コンビニやファーストフードなどのFC(フランチャイズ)店では24時間営業年中無休が当たり前のスタンスでしたが、世の中人手不足でお店も人員を確保するのに苦労しています。しかしFC店は本社の意向が絶対なので短縮営業はご法度とされていました。しかしその融通の利かないシステムが悲劇を生んでしまうことになります。

 

 

 

上の2つの事件は結構大きく報道されてかなり衝撃的でした。24時間店って利用する側からすれば、いつでも開いてて利用しやすくてとても便利なのですが、経営者はお店をずっと開けていなければならず、業務を継続するためのコストも余計にかかり人手も確保しなければなりません。そして都合でお店を休むこともできません。それが元でオーナーや従業員に無理がたたって不幸にも死に至ったということです。

 

 

私たちの身近にある24時間店ですが、上のような事例に陥る可能性のある店舗予備軍は数多くあるということです。しかし社会問題化したことで24時間店舗の実情と苦悩を世間が認識されることとなり、制度の見直しを求める声も増えてきました。今後見直しがなされるのか?24時間店舗は消えていくのか?過渡期を迎える24時間営業のお店について取り上げてみたいと思います。

 

 

 

FCは安定したビジネスモデルだが・・

 

 

年中無休24時間営業のお店はたくさんありますが、今回取り上げるのは主にフランチャイズ店で、24時間体制の店舗です。フランチャイズ店は、オーナーが本部の役員ではなく個人事業主が代わりにお店を経営することです。代表的なものはコンビニ(セブンイレブン ファミリーマート ローソン等)牛丼チェーン店(吉野家 すき屋 松屋等)があります。

 

 

フランチャイズ店は本部から提供される「ノウハウ」、「経営技術」、「システム」、「商標」を得られることになります。代わりに、「ロイヤリティ」として収益の一部を上納する形になります。本部のメリットは個人事業主が出資するため、店舗をたくさん出店しても大きな投資をしなくて済むことです。出店する際の投資が少ないため、店舗をどんどん増やし、知名度を上げ全国各地に展開することができます。

 

 

具体的にお金の流れを説明します。コンビニの場合はオーナーがフランチャイズ店に加盟する際の契約に必要な資金は100から300万円となります。そして開業のための資金として少なくとも500万円は必要となります。ロイヤリティは、売上額に乗じた売上総利益の40から60%分を本部に上納します。牛丼チェーン店もほぼ同様の基準となります。

 

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開店してからも当然事業の運営にかかわる店舗の賃料、材料の仕入費、24時間稼働させるための水道光熱費、アルバイトを雇うための人件費などかかります。支出のことを考えると大変ですが、これらの支出はフランチャイズ店によっては一部負担してくれるところもあるようです。そうした経費を差し引いたFC店オーナーの平均年収は500万円超とまずまずの収入を得られます。FCチェーン店のオーナーになることで比較的安定した収入を得られるビジネスモデルであると言えます。

 

 

オーナーとその家族への過酷なしわ寄せ

 

 

しかし安定したビジネスモデルも、本部の意向に忠実に業務を行わなければなりません。ネックとなるのが24時間営業による人員確保。アルバイトがなかなか見つからなかったり、シフトに入ってくれないとオーナーやその家族に負担がかかることになります。年中無休24時間のフランチャイズのオーナーになるのだからそれは覚悟の上でしょうが、人間ですから働き詰めが過ぎれば体に支障を来すことになります。

 

さきにツイートで触れたセブン・イレブンでは人員不足から生じて過労が祟り、働き詰めのオーナーが自殺されました。オーナーは本部の意向には逆らえませんし、労働基準法による保護の対象外であるため、1日8時間、1週間40時間以内という法定労働時間も適用されません。つまりいくら長時間労働してもかまわないことになるのです。年中無休24時間体制の業務を継続しなければならないという縛りが生んだ悲劇と言えます。

 

 

オーナーだけでなくそこで働く従業員にもしわ寄せがきます。すき屋で働いていた女性が亡くなった事件は。状況としては深夜帯で女性以外、従業員がおらず、女性が一人で調理して接客するいわゆるワンオペ方式を強いられ、疲労なのか持病持ちなのか不明ですが、勤務中に亡くなってしまうという痛ましい事件でした。そして発見されるまで数時間かかったことも問題の深刻さを物語っています。コンビニとは違って飲食店は注文を受け、全メニューの仕込み・調理、代金を受け取り釣りを返す、食器の後片付けと食器洗い、客席と便所の掃除も、その他もろもろの雑用も、何もかも全部1人で行わなければならないのですからコンビニとはまた違う、あるいはそれより過酷な業務になります。

 

 

こうした事例は決して特別なことではなく、多くのFC店のオーナーにとって決して他人事ではありません。声を挙げなければ自分たちの身に降りかかると感じたオーナー達が一斉に行動に移し、本部に対し待遇改善を求める抗議活動が各地で起こっています。

 

 

本部としても、抗議活動が盛んになって社会問題としてメディアで取り上げられると、世間に対するイメージが悪くなるので、なるべく事を荒立てず、オーナー達と向き合わざるを得なくなります。一人ではなかなか変えることはできませんが、多くのオーナーが集って声を挙げたことで大きな変革をもたらすことになります。

 

 

 

24時間にこだわらない営業展開へ

 

 

先に述べたようにFC店オーナーになることで、本部のノウハウを得られ、キャンペーン等メディアで広く周知してくれるというメリットがあります。それにより比較的安定した収入を得られることができるようになります。しかしその反面、人員不足に陥ることで超過労働を強いられるなど日常生活を犠牲になりがちです。FC店で圧倒的な店舗数のコンビニチェーン店を見るとその店舗数は年々少なくなっているのが分かります。

 

 

昔ならば多少無理してでも一店舗の主としてお店を繁盛させてお金を稼ぎたいという人が多かったのでしょうが、今は収入よりも、無理はしない人間的な職場環境を求める人が確実に増えています。そのため本部から厳しい規制を強いられるFC店オーナーとして働くことに魅力を感じない人が増えているのかも知れません。

 

 

年中無休24時間が当たり前だったFC店も時代の流れとともに時短営業が認められるようになりました。利用者からすればやや不便になりますが、働く人たちの立場を考えれば良い傾向だと思います。むしろこれまでの歪な体制を変えることで、オーナー希望者も増えれば本部としてもメリットがあるのではないでしょうか。FC店が魅力的なビジネスモデルとなってくれる良い転換期になってくれればと思います。

 

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投稿者

yuuponshow

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