モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

黄色い毒花の海と燈台(ノウルシとナツトウダイ)

2024年04月28日 | 野草/春

2024年4月23日は鳥海山を眺めるため、にかほ市の郊外を走り回っていた。
にかほ市象潟町長岡からにかほ市役所に向かって走っていたら、
放棄水田の一部が黄色い花で埋め尽くされていた。

この花はトウダイグサ科のノウルシという毒草だ。
秋田県内では沿岸部や大曲付近で見かけるがあまり多くない。
たまに見かけても車を停めにくかったり、或いは藪になっていて近寄りにくかったりと
今までこの花に近づいてじっくり観察する機会には恵まれなかった。
今回は交通量が非常に少ない市道のすぐ脇の放棄水田だったので
容易に近づくことが出来た。







 






HiroKen花さんぽ  へ、ようこそ!野山に自然に咲く花のページ 」の
こちらの頁によると、
ノウルシは
「遠くから見ると鮮やかな黄色い花を咲かせているように見えますが、

花弁に見える部分は杯状花序(はいじょうかじょ)の基部にある総苞葉・苞葉です。
ノウルシには花弁や萼片はありません。 」
とのこと。

トウダイグサ科の植物は杯状花序(はいじょうかじょ)という特殊な花序となっている。
今回は折角の機会なので、それを説明しようと思った。
ところが私には難し過ぎて上手く説明できなかった。
どうか「HiroKen花さんぽ ・・・」さんのこちらの頁をご参照頂きたい。







なおこの頁によると、

「茎が折れると、断面から白乳液が漏れ出しています。
この液に触れるとウルシ(漆)のように皮膚に炎症を起こすので、「野のウルシ」となり・・・」
とのことなので、この植物の扱いは要注意だ。


秋田で生活していると、トウダイグサ科の植物と出会う機会はあまり多くない。
園芸種ならばクリスマス時期のポインセチアや夏花壇のハツユキソウくらいだろうか。
たまたま前日(4月22日)、男鹿毛無山でナツトウダイを見かけた。







ウイキペディアによると、ナツトウダイは
「山野に生える多年草。名前は夏だが、開花は春。
大柄な三角形の包葉と、三日月型の腺体が目立つ。・・・(中略)
和名の由来は素直には夏燈台であり、夏に咲くトウダイグサの意味に取れる。
だが、現実には開花期は春であり、日本では同属の他種に先駆けて咲くものである。
その点では明らかに和名と現実との乖離がある。
佐竹他(1982)は、ハツトウダイ(初燈台)の誤りではないかと述べている。
ただしこれについては、牧野は素直に夏燈台と記すのみで何も述べていない。」
とあった。
こちらはノウルシのように奇麗ではないが、
アップで花を見るとなユニークな構造をしている。
なお花の詳細は別ホームページ「松江の花図鑑」さんの
こちらの頁に委ねようと思う。(´π`;)☆\バキ


以上。

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七座山毒花紀行(2024年4月13日)

2024年04月27日 | 秋田県北の山

(本頁は「男鹿でツバキとカタクリを。」の続きである。)

4月13日は男鹿でツバキやカタクリの花を見た後、
時間が余ったので県北の低山、七座山(ななくらやま)に行くことにした。

行く途中、白神山地が奇麗だった。
この山なみ、高速(秋田自動車道)を走っている間はよく見えるが、

運転中なので撮影出来ない。
そのため一般道に下りて能代市の北部に向かう。

すると前衛の山々の蔭に隠れてしまう。
これは白神岳が隠れてしまう寸前の場所から撮ったもの。
白神岳は下界から見えにくい山だと思う。

白神岳と向白神岳



藤里駒ヶ岳



七座山と米代川



毒花紀行と銘打ったのは、今頃の七座山はハシリドコロを始めとした有毒植物が優勢だから。

ハシリドコロはナス科の毒草だが、カタクリやイチゲの仲間同様、スプリングエフェメラルのひとつ。
春の限られた期間に芽を出し、丈はあっという間に50センチを超えることもあり、
スプリングエフェメラルにしては些か大柄だが、花が終るとほどなく枯れてしまう。
秋田ではあまり多くないが、何故か七座山には豊富だ。

ハシリドコロ



ハシリドコロ、右奥にキクザキイチゲ



ハシリドコロ
 

(右上)オクトリカブトの芽出し


同じ場所には猛毒のオクトリカブトも多く、今の時期はエネルギッシュな芽吹きが見られた。

他に見た有毒植物
ナニワズの葉や枝には毒があり、実も食べられないと聞く。

 



ミヤマキケマン



エンレイソウは毒草なのに食べられるとも聞く変な植物。
私は無理に食べない方がいいと思う。

 


