試験勉強を進めるなかで、「わかっているはずの問題なのにミスをしてしまった…」という経験はありませんか？ これは、多くの受験生が陥る「思い込み」と「目のすべり」が原因のひとつです。特に、社労士試験やその他の士業資格試験では、正確な読解力と慎重な解答が求められます。
私は現在、士業向けの本を執筆中で出版社から初校ゲラ（原稿の初回校正刷り）が届きました。しかし、何度も自分で読み直したはずなのに、誤字等の表記のミスの赤入れがあり、「思い込み」の落とし穴にハマってミスに気づけずでした。これと同じことが試験でも起こり得ます。
では、どうすればこの「思い込み」や「目のすべり」を防ぎ、確実に点数を積み上げられるのでしょうか？ そのヒントは、校閲担当者の技術にあります。今回は、校閲の視点を取り入れた試験対策法について考えていきます。
１．校閲と言えば地味な力？
校閲と言えば、地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子（こうのえつこ）
2016年 の日本テレビのドラマを思い出す方も多いでしょう・・
タイトルとおり、地味ですが、校閲は本当にすごい力なのです
２. 自分の文章でも誤りを見逃す理由
原稿を執筆し、何度も読み返したはずなのにミスが見つかる。その最大の理由は、「自分の文章だからこそ、自分の意図通りに読んでしまう」ことにあります。校閲のプロは、初めて読む第三者の視点で文章を精査します。そのため、筆者本人が気づかない誤りを発見できるのです。
試験問題でも、同じようなことが起こります。たとえば、問題文の問いが「正しいものを選べ」なのに、無意識に「誤っているものを選べ」と読み違えてしまう。これは「こういう問題のパターンだから、たぶんこうだろう」と思い込んでしまうからです。
また、選択肢を読む際も、「Aは明らかに違う、Bも違う、Cが正解だな」と急いで判断してしまい、Dの選択肢を冷静に比較せずに見落としてしまうことがあります。これは、文章の「目のすべり」が原因です。
３. 校閲担当者の視点で試験問題を読む
校閲担当者が文章をチェックする際に意識するポイントは、試験問題を解く際にも有効です。具体的には、以下のような視点を持つことで、思い込みやミスを減らせます。
① 問題文を「一般人の気持ち」で読む
校閲の仕事では、「この文章を初めて読む人が誤解しないか？」という視点が重要です。同じように、試験問題を読む際には、「科目の知識がない一般人のつもりで、日本語の文章として素直に読む」ことを意識しましょう。知識があると、つい「こういう意味だろう」と補完してしまいがちですが、それがミスを引き起こします。
② 「声に出して読む」または「指でなぞる」
校閲担当者の中には、文章を声に出して読むことでミスを発見しやすくする人がいます。同様に、試験問題でも「問題文を頭の中で読み上げる」「指でなぞりながら読む」ことで、読み間違いを防ぐことができます。
③ 「逆の立場」で選択肢を検討する
校閲では、文章を「疑って読む」ことが大切です。試験の選択肢でも、「本当にCが正解なのか？」「Dのほうが適切ではないか？」と、あえて逆の立場で考える習慣をつけると、ミスを減らせます。
４. 校閲の力を借りて貴重な1点を守る
試験では、「あと1点あれば合格できたのに…」ということが起こり得ます。その1点を守るために、校閲の技術を活かすことが有効です。
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問題文を先入観なしで読む
→ 科目の専門知識がないつもりで、日本語の文章として正確に理解する。 -
声に出して読む・指でなぞる
→ 目のすべりを防ぎ、問いの形式（正しいものを選ぶのか、誤っているものを選ぶのか）を再確認する。 -
選択肢を疑って読む
→ 自分の選んだ答えを「本当にこれでいいのか？」と疑い、別の視点で見直す。
校閲担当者の力を憑依できれば、思い込みによるミスを防ぎ、貴重な1点を落とさずに済みます。
まとめ
試験では、「知識があったのにミスをした…」という悔しい経験をすることがあります。そのミスの多くは、「思い込み」「目のすべり」「読み違い」によるものです。
校閲担当者の視点を取り入れることで、問題文を冷静に読み、慎重に選択肢を検討できるようになります。特に、「一般人の目線で読む」「声に出して確認する」「選択肢を疑う」ことを意識すれば、ミスの確率は大幅に下がるはずです。
試験本番では、「校閲担当者になったつもりで問題文を読む」という意識を持ちましょう。そうすれば、貴重な1点を守り、合格に一歩近づくことができます。
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