」
「杀」は「殺す」の意味です。

これらの言葉の組み合わせで
なんとなく雰囲気は伝わってきますね。
ここでは「殺気立つ」という言葉の
中国語訳として使われていますが
言葉のイメージとしては
もっと暴力的なイメージがします。
私の勝手なイメージですが・・・

「喊杀喊打」と「喊打喊杀」で
配置は微妙に違いますが
意味としては大きな違いはないんじゃないかな?と思います。


ちなみに「喊打」を使ったこんな言葉があります。

老鼠过街,人人喊打
lǎo shǔ guò jiē   rén rén hǎn dǎ 
街に出た鼠は袋だたきにあう

「悪事を働くものは嫌われる」
という意味のことわざのようです。
「喊打」で「袋だたき」なんですね。

また「喊杀声」という言葉があるようで
意味は「寄せ鬨(ヨセドキ)」とありました。
「寄せ鬨」ってなんだろう?と調べてみたら
「戦場などで攻め入る軍勢があげる叫び声」
のことらしいです。
こちらも物騒な言葉ですね。


風の谷の村人達が
武器を持ってワーワー言ってる姿は
クロトワにとっては
「喊杀喊打的」に見えたのでしょう。

思わず「いやだねぇ」と呟いていますが
「いやだねぇ」は「真是的」となっています。
「真是的」は不満や当惑をあらわす言葉で
「まったくもう」というような感じで使われます。

「喊杀喊打」は平和的な生活をしていたら
あまり使う機会がなさそうですが
「真是的」は使う場面がありそうです。

何か思うように行かなかった時にでも
「真是的」と呟いてみようと思います。

 

 

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