ボランティアはやりがい搾取:メサイアコンプレックスにつけ込む求人

やりがい

ボランティア求人を、先進国は不正な搾取として嫌う

平成以降の日本で流行中のボランティア活動。

タダで仕事をして、無給で奉仕する意味。奉仕する中心は若者です。

2024年1月1日の『能登半島地震』でも、駆けつけた若者がこき使われ、邪険に扱われた話題がありました。自腹を切らされ、ポリコレ圧にやられる若者たち。

ボランティアはよいことなの?

悪いことです。

たとえばドイツでは、他人を無償のボランティア活動で利用することは、悪人の作法だと定着しています。実例をあげると。

日本で集めた作品の美術展をドイツで開いた時、現地スタッフ幹事長のお嬢さんが手伝いに入ってくれました。たぶん高校生。

母から娘に報酬が支払われました。「家庭内の個人的な話でしょ」とはならず、その報酬分も日本の主催者が送るのが、欧州国の常識でした。

労働の尊重、公平の尊重、人権の尊重。タダ働きが許されない国です。サービス残業と同様、ボランティアを強いる者も応じる者も、不作法とされます。

広場の大道芸に、お金を払う人もけっこういるが?

アマチュアであれ芸が続けられるように、無料奉仕させない社会正義でしょう。

ボランティアは正義が壊れた貧困社会で流行るわけね

1997年の緊縮財政と消費税増税で通貨削減した日本では、こんなお仕事依頼が。

きちんと最後までやってくれる責任感のある方に、この仕事をお願いします。
報酬は残念ながら差し上げることができませんので、どうかご了承ください。

こんなふざけた求人は、日本だけで成り立つのです。

緊縮財政で経済成長を止めて、デフレ不況で買い手市場の右肩下がりだから。

不払いで経費を浮かせて、雇う側はウハウハだし

平成日本のキーワード「やりがい搾取」が、ボランティアの本質を突いています。

労働に加われば身につく技能や経験を、雇う側が与えてあげると恩に着せて、賃金と相殺する詐術的な取引です。

スキルやキャリアを金目の物だとこじつけて、他人の善意をかすめ取る金銭搾取です。

ブラック企業もボランティアも、激しい不景気の時に流行ります。

メサイアコンプレックスを悪用した、ボランティア求人

ボランティア求人は、個人の「メサイアコンプレックス」を利用します。

メサイアはメシア(救世主)です。

メサイアコンプレックスとは、低い自己評価や劣等意識、罪悪感を挽回すべく、誰かの救世主になりたがる、気弱な人にありがちな心理である。

「自分は能力も価値も低い」「その自分の力で誰かを援助したい」と補償行動に走る無意識の心理で、プラマイゼロが妥当に思えてしまう。

日本ではお金を欲望の象徴とみるミクロ経済の偏見が強く、無償の行為で美談が生まれる空気が濃厚なので、善人ほど低望みしやすい。

主催側は「あなたは救いの神だ」と、ほめながら誘ってきます。

だから実績のない若者がターゲットか

そんなボランティアを民間企業が集めると、やりがい搾取がバレバレです。

でも、国や県市町村が主催するとバレない。

なぜまかり通る?

国民の貨幣観が「財源論」「貨幣のプール論」「金本位制」だから。

国の出費で国庫の一万円札が減って破綻する、それを防ぎたい善意。

日本の「失われた35