古宮城訪問に合わせて、周辺の山城もめぐってきました。
まずは一夜城伝説も残る文殊山城から。
訪問前は単郭だし軽く見るだけかなと思っていましたが、訪れてみるとつくりは丁寧で虎口も堀も良く残っていて、なかなか見応えのある城でした。
お城:文殊山城 愛知県新城市
HP:文殊山城 | あいち歴史観光
訪問日:2024年3月
概要
1570~72年ごろ、この地を治めていた奥平氏が築いたとされます。
武田家との和睦の証として塞之神城とともに築くはずが引きのばしたために武田家より催促され、一夜にして築いた一夜城とも言われます。
訪問記
古宮城訪問(訪問記)に先立って訪れた作手歴史民俗資料館からスタートです。
初めて古宮城を訪れたときはスタンプにしか興味がなかったのに、気づけば周辺に足を延ばすようになっていました。いろいろな方の訪城記に触れると興味がわきますよね。
さて、文殊山城は、尾根続きの塞之神城とともに古宮城と街道を挟んで西隣、奥平氏の居城、亀山城とも南北に向かい合う立地に建てられた山城。
資料館で頂いたパンフレットにもしっかりと記載されていました。
麓から登るにはひるむ山頂の表記ですが、主郭近くまで車で行くことができます。
歴史民俗資料館から一本南、作手総合支所東の交差点を西へ。
たくさんの新しめの公共施設を見ながら進むこと少し。
突き当りのY字の分岐までやってきました。
真正面にかなり遠慮がちに建てられた看板が文殊山城を指すそれ。
初見では入るのに勇気がいる、か弱い林道方面に矢印が向いています。
Googleマップにも載っていない林道を走ること5分強。文殊山城の駐車場に到着です。
林道突き当りのふくらみ程度ですが、数台は停められそう。
何よりありがたいのは主郭直下の立地。
風情はないかもしれませんが、体力の方が大事なので(笑)
いちおう登り口もご紹介します。
先の写真右端に見切れていたところがそれ。林道分岐と同じ看板で誘導もあります。
ほぼ全体像見えていますが、主郭に置かれた縄張図を先取りして確認です。
主郭の周囲を土塁と腰曲輪が囲うシンプルな縄張り。
北東の塞之神城方面には堀切で尾根を切って土橋が架けられていて、そちらへの意識が感じられます。
現在地は主郭の左下あたり。ここから東側の主郭虎口へと進みます。
改めて主郭の足元を囲む腰曲輪
広さは通路程度。左手の主郭との傾斜は今もかなりきつく、高低差もなかなか。
階段にすると分かりやすいかも。こちらも風情はありませんが。。。
腰曲輪の外周にも低い土塁が残っている箇所もありました。
かつては横堀だったのかも。
あっという間に主郭東側の虎口へ。
大木はいるものの、脇は土塁が切れていて分かりやすい。
主郭内部へ
楕円形の主郭は綺麗に平坦でそれなりの広さを持ちます。
今は、正面の文殊堂はじめいろいろな建物が建てられています。これだけ建物を建ててもまだスペースがあるあたりで広さを感じられるでしょうか。
また分かりづらいですが、周囲は土塁が囲っています。
シンプルながらぬかりなく防御は整えてあります。
主郭西側にはネットで調べるとたくさんヒットする櫓と木柵。
ただ、どちらも老朽化がすごく、櫓は登れず木柵も崩れてきていてやや悲しい雰囲気。
古宮城や亀山城もある中、ここで観光振興するのはいろいろとニッチすぎるような。。。
謎のハンモックも。
城兵にも休憩は必要ですからね(違
もう一度降りて、今度は北面の腰曲輪へ。
と言っても基本的に景色は変わらず。
角度を保った切岸と周囲を守る土塁が良い味を出しています。
チラホラ石があったのが気になったくらい。さすがに気にしすぎかな。
最後に北東の虎口を見に行きます。
何度も出てくるこちらの看板に従って塞之神城方面へ。
小曲輪の右奥に見えるのが
東側の虎口
両脇からにらみを利かせていたんだろうなあと思わせてくれる情景です。
写真左手の土塁足元には少しばかりの石積も
これまでもうすうす感じていましたが、つくりはかなりしっかりしていますね。ここ。
虎口の先には土橋。
両脇の堀切も健在です。
とくに1枚目、右手は結構鋭い。
最後は土橋から振り返って攻め手の気持ちに。
土橋の奧には土塁があり、
その奥には主郭が見えていて二重三重の防御が残ります。
最初からわかってはいましたが、これは一夜では到底作れませんね(笑)
感想
満足度 3/5
単郭の縄張ながら作りがしっかりして面白い。濃さを感じられる城でした。
塞之神城、古宮城の周囲を固める砦、その中でも西方面の守りを固める役割かと思っていましたが、防御正面は塞之神城を向いていて、詰城的な位置づけもあったのでしょうか。ただの地形的な問題かな。
アクセス
文殊山城
- アクセス
電車・バス:JR飯田線 新城駅からバス 作手高里バス停下車 徒歩約45分
車: 新東名高速 新城ICより約50分
林道突き当りに無料駐車場あり - 城跡
散策自由 - 所要時間
約0.5時間 -
付近のスポット
もっとも有名なのはもちろんこちらでしょう。tmtmz.hatenablog.com同じく作手にある塞之神城、亀山城もこのあと訪問していきます。
山一つ手前の新城にはこちら。tmtmz.hatenablog.comネームバリューはないかもしれませんが、近くで復元が良い雰囲気を出しています。
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