モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

2011年夏の八幡平・花の記憶(1)七月中旬編

2024年03月24日 | 八幡平

今年の冬場は以前登った山の花の図鑑を作っている。
秋田駒や焼石岳は一区切りがついた(秋田駒はこちら、焼石岳はこちら)。
次は八幡平に取り掛かろうと思い、
ハードディスクにストックしている画像ファイルを見たら、
どうしたことか。

2011年の夏、八幡平で撮った写真はネット上に全く公表してなかった。
その中には、現在絶えてしまったお花畑や立ち入り禁止になってしまった湿原の写真もあった。
なんか勿体ないような気がしたので、
今回、その一部を花図鑑を始める前に分けて発表してみようと思う。




初めは七月中旬の大場谷地湿原。この地の標高は約960m。



ここは六月上旬まではミズバショウやエゾノリュウキンカが
咲いて賑やかな場所(例えばこちら)だが、
今回は何も咲いてない。
緑一色だが、
よく見るとチョコレート色で地味だが、花が咲いていた。
クロバナロウゲだ。

 


クロバナロウゲは北地の湿原に生えるバラ科の多年草だが、
本州では珍しいとされる。
その割に八幡平では多く、私はいつも大場谷地で晩夏以降に見ているが

七月中旬に咲いているとは知らなかった。

更に奥の方に進むと、ニッコウキスゲが咲き残っていた。
この湿原は低所のせいか開花が早く、例年ならば七月上旬に見頃を迎えている。

ニッコウキスゲの咲き残り



ニッコウキスゲ
 

(右上)サワラン


この湿原の最奥の場所に白い帯のような花の群生を見つけた。

近寄ってみたところ、それはオニシモツケだった。







オニシモツケ
 

(右上)モミジカラマツ

より白い花はモミジカラマツ。ともに真夏の八幡平では非常に多い花達だ。


次は秋田八幡平スキー場、
ここは湿原植物多い大沼や泥火山で有名な後生掛温泉の近くだが、

夏場は冒頭や次の写真のようにヤナギランの群生に覆われる。




 


例年はもっと遅く、お盆近くに最盛期を迎えるものと思っていたが、
意外にもこの花は早くから咲き、思った以上に長期間咲くことに気付いた。
ヤナギランは世界的には北半球の北部に広く分布し、
国内では北海道や信州の高原などでは一般的だが、東北地方ではあまり見かけないように思う。
それが秋田八幡平スキー場には大群生していた。
1980年代はスキー場斜面全域が紅紫色一色に染まるほどの群生で壮観だったが、
その後は衰える一方だった。
2011年は写真の通り、まだ残っていたが、その後(2019年頃)行ったら消滅寸前だった。
これは何故だろうか。
この地の標高は960m~1200m、高冷地だ。
スキー場として維持するため、草刈りなどは行われているだろうが、
それが日向を好むヤナギランの生育に悪影響を与えているとは考えにくい。
もしかしたら長年生育したことにより、連作障害が起きたのだろうか。


八幡平の上の方、今回は藤七温泉付近のみ。
標高は1460mくらいに点在するお花畑を探索した。







ここではニッコウキスゲが咲き出したばかりだった。

コバイケイソウは終わり頃だったが、
かわりに白い花はカラマツソウが咲き出していた。

 


カラマツソウ



他にはミヤマキンポウゲやハクサンチドリ。

 



フレッシュなシラネアオイを見つけた。

低所ならば五月から咲く花なのにここでは遅い。
高所で雪解けが遅い場所なので、開花も遅れたのだろうか。

シラネアオイ
 


(右上)イワカガミ


花の記憶(2)八月編」へ続く。


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