(右上)ニリンソウは山菜として食する人も居るが、弱い毒があるとも言われる。

また葉はトリカブトとよく似ており、山ではよく混生しており、
間違って採って食べたらタイヘンなことになる。

無理に食べない、それよりも採らない方がいいと思う。

キクザキイチゲに毒があるかどうかは不明だが、
近縁のイチリンソウやアネモネ(園芸種)は有毒植物として知られている。




アズマイチゲは毒かどうか不明。

 


(右上)カタクリは無毒だろう。

キクザキイチゲとカタクリの混生




他に見た花とこれから咲く花達。

ミヤマカタバミ
 


(右上)スミレサイシン

今回の七座山(ななくらやま)は権現座(ごんげんくら)など山頂稜線には行かず、
中腹の横道や山麓を歩き回っただけである。


中腹にあった巨岩



天然杉
 


(右上)コチャルメルソウ

タチカメバソウは咲き出したばかり。

 

(右上)ラショウモンカズラ(蕾)


以上。

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男鹿でツバキとカタクリを。(2024年4月13日)

2024年04月26日 | 男鹿半島4月

4月13日は男鹿へ約一週間ぶりに向かった。
これは最盛期のカタクリを見たかったから・・・
カタクリの生える門前五社堂の少し手前、
能登山を通りかかったら、椿がちょうど花盛りとなっていた。






この椿は日本海側としては北限のヤブツバキとして天然記念物にも指定されている。

なおヤブツバキは国内ではもっと北に位置する青森県夏泊半島にも生育しているが、こちらは日本海側ではない。
男鹿にはよく来るが、この花の開花に立ち会うのは久しぶりだ。


カタクリの方は、4月5日には三分咲きくらいだった(記録はこちら
が、今日はどうだろう。
五社堂下の宝物殿を過ぎると、999段の石段が始まるが、今回はそこのカタクリが満開だった。
厳密には朝一で7時頃通った時は花は半閉じだった。

朝一で7時頃のカタクリ



以下の写真6枚は一旦、五社堂まで上がって上の方の花を見てから下山し、9時半頃に撮ったものだ。

手前はカタクリ、奥の方にニリンソウ



カタクリ群生



カタクリ



ニリンソウ
 


(右上)カタクリ、アップで。

ニリンソウ群生



999段の石段を登り詰めたら、一輪だけ、シラネアオイが咲いていた。

 

(右上)シラネアオイの一番花

この株は何故か毎年開花が早い。他の場所のシラネアオイはまだ蕾も出たばかりのレベルなので
今年も一番花となっていた。
五社堂の境内はカタクリが花筵のように咲くところだが、今回はもはや終盤モードだった。

五社堂境内のカタクリ群生



キクザキイチゲとの混生



キクザキイチゲがやや多い場所



スミレ類はナガハシスミレが盛りだった。



五社堂



五社堂の裏の林ではフクジュソウはもう終わっていた。


フクジュソウ(実)とカタクリ

 

(右上)カタクリとスミレサイシン


スミレサイシンの葉は花が咲き終わる頃に展開する。

葉の形は名前の通り、トウゴクサイシンに似ている。

トウゴクサイシン



シュンラン



ナニワズはまだ咲き残っていた。




五社堂を下りてから、麓の勝楽寺に立ち寄ったら、エンゴサクがまだ咲き残っていた。

今年はこの花には長く愉しませてもらった。
また来年もよろしく。

この後、今日は能代市二ツ井の七座山(ななくらやま)に向かった。
行く途中、寒風山の上に茶色い雲が出ていたのに気づく。

エゾエンゴサク(オトメエンゴサク)?
 

この日の昼頃の男鹿付近は快晴で雲は皆無なのにそこだけ雲が有った。
茶色い色は何やら消臭剤メーカーのテレビCMに出て来る匂いのけむり?を連想させた。
ところがこの雲、肉眼ではしっかり見えるのに、写真に撮るとわかりにくい。
正体は何だろう。スギ花粉が雲のようになって漂っているのだろうか。
もしそうだとしたら凄まじい量の花粉だ。あの中に居たら、ひとたまりもないだろう。

帰宅後、夕方のニュースで今日、寒風山で山焼きが有ったことを知った。
あの怪しげな雲の正体は山焼きのけむりだった。

七座山毒花紀行」へ続く。

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秋田県南の山々・春姿(2024年4月10日)

2024年04月24日 | 秋田県南の低山

(本頁は「横手実家の事始め」の続きである。)

4月10日は横手市十文字町にある実家に行った。
今回はこの日、実家付近と秋田市自宅へ帰る途中に眺めた山々を列挙してみる。
朝、実家に移動中、鳥海山は雲を被っていたが、
実家が近くなったらやっと晴れて全貌が見えるようになった。
実家に着く直前、実家近くの眺めの好い場所から鳥海山を眺める。
秋田県南特有の富士山似の鳥海山だ。







