「一般的にジャガイモの種芋は病気に感染していない専用のものが販売されているが、念のため殺菌剤などを使って自分で消毒することにした。」
「ジャガイモは15種類の品種を栽培している。」
「品種名はプチじゃが、下栗芋、男爵薯、メークイン、キタアカリ、ベニアカリ、トヨシロ、十勝こがね、北海こがね、インカのめざめ、インカのひとみ、インカルージュ、グラウンドペチカ、ノーザンルビー、シャドークイーンである。」
「アメリカ大陸から伝来したジャガイモは、冷涼な気候のヨーロッパでも栽培できるため、瞬く間に食文化を変えるほど普及した。」
「ところがヨーロッパ全域でジャガイモの疫病が発生したことで、特にイギリスに搾取されていたアイルランドでは餓死者が出るほど大惨事になった。」
「このジャガイモ飢饉によって、アイルランドでは約100万人が餓死または病死し、約200万人がアメリカへ移住したと言われている。」
「実はジャガイモの疫病をもたらした原因が、植物の破壊者 (Phytophthora) という学名が付けられたジャガイモ疫病菌だったのだ。」
「日本で初めてジャガイモの疫病が確認されたのは1901年の北海道と長野県で、それ以降も疫病菌は変異して多数の系統が出現している。」
「疫病菌に感染すると、ジャガイモの葉と茎は暗褐色に腐敗して枯れ、葉の裏側に白い粉のようなカビが広がり、芋の内部は褐色になって腐敗する。」
「雨が降り続くと疫病菌が畑全体に広がって瞬く間に感染するため、基本的には種芋を消毒して予防することが大切だ。」
「その他に疫病を防除するには、残渣を処分して適切に肥料を施し、雨が多い時期は発病に注意して早めに薬剤を散布する必要がある。」
日本曹達: アタッキン水和剤
田吾作「これは日本曹達のアタッキン水和剤という殺菌剤である。」
「アタッキン水和剤は多くの病害に効果の高いトップジンMと、細菌性病害に有効なストレプトマイシンの混合剤で効果的な防除が期待できる。」
「植物への浸透が強く、優れた殺菌性を示し、予防と治療の効果ともに優れており、細菌性病害と糸状菌の同時防除剤として適している。」
「ジャガイモの場合は黒あざ病、黒あし病、黒星病、そうか病、もものせん孔細菌病と、いくつかの菌類病、細菌病の予防に効果を発揮する。」
「使い方はアタッキン水和剤の40~60倍希釈液に、種芋を芽出し前や植え付け前までに約5~10秒くらい浸漬するだけだ。」
田吾作「以上が田吾作ファームで栽培中のジャガイモの種芋作り ②だ。」
「市販されているジャガイモの種芋は、土壌が汚染されていない環境で栽培されているため、細菌やウイルスに感染していないことが証明されている。」
「ただ多くの種芋は殺菌剤などを使って消毒されておらず、栽培する土壌が汚染されている場合は細菌やウイルスに感染するリスクがある。」
「もちろん食用を種芋に使用するのは非推奨だが、品種を入手できないこともあるので、その場合には必ず殺菌剤などを使って消毒してほしい。」
「皆さんも家庭菜園でジャガイモの種芋を消毒しては如何だろうか?」