上級国民に憧れる下級国民の会

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警備員は良かれと思ってやったことで怒鳴られる 下級国民警備員録

昔いじめを受けていた人がぽろっと会長に「良かれと思ってやったのに、それが原因で怒鳴られたりするしね」と愚痴ったのです。そういう良かれと思ってやったことが裏目に出たりするという話でもしていきましょうか。

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これのちょい補足みたいな感じの話です。

当時の会長は無線機にハマっていて常に2台ほど持ち歩いていました。その時はよく録音機能のついたic4310を使っていました。なので残りのもう一台を他の人に貸したりしていたんですね。

A隊長の建築現場で、いろいろあってKさんという方が追加できて人が増えたんです。その時に試しに会長の無線機を貸して仕事をしたら結構円滑に進んだのです。それで会社に頼んで現場専用の無線機をかりてきたのです。

会長はみんなの為になるならと、少しでも仕事が円滑に進むならと。そういう想いで会社から無線機を持ってきました。この選択が後にとんでもないことになると知らずに。

Kさんは「良いとこの大学を出て、良い企業に就職をして、結婚して子供もいる」という感じの方でした。いわゆる世間並みの幸せを手にした人間というやつです。Kさんは不当な扱いを受けて抗議する為に会社を辞めて警備員になったと言っていました。

世間並みの幸せを手に入れたことがあるからなのか、「俺はこんな誰にでもできるような仕事をしているような人間じゃない」とよく言っていました。大半の警備員は高卒で家族もいない真逆の人間なので、自分より下の人間だと思ったんでしょうね。Kさんはよく周りに隊員を口汚く罵ったり、殴ったり蹴ったりと暴力を振るったりしている有名人でした。

会長の持ってきた無線機が業務を円滑にし進めるために使われたのは最初の頃だけで、途中からKさんがA隊長に「馬鹿野郎。そんなこともわかんねぇのか」とか「お前はどうしようもねぇな。認知症なんじゃないのか。さっさと病院行けよクズ。」とか罵声を浴びせる為に使われるようになりました。

最初の方は受け流していたA隊長も最後の方には言い返すこともありました。温厚なA隊長が耐えかねて、「人に馬鹿とか死ねとか、そういう言葉を使うのはやめてくれないかな。人の邪魔ばっかりしないでよ。ぼくはそういう言葉を聞くつもりはないから」と言ってしまってたのを見てなんだかつらくなりました。

良かれと思って持ってきた無線機が他人に罵声を浴びせるために使われているという現実に、罪悪感に押しつぶされそうになりました。もちろんA隊長は会長の行動が100パーセント善意で行ったものであると知っている為、何かを咎めてくることはありません。

その後はKさんが起こした暴力沙汰が原因でA隊長がいなくなって、会長が隊長を引き受けさせられました。Kさんからのいじめや罵声を受ける役目もいっしょに。

ある時、ゲートを開けて道路使用許可証の関係で搬入時間まで、大分時間があったので会長は掃除をすることにしました。掃除をしているとKさんが飛んできて「おい何やってるんだ。そんなことは後で良いだろ!それぐらいはお前みたいな大学も行ってない馬鹿でもわかるだろ!」と怒鳴り出しました。まあこういう時何もしなかったA隊長はKさんに蹴り飛ばされて怪我したわけですが…。結局嫌がらせする口実が欲しいだけなんですよね。

またある時、急に車が現場の前に停まって搬出ができななくなってしまったのです。なのでドライバーに頼んでどかして貰えるようにお願いしたのですが、相手がちょっとアレな方で「ねぇねぇねぇ。今何時ぃ〜。地球が何回った時ぃ〜?」という訳の分からないことを言い出しました。そのまましばらく馬鹿にされ続けました。いるんですよね。こういう日頃のストレスを警備員で発散してスッキリしようとするどうしようもないのが。

対応にもたついていると、無線機からKさんの「全くお前はどうしようもねぇクズだな。さっさとそいつをどかせよ。そんなんも出来ないほど馬鹿なのか。ありえねぇぞ。」との罵声が飛んできたので慌てて周りに聞こえないように電源を切りました。よりにもよってこんな時にと思いましたが、よくよく考えるといつもこの調子なので別におかしなことではありません。

A隊長に罵声を浴びせていた無線機が今度は自分に罵声を浴びせる為に使われるという現場にやるせなくなりました。同時に無線機に録音されている音声を使って復讐してやろうかとか、Aさんみたいに暴行されたら警察に突き出してやろうとか思いましたが、これは結局最後までやりませんでした。復讐などという行為をすれば自分もKさん同様に人間らしいこころを失った存在になってしまう気がしたのです。

結局この辺りからでしょうか。必要な時以外は無線を切るようにしました。使う時もボリューム小さめでなるべく周りの通行人に聞こえないようにしていましたし、無線内容が罵声や悪口だったら、すぐに聞こえないくらいにボリュームを下げていました。

またある時は、搬入車が来ているのにKさんがカカシみたいに立ってるだけで何もしないので、良かれと思って歩行者も車両も全部誘導したのです。そしたら急にKさんが怒り出して「テメェなんでこんな位置に停めたんだ。車両がズレてるだろうが!」と言ってきました。

まさか立っているだけで何もしなかった人に言われると思っていなかったので会長は困惑して固まってしましました。それを見たKさんは「てめぇは人ごとのつもりか!」と怒鳴ってから拳を振り上げて、会長に対して殴るふりをしてきました。A隊長はこんなことを毎日やっていたんだなと自分が隊長になって身に染みてわかりました。

 

そんなことがしばらく続いた後。自分もA隊長みたいに蹴り飛ばされたくないので、黙っていたんですがもう流石に手に負えないので会長は「すいませんKさん。みんなでルールみたいなの決めませんか。毎日のように馬鹿とか死ねとか言われるとこっちもしんどいんですよ。」と言いました。

それを聞いたKさんは激怒して「それはテメェがクズだからだろうが!」と言って会長に殴りかかってきました。その時はもうKさんとはやれないなと思いました。その場ではなんとかKさんをなだめて対応しましたが、自分は一体何をやってるんだろうという感覚が凄かったです。こんなことが毎日のようにありました。

当時の会長は(今もですが)、他人に怒鳴ったりとか、暴力を振るったりとかそういうことが出来なくて、結局されるがままでした。A隊長も同じだったんだと思います。だからいじめられたんでしょうね。

今でも困っている相手を手伝ってあげたら、「やり方が違うだろ。何やってるんだよ」と罵声が返ってくることもあります。そんな時は今でもいじめを受けていた人がぽろっと愚痴った「良かれと思ってやったのに、それが原因で怒鳴られたりするしね」というあの時の言葉や、会長の空回りした善意でいじめを受けたA隊長のことを思い出すのです。

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人のためにやったことが原因で、怒鳴られたりするとなんだかやるせなくなりますね。もっと強い人間になれれば違うのかもしれませんが…

前回のブコメ返し

ジョニーさんブコメありがとうございます。ジョニーさんも結構ピュアな部分あるんですね。ギャップ感じます。

テイルズさんブコメありがとうございます。そうですね。どんな時でも自分と希望を見失わないようにしたいです。

うりまさるさんブコメありがとうございます。リコーダーネタ拾ってくださりありがとうございます。励みになります。

ヌーソさんブコメありがとうございます。フォントや色を変えたりするの結構時間かかりました。ヌーソさん結構ポジティブ思考ですね。

えりえりさんブコメありがとうございます。あれは子供ながらにメンタルに響きました。

語郎さんブコメありがとうございます。お互い慰め合って生きてきましょう。