超過死亡数の増加はワクチン接種によるものなのか?

医学
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日本における8月の超過死亡数が急増していることが発表され、一部で新型コロナウイルスのワクチン接種が原因ではないかと騒ぎになっている。国立感染症研究所の発表によると、2022年前半の日本の超過死亡数は最大46,000人(17,000~46,000人)に上っており、同じ期間に新型コロナウイルスで亡くなったと認定された25,776人よりも多いのだ。

超過死亡数とは、平年に比べて増えた(あるいは減った)死亡者数のことで、この数値が著しく増えている場合は、疾病上の何らかの問題が発生していると想定することが出来る。

2022年前半に新型コロナウイルスで亡くなった人が25,776人で、同じ期間にそれを超えた人が予想外に亡くなっているのだから、新型コロナウイルスの感染以外に大きな問題が生じているのではないかと一部の人が主張し始めている。この期間に超過死亡数が増えるような問題は、普通に考えてワクチン接種しかないだろうから、ワクチン接種により多くの人が死んだという主張のようだ。
調べてみると、超過死亡数が急増した今年の8月に新型コロナウイルスのワクチン接種も一気に進んだことが確認出来た。しかし、それ以上に一気に増加したものがある。
それが新型コロナウイルスの感染者だ。
今年の8月は、1日当たりの新型コロナウイルス新規陽性者数が過去最高の261,004人と、今までに見たことがないような数字となっていた。ウイルスの流行とワクチンの接種が同時に急増し超過死亡数が増えたのなら、ウイルスのほうに問題があると考えるほうが普通だろう。

そもそも超過死亡数に関して、ワクチンを打ったことで死んだ人と新型コロナウイルスに感染して死んだ人を比較することには、大きな意味を持たない。本来しなければならない比較は、ワクチンを打ったことで死んだ人とワクチンを打ったことで死ななかった人の比較だ。しかし、ワクチンを打ったことで死ななかった人の数値を調べることは難しく、その実態は分かりようもない。
あるいは、同時期にワクチンを打って死んだ人の割合とワクチンを打たずに死んだ人の割合を調べ、年齢別で統計を出せればワクチンの様々な影響が分かるかもしれないが、現状そのようなデータは示されていないようだ。

いずれにせよ、新型コロナウイルスのワクチンによって超過死亡数が急増したという主張には無理がある。新型コロナウイルスによる死亡者と超過死亡の数を比較することは、いかにも正しいように見えるが、これは数字を使った手品のようなものでしかない。

以上、超過死亡数の増加は、拾いきれていない新型コロナウイルスの感染者増加によるものと考えるべき現象だろう。

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