我々「保険医療機関」は、保険診療の枠内での診療が許可されています(自費治療を除く)。

診療行為の適応や範囲、内容、値段など、全て細かく規定されています。

注射1本、薬1粒、縫合の長さに至るまで、全て全国一律に値段が決められているのです。

スーパーのように、「タイムセール」とか「特別大売り出し」とか「まとめておいくら」とか出来ません。

しかも、2年ごとの「診療報酬改定」で、全ての項目について見直しや新規項目の追加がなされます。

これが、開業医にとっての死活問題になります。

スーパーで言えば、売れ筋商品の値段を下げられたり、販売にあたっての条件が厳しくなったりするようなものですから。

 

今年は診療報酬改定の年。

しかも、6年に一度の「介護報酬との同時改定」の年。*介護報酬は3年ごとに改定。

さらに、コロナ禍を経ての改定なので、大幅な項目変更や追加がなされています。

 

事務職員と一緒に、今改定の解説についての読み込みと対応策を検討しました。

 




賃上げにかかわる「ベースアップ評価料」は、当院にメリットは少ない(賃上げ幅の割に事務作業量が膨大に増えるだけ)と判断し、当面は申請しない方針としました。

 

その他、初再診に関わる加算や、発熱患者対応に関する加算などが細かく規定されています。

当院は、当初から発熱患者を断らずに受け入れ、一般患者と動線を分けて交わらないような体制も取ってきたため、評価の対象になると判断しました。

 

今回一番大きな影響があるのは、高血圧症や糖尿病、脂質異常症に対する疾患管理料の分野です。

問診表の変更や、患者さんから署名をもらうことなどの手間が増えそうです。

 

医療と介護や多職種連携におけるICT活用の分野にも、新たな項目が追加されました。

当院は、以前からMCSというシステムで多職種と情報共有を図ってきました。

なので、これもうちにとってはプラス評価です。

 

在宅医療の分野も大きな変更がありました。

頻回の訪問診療や、深夜の往診に対する評価が変わりました。

すなわち、過剰な訪問診療や深夜往診にメスが入ったということです。

 

今回の改定の大きな狙いとしては、

・生活習慣病に対する、漫然とした指導や投薬の見直し

・ICTやDX活用の推進

・発熱患者の対応の適正化

・訪問診療の適正化

があるとみています。

 

紙カルテで、落ち着いている患者さんにいつもと同じ薬を同じように処方しているだけの診療所や、落ち着いている在宅患者さんに何回も訪問診療しているような診療所は、軒並み減算になると思われます。

今回の診療報酬改定をきっかけに、廃業する所も出てくるのでは・・・と思います。

 

うちにとっては、手間は増えますが、全体としてはプラスになる部分が多いと見ました。

真面目にやっていれば、必ず評価の対象になると思っていたことが、(少し)報われるかな・・・と思っています。

 

それにしても・・・

この複雑怪奇なシステム。

どうにかならんもんかねえ・・・。

まるで増築を繰り返して、迷路のようになってしまった古い旅館のようだよ💦

 

医療法人あつきこころ 大貫診療所(外科・内科)

理事長・院長 榎本雄介

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