鳥海山の左側(東側)に少し離れて突き出した箱形の山はなかなか同定できないでいた。
拡大して見ると・・・。




たぶん遠上山(1008m)ではないかと思う。
読みは「とおかみやま」だろうか。ネットで検索してもわからなかった。

遠上山の更に左側(東側)に連なる山々。




左から姥井戸山(927m)、観音森?、丁岳(1146m)ではないかと思う。

南の方角には、東鳥海山(権現山)(777m)。




東鳥海山の左側(東側)には泥湯三山。
左から小安岳、高松岳、山伏岳など1300m級の山々(火山)が並ぶ。




お昼頃、十文字町の別場所(柳原付近)から、また鳥海山を眺めた。

鳥海山の左に突き出した山は遠上山か。







上写真で鳥海山の右に子供のように付き従うピークは稲倉岳だ。

この場所からは南に神室山、東には焼石岳が見える。

神室山



焼石山塊






昼にまた実家に戻ったら、東側の山がよく見えるようになっていた。


栗駒山



泥湯三山と左に吹突岳(ふっつけだけ)



秋田市自宅への帰り道。

美郷町付近から、真昼岳と和賀岳を望む。

真昼岳(1059m)



和賀岳(1439m)



以上。

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横手実家での事始め(2024年4月10日)

2024年04月23日 | 実家のこと

4月10日は横手市十文字町にある実家を開けに行った。

実家の屋敷畑・東側の景観



「開け」とは例年ならば冬の間、雪で塞がっていた実家の玄関を開けることだが、
今年は暖冬少雪だったので玄関が雪で塞がることはほとんど無かった。

同時に冬の間に散らかった屋敷内のゴミを拾い、
その年の実家畑の除草作業を近所の知人に頼みに行くのが慣わしになっているが、
今年は諸事情あって冬の間、締めていた水道の元栓を開けに行く日と重なった。

諸事情とは昨年春の水道管破裂事故(詳細はこちら)。
昨年の事故に懲りて昨年末は実家近くの大工さんに頼んで水道の元栓を締めてもらった。
大工さんには他に頼み事も有ったので、今回は開栓に私も立ち会った。

どうでもいいことだが、開栓の模様を報告してみる。
実家の車庫と市道の間に量水器と書かれた蓋が有った。




これを開けると、次のような装置が現れた。これは「給水装置」と呼ぶようだ。




右の丸い栓を回すと、キャップが取れ、次のような四角形の小物体(栓)が現れた。




この四角栓を回して水を通したり止めたりするのだが、

素手では廻せない。何か特別な道具が必要だと思うが、実家にはそのような道具は無かった。
立ち会った大工さんは次のような器具を用いてチャチャッと四角栓を廻していた。




いやあ。驚いた。こんな道具が有るとは夢にも思わなかった。

写真の器具は後で秋田市内のホームセンターで買ったもの。
「共用水栓用カギ」と呼ぶらしいが、皆さんはご存じでしたかな。

次は実家一階屋根のみっともない弛み。




これをどう修繕するか、
しかし家屋は数年後には解体するつもりなのでそれまでどうやって凌ぐか

それを大工さんに相談したかったのだ。
まともに修繕すれば何十万、へたをしたら百万単位の費用がかかるかもしれない。
しかし住む人も居ないし、買い手のつかない家屋なので
相続したらほどなく解体するつもりでいた。
近く解体するものに数十万円以上のお金をかけるのは勿体ない。
しかし屋根が落ちたら・・・  (´π`;)みっともないったらありゃしない。
(-_-;) 困った。困った。

この件に関し、今回、大工さんから、ちょっと嬉しい提案があった。
なのでえがった。えがった。

その後は実家近所で最近亡くなられた方のお宅に弔問に行き、香典を置いてくる。
そして屋敷や畑の除草の依頼だ。
家から数百メートル離れたところにある畑(元はリンゴ畑)の除草は
十年以上前から近所の農家、Tさんにお願いしている。
実家屋敷の方(冒頭写真)は次写真のY画伯に今年もお願いすることにした。




どちらも快諾を頂く(御礼金を前払い)。なのでえがった。えがった。

その後、昼飯と除草剤購入で町のスーパーへ行く。
スーパーの近くから見た鳥海山は富士山似でとても奇麗だった。




午後からは除草剤散布と家の外のゴミ片付けを行った。




除草剤を今年はケチして三箱しか買わなかった。
昨年は9箱も買って3万円超掛かったが、思ったような除草効果は見られなかった。

今年は範囲を限定して除草剤を撒く。




実家で今咲いていた花はチオノドクサくらい。







実家から見た栗駒山。




実家の屋敷畑、午後の様子。



昨年、実家関係ではろくでもないことばかりだったが、

今年はすがすがしい幕開けとなった。

秋田県南の山々・春姿」へ続く。

コメント (4)
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