件の辞任発言でさえ「信用できない」と言われる始末。静岡県知事には、ホント困ったもんです。が、ソレ以上にマズイのは「都道府県」なるものの存在と知事権限、その規模や範囲が現実と齟齬を起こして久しい、ということで・・・
辞任の理由、その本当のところはご本人にしか分かりません。あるいはご本人にもわからないことでしょう。
ひょっとしたら、何か嫌になった、というだけ。理由は後付だったりして。
だからこそ、ご本人的にもっともらしいことを仰っているつもりでも、世の中的には、ほとんど理解されないというね。
此度の場合「目の前にいる人を持ち上げようとして、そこにいない人を腐す」的、ある意味安直な物言いで、職業差別意識なるものは、実際無かったんだろうなと思います。
いずれにせよ、彼の地位について(選挙というカタチで)関わることができない他県の人間としては、御殿場がどうとか、浜松がどうとか、色々あったにしても「まあ、好きにして下さい」としか言えません。
●失言癖は、まあ、仕方ない・・・
ワタクシ自身は、政治家の失言やら問題発言やらには、比較的寛容だったりします。
そりゃ、腹が立つこともありますが、ほとんどは「しょうもない」と放っておけば良いことです。
というか、放って置く以外は、そうですね、次の選挙で他候補を応援するくらいしかできないですし。
その一方で、リニアについて、散々ゴネまくったうえに「開業延期に持ち込んだ」ことが知事としての成果だと胸を張られた日には・・・
川勝さんの「言い方」や「態度」はともかく、工事によって大井川の水が云々とかいう話にどれほど根拠があるのか、また、その正否については深入りしません。
どっちにしても「仮説」で、将来、仮に「結果」が出たとしても、その因果関係を証明するのは不可能ですし。
●知事は独裁 or 無力?
ぶっちゃけ、この件については・・・
大井川流域の人々が困る(かもしれない)ことと、リニア中央新幹線各駅近辺、関東圏と中京圏、将来的に関西圏を含めた人々の利便性向上と、どっちを取るか?
・・・という話で。
JR東海 vs 静岡県、という図式で語るのではなく、少なくとも、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、の都県が、もっと絡まなきゃいけなかった。
それなのに、触らぬ神に祟り無しを決め込んだのか、案外静かなものでした。
あるいは、マスメディアが「報道しない自由」を貫いたのか。
報道機関の多くは「少数意見」や「環境保護」が大好きで、どちらかと言えば川勝知事に(無責任に)肩入れしてきました。
(大深度地下とはいえ)「沿線」にありながら駅を作ってもらえない静岡が色々(新幹線、静岡空港駅つくれとか、大井川流域住民の生活保障しろとか)言いたくなるのも分からないではないことですし。
それだけに、今、さて、どうしたものか、と困惑しているのが見え隠れしたりで。
●都道府県のカタチ
結局、諸悪の根源は、都道府県境をまたぐ案件、あるいは外交防衛関連施設、その他いわゆる国家百年の計に当たる施策について、知事が各種許認可権というカタチで事実上の「拒否権」を持っていることでしょう。
沖縄がその典型です。
逆に、行財政全般を自力で、すなわち、全て域内独自財源で賄えるほどの規模かというと、そうでもなく。
多くの県は、何につけ、国に頼らざるを得ない、というか、むしろ、国に面倒を見てもらい、あるいは責任を取ってもらいたがるという。
新型コロナ対応についても、人気取りの発言をする一方で、二言目には、国に何とかしてくれ的になことを繰り返してました。
もともと、今日ある「都道府県」は、明治時代の中央集権体制に沿うものとして、相当程度、人工的に「区割り」され、そこに、後付で「地方自治」を移植したもの。
昭和を経て平成・令和に至り、内包していた矛盾がいよいよ顕になっているように思います。
ひと頃、道州制も取り沙汰されましたが、(有権者受けが悪いのか)今はすっかり下火になってしまいました。
ワタクシに言わせれば、こと、国民の生活面に関する「問題」のほとんどは、東京の在り様が原因だろうという気がしないでもないのですが・・・
それはともかく、こういった「知事の横暴」を機に、再度、地方自治、というか、都道府県・市町村の在り方自体、問い直す人が増えたら良いのになあと、思ったり思わなかったりです。
最後に、誤解のないように言っておきますが・・・
我が豊橋市は、愛知県とはいえ南東の端っこに位置しておりまして、リニアは、ほぼ関係ありません。
住民感覚として、むしろ名古屋より、いっそ静岡、というか浜松に近しいところがありまして。
でもって、その浜松も、静岡(市)とは、その、アレですしね。
そこら辺の象徴でもある(とワタクシ個人は思っている)我らが三遠ネオフェニックス、チャンピオンシップ進出が決まりました。
プロバスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」は6日、豊橋市総合体育館で大阪エヴェッサと対戦した。三遠はメイテン選手らの活躍で96対79で勝ち、チャンピオンシップ(CS)への進出を決めた。
馴染みのない方のために、こちら、豊橋市の公式サイトから。
ヨーロッパの伝承にも登場する永遠の時を生きるという伝説上の鳥”不死鳥”。
チーム名にある『フェニックス』はチーム創設時の『OSGフェニックス』からbjリーグ『浜松・東三河フェニックス』を経て『三遠ネオフェニックス』へと受け継がれた。この『フェニックス』には「決してあきらめず勝利に向かって飛び続ける、不死鳥のように…」との願いが込められている。
また、『ネオフェニックス』の「ネオ」はギリシャ語で新しいを意味し、これまでの不死鳥は新たに再生を遂げ、バスケットボール界の新たな時代を力強く羽ばたいていくという決意が表れている。このチームを通じて本拠地、『三遠』という愛知県東三河地域と静岡県遠州地域の架け橋となり、共にスポーツを通じて成長し合うことを目指す象徴ともなる。
ちなみに、この三遠地域に、長野県南部を加えて、三遠南信地域、というまとめ方もあったりします。
三遠南信地域は、愛知県東三河、静岡県遠州、長野県南信州の3地域からなり、28の市町村で構成され、面積5,635km2・人口約208万人の大きさで一つの県に匹敵します。
歴史的には、天竜川の水運、塩の道(塩や生糸の流通)、秋葉街道(秋葉神社への参拝)、東海道等を通じて、人や物資が従来し、活発な文化交流がなされ、お互いの地域発展や生活・文化の向上に影響を及ぼし合ってきました。
今も広大な地域に、豊かな自然環境のもとで活発な産業活動が展開され、また文化面においても数多くの民俗芸能や文化財が保存され、一方では人形劇フェスティバルや音楽祭などの文化活動が生まれてきています。
もっともこれは、名古屋や静岡(市)と一体感に乏しい東三河と遠江、ついでに長野(市)に忘れられがちな南信州地域という、県庁所在地に置いてかれた連合、的な側面もあったり無かったり?
ま、お好きなように解釈してください。