学童運営の最大の山場である夏休み。
これを乗り越えると子どもたちとの
信頼関係も深まってグッと運営が
楽になります。

とはいえ、まだまだ信頼関係を
上手に構築できずに子どもたちと
距離があったりしませんか?

今日は子どもたちとの信頼関係を
深める方法についてお話します。


梅雨真っただ中の6月の中旬の
1日育成日でした。8時になると
元気よく子どもたちが学童の玄関に
現れて勢いよく吸い込まれていく。

「おはよう!」
「今日も元気いっぱいだね!」

私が声をかけてもほとんど帰ってこない。
「もしかして、私は子どもたちに
嫌われているのかな?」
そんな気弱な自分の声が頭に響く。

それを振り払うようにあいさつを続けると
唐突に「先生、おはよう」と返事が
返ってきてビックリ。

1年生のアヤノさんが最高の笑顔で
あいさつを返してくれたので思わず
私はガッツポーズ!

9時になり学習時間がスタートすると
静かに宿題をしている子は、
ほどんどいない。

小学校の教室の1.5倍ぐらいの
大きさのプレイルームに長机15脚と
元気あふれる小学生が80名以上。

座って静かに10分間勉強か読書で
静かに過ごす。難しいのはわかるけど
なぜか机に座る子がたくさんいる。
他の支援員は注意しない。

しかし、私は事細かに声をかける。
「そこは椅子じゃないですよ」
「机から降りてね」

机に座る子の横で勉強していた
2年生のミチさんが無言で私を
見る視線に気づく。

「あぁ~絶対にうるさく思われたよな~」

学習時間が終わって、自由遊びが再開すると
室内で1年生男子が追いかけっこをスタート。
「おいおい、リアルなトムとジェリーかよ」
と心のなかで突っ込む。大怪我につながる
危険行為なので、すぐさま部屋の隅まで
聞こえる音量で声をかける。

「走るのやめてね! ケガするよ」

すると近くで静かにぬりえを楽しんでいた
1年生のユカさんの体がピクっと強張る。

「あぁ~絶対に怖がられたよな~」

追いかけっこが収まると、ミチさんが
両手で鼻を抑えて近づいてきて
「先生、鼻血が出た~」

すぐさま私は鼻血の処置に取り掛かる。
ミチさんの鼻を抑えながら疑問が浮ぶ。
「他の先生も近くにいたのに、
どうして私のところに来たのだろう~」


止血が終わり再び部屋の様子を眺めると
壁際にある木の素材感を活かした3段の
ランドセルロッカーのあたりが騒がしい。

近づくと2年生のユウくんとロイくんが
ケンカを始めた。



二人とも2年生とは思えない体格で
ユウくんはラクビーを、ロイくんは
空手を習っているから取っ組み合いに
迫力がある。そのうえ、モノを投げる、
周りの机を蹴飛ばす、で被害は甚大。

他の支援員の静止の声も届かないので
私が二人を引きはがし、大喝一声。

さすがに成人男性が本気で一喝すれば
ケンカしている2人以外も動きをとめ
部屋全体がシーンと静寂に包まれる。
さながら時間停止状態。

「あぁ~今度こそ絶対に嫌われたよな~」

内心凹みながら、ケンカを収めて
全体に声をかけて場を和らげた。

事務室に戻ろうとすると、一年生の
ユカさんが不快な表情を浮かべて
おでこを押さえながら
「先生、頭が痛い。痛いよ~」と
私に助けを求めてきた。

このとき私は気づきました。
ユカさんや、鼻血を出したチカさんが
わざわざ私のところにきたのかを。

それは、私を信頼してくれたから。

他のどの先生(支援員)よりも熱心に、
あいさつや注意の声かけをしていた私は
自然と信頼を積みあげていたのです。

子どもたちは、自分たちを見てくれている
先生をちゃんと知っています。

そして表面的や一時的ではなく、
しっかりと興味や関心が自分たち(子ども)
に向いている先生を見抜いています。

『声かけ』は、見抜く判断材料の1つ。

朝のあいさつ、忘れ物がないかの声かけ、
危険行為への注意など、なんでもOK。

できれば『誉める』や『励ます』などの
【プラスの声かけ】だけにしたいところ。
しかし安全管理上、『注意する』や『叱る』
などの【マイナスの声かけ】がどうしても
増えてしまいがち。

正直、嫌がられ、煙たがられます。
それでも厭わずに続けるからこそ
子どもたちとの信頼関係が深まります。

例えば次のような人は自然と
信頼していませんか。

いつも気にかけて、愛のある
指導をしてくれる上司。
耳の痛いことも嫌われる覚悟で

伝えくれる友達。
口うるさいけど、本気で
心配して注意してくれる家族。

だから、信頼関係を深めたいなら
注意や叱るなどの【マイナスの声かけ】も
厭わずに子どもたちにたくさん
『声かけ』をしましょう!
 

最後までお読みいただきありがとうございます。

今日もワクワクする1日を!

 

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