田吾作「今回は田吾作ファームで栽培中のジャガイモの種芋の植え付けを紹介する。」
「ジャガイモは南アメリカ原産でナス科ナス属の植物である。」
「今年度も春ジャガイモは在来種と西洋種を比較しながら栽培するために、昨年末から種芋の確保に奔走して2月下旬に植え付けることにした。」
「ジャガイモは15種類の品種を栽培している。」
「品種名はプチじゃが、下栗芋、男爵薯、メークイン、キタアカリ、ベニアカリ、トヨシロ、十勝こがね、北海こがね、インカのめざめ、インカのひとみ、インカルージュ、グラウンドペチカ、ノーザンルビー、シャドークイーンである。」
ジャガイモの伝来史
「それに対して戦国時代の1598年 (慶長3年) に伝わったジャガイモを、日本で品種改良して受け継いできたものが在来種である。」
「当時のジャガイモは見た目と味が悪かったため普及しなかったが、日本各地の山岳地帯に広まったジャガイモは独自の進化を遂げた。」
「江戸時代の1833年 (天保4年) に天保の大飢饉が発生した際には、在来種のジャガイモが多くの庶民の命を救ったと言われている。」
「しかし明治時代に男爵薯、大正時代にメークインなどの西洋種が伝わると、見た目と味で劣る在来種のジャガイモは忘れ去られてしまった。」
「川田龍吉さんは1897年 (明治30年) に父親の急死によって男爵を受け継ぎ、日本で初めて蒸気自動車に乗った人物としても知られている。」
「1908年 (明治41年) にはイギリスからアイリッシュ・コブラーという品種のジャガイモを輸入し、北海道の自営の農場に導入して普及を図った。」
「アイリッシュ・コブラーは他の品種より生育と味が良くて評判になったが、肝心の名称を忘れたため男爵薯と呼ばれるようになった。」
「当時の日本でマイナーだったジャガイモの普及に尽力したのは、1883年 (明治16年) にイギリスに留学した際に西洋種を食べていたのが理由のようだ。」
「土作りのベースにはサンアンドホープの花と野菜の土 プレミアム培養土と赤玉土 (小粒) を使った。」
「土壌殺菌剤は住友化学園芸の石原フロンサイド粉剤を使って殺菌と消毒をした。」
「土壌改良剤はサンアンドホープのピートモスを使って保水性と排水性と保肥力を向上させた。」
「連作障害の対策はヤサキの連作障害ブロックW、朝日アグリアのハイパワーたい肥を使った。」
「土壌の酸度はサンアンドホープのピートモスと硫酸カリを使って酸性に調整した。」
「農薬は住友化学園芸のベニカXガード粒剤を使って害虫と病気の予防をした。」
「有機肥料はサンアンドホープのぼかし完熟有機100%肥料を施した。」
「化学肥料は朝日アグリアのカルシウム肥料とリンカリ肥料、アミノール化学研究所の微量要素8を施した。」
メネデール: メネデール
田吾作「種芋は植え付け前にメネデールの100倍希釈液に約30分くらい浸漬した。」
「メネデールは植物の生長に欠かせない鉄分を2価鉄イオンの状態で含んでおり、発根を促進して元気な株に育ててくれる。」
「肥料や農薬ではないので毎日のように使用することができ、種まきや植え付けや挿し木や弱ったときの活力アップまで幅広く活躍する。」
「また水分や養分の吸収を高めたり、光合成を活発にする働きがあり、切り口に膜のようなものを作って保護すると同時に発根を促進する効果がある。」
田吾作「次に種芋をジベレリンの10ppm希釈液に約30秒くらい浸漬した。」
「ジベレリンは植物ホルモンで、植物の生長を促進させる効果があり、生育促進や開花促進や果実肥大などを目的に使用されている。」
「開花に低温処理や長日処理を必要とする場合は、春化処理が代行されて花芽形成や開花促進の効果が認められている。」
「ジャガイモの種芋にジベレリン処理をすると、休眠打破の促進をして、萌芽期が早くなり、茎数の増加に伴って収穫量を増加させる効果がある。」
「希釈倍率は住友化学園芸のジベレリンの希釈方法を参考にして計算するのが便利だ。」
「ジャガイモは今年度の春で9回連続の連作で、事前に約1ヶ月もかけて十分な対策をしたのが良かったのか、現在のところ病気らしい兆候は見られない。」
「雨の日が多くて種芋が腐るのではないかと心配したが、全ての品種が萌芽しており、今のところ田吾作ファーム名物の強風にも耐えて育っている。」
「今後は余分な茎を取り除く芽かきという作業を控えているが、昨年度は強風でほぼ全滅したので放任栽培しようと思っている。」
「田吾作ファームのジャガイモの栽培は続く……。」