5月1日(水)午後、議会事務局よりタブレットに「農地中間管理事業業務委託費」に係る変更申請に、事務ミスがあったことを周知するお知らせが届きました。翌5月3日には新聞に掲載されましたので、町民の皆様はご存じの方もいらっしゃると思います。報告によれば内容は以下の通りだということです。
なお、農地中間管理事業とは、農業経営の規模拡大、農用地の集団化、新規就農の促進等による農用地の利用の効率化及び高度化を促進するため、市街化区域以外の区域において、農地中間管理機構を通じた農用地の貸借及び農業経営や農作業の受委託等を行う事業で、計画には茨城県・市町村・農業委員会等がかかわります。
□概要
「令和 6 年 4 月 4 日(木)に担当職員が令和5年度農地中間管理事業業務委託費の実績報告書を作成中に当初契約の委託額と実績額が一致しないことが判明。原因を確認したところ令和5年12月の職員給与改定に伴い、公社に対して委託業務費の増額申請手続きを行うべきところであったが、その手続きがされていなかった。その結果、本来であれば公社から阿見町へ満額支給される会計年度任用職員の人件費(2 名分)が支給されなかった。不足分の人件費(329,679 円)は町の一般財源から支出して対応することとした。」
□原因
「令和 5 年 12 月の給与改定の際、町補正予算の手続きと合わせ、公社に対して業務委託費の増額申請を適正に行うべきであったが、当時、担当職員が長期休暇を取得していため、業務の引継ぎ等が十分にされていなかったことと、引継ぎ職員が制度の内容を理解していなかったため申請手続きが漏れてしまった。」
□対応
「令和 5 年度の農地中間管理事業に従事する会計年度任用職員の人件費についての 4,425,901 円は適正に支払われている。しかしながら、公社からの交付金額は、当初申請額の 4,096,222 円のままとなっていたため、差額の 329,679 円については一般財源からの支出となった。」
□再発防止策
「担当職員は業務に関して、より一層の責任を持ち常に危機感をもって職務に専念するよう意識改革に努めるとともに、管理職についても常に各業務の進捗状況を把握し、適正な業務管理に努める。具体的には、各業務の正副担当制を徹底するとともに、事業の進捗チェックリストを作成することで業務の可視化を図る。このように常に局員・管理職が業務内容を確認する体制を構築することで、再発防止に努めることとする。」
阿見町では事務ミスが続発しており、その対策として「職員事務処理適正化委員会」を設置し、事務処理ミス防止に取り組んでいる中でのミスで驚くばかりです。
こうした事務ミスが起きるたびに、議会に対して、町長以下執行部が頭を下げて謝罪と再発防止対策を繰り返しています。
今回の原因は、「担当職員が長期休暇を取得していため、業務の引継ぎ等が十分にされていなかったことと、引継ぎ職員が制度の内容を理解していなかったため申請手続きが漏れてしまった。」というものだとしています。
そもそも、職員が長期休暇を取ったら引継ぎ等が十分行われない職場、職務体制というのはきわめて危ういものです。私は議会全員協議会の場で、こうした事務ミスが起きるたびに「原因追及が表面的で甘い」と指摘してきました。また再発防止策についても「職員の意識に頼らない対策」を取らなければ「再発を繰り返す」と何度も指摘してきました。
公務員の仕事内容は複雑化しており、また職員個々人には能力の差があることを前提に、「仕事をグループ制にして集団で取り組むことが必要だ」と提案もしてきました。こうした指摘や提案を、執行部がその場しのぎでやり過ごしてきたのなら大問題だと思います。職員数が絶対的に不足しているということが背景にあるのではないか、退職者や長期休暇の増加という現状をどのように捉えるのか、多角的に原因を追究し対策していくことが必要なのではないでしょうか。
また、今回の事務ミスが判明したのは「4月4日」ということですが、その後、内部で原因や再発防止対策を固めるための時間を考慮しても、連休前の4月下旬には、議会に対して説明できる状況があったと思われます。しかし、実際には5月1日にタブレット上に掲載、同日に土浦市政記者クラブにも情報提供しています。
こうした議会に対する対応は、議会軽視も甚だしいと私は思います。議会に対して直接説明せず、「タブレット」に掲載して済ませようとする対応は厳しく指摘しなければなりません。私は、タブレットに掲載された5月1日に事務局に赴き、たまたま出会わした副議長、議会事務局を通じて執行部に連休明け早々に詳細な経緯と質疑の機会をつくることを申し入れるよう話してきました。
事務ミスにより、町民負担を強いられるという事態になった重大な事務ミスだと思います。責任に応じた処分もありません。本来は、議長がこうした執行部の対応を許さないことが重要だと思います。