モクレイシは、台湾、関東南部や九州以南に自生するニシキギ科の常緑広葉樹で、雌雄異株です。光沢のある丸みを帯びた葉をつけ、春に葉腋から伸びた花柄に小さな5弁の花を数輪つけ、実は熟すと2つに割れ、赤い種があらわれます。
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春に小さな花が咲き、冬に赤い種をつけるモクレイシ(木茘枝)
モクレイシの花

モクレイシの小さな雄花
こちらの写真は、2005年3月7日に、大阪公立大学附属植物で撮影させてもらったものです。
モクレイシ(木茘枝)は、台湾や日本の房総半島南部、神奈川県、伊豆半島、伊豆諸島や
九州近辺などに自生するニシキギ科モクレイシ属の常緑低木または常緑小高木で、
雌雄異株です。
生育地が限られるため、通常は限られた植物園などでしか見られないようです。
名前は、ゴーヤを意味するツルレイシ(蔓茘枝)に由来し、
ツル性ではない樹木であることからモクとつけられました。
ゴーヤの種も、モクレイシの種も熟すと赤くなることからに起因して名づけられたといわれます。
なお、レイシ(茘枝)はライチを意味しますが、
ライチはムクロジ科であり、ゴーヤとの関連性はなく、由来は不明です。
花は、写真のような薄緑いろの5弁で、直径5mmほどと小さく、
葉腋から出た花柄に数輪かたまって咲きます。
こちらは雄花のようで、中心部に黄色く見えるのが雄しべで、
雌しべは退化しており、見られません。
つぎの写真は、素材サイトから借用した雌花ですが、
赤い種と思われるものも見られます。

モクレイシの雌花
雄しべと違った感じの花ですが、やはり5弁で、
こちらは雄しべがなく、中心部に雌しべらしいものが見られます。
花の後には、長さ2cmほどの楕円形の実がつきますが、
12~2月ごろに熟すと2つに割れ、
中から赤い種があらわて長く枝に残ります。
モクレイシの葉と枝

モクレイシの枝と葉
枝は写真のように暗紫色で、まっすぐにのび、
たくさんの葉をつけています。
葉は、長さ4~8cm 幅2~4cmの楕円形で、全縁、
枝に対生しています。
ごらんのように、肉厚で革質、光沢があり表裏面に毛は見られません。

モクレイシの幹
幹はめだった凹凸がなく、比較的平滑で、
灰褐色をしています。
木材としての利用はあまりされていないようで、
しらべた限りでは、記録は見られませんでした。

モクレイシの樹
わかりにくくて恐縮ですが、
手前の樹がモクレイシです。
こちらの樹は高さ5mほどでしょうか、
たくさんの葉をつけています。
光沢のある葉がきれいで、冬の寒い季節に赤い種をのぞかせるモクレイシ、庭木など鑑賞用にとして楽しめるようです。
モクレイシの基本情報・花言葉
モクレイシ(木茘枝)は、台湾や日本の房総半島南部、神奈川県、伊豆半島、伊豆諸島や、
九州南部、五島列島、沖縄などに自生するニシキギ科モクレイシ属の常緑低木、または常緑小高木の広葉樹で、雌雄異株。
名前は、実が熟すと種が赤くなる点で、ゴーヤ(ツルレイシ)ににていることからつけられともので、
ツルに変えてモク(木)とつけられた。
なお、レイシはライチの事ですが、ムクロジ科であり名前の関連性はないとされます。
別名は、フクボク、リュウキュウモクレイシ(琉球木茘枝)、 ハチジョウモクレイシ(八丈木茘枝)
学名は、Microtropis japonica
micros は「小さい」 tropisは「竜骨」を意味し、花が小さいことに由来すると言われます。
英名は、Mokureishi tree
花は2~4月に、直径5mmほどの小さな花を咲かせます。
花弁は黄緑色で5枚、葉腋から出た花柄の先に数輪咲きます。
雌株には、雌しべが1個と退化した雄しべが5個の雌花が咲き、
雄株には、退化した雌しべと5個の雄しべの雌花が咲きます。
雌花には長さ2cmほどの楕円形で緑の実をつけ、
12~2月に熟すと2つに割れ、赤い種が残ります。
葉は対生し、長さ4~8cm 幅2~4cmの楕円形で、全縁。
樹高は2~5mで、樹皮は灰褐色、枝は暗紫色になります。
参照サイト・書籍
庭木図鑑 樹木ペディア モクレイシ
EVERGREEN 植物図鑑 モクレイシ
続・樹の散歩道 モクレイシの漢字名は難しすぎて何か怪しい!
太田和夫 他解説 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花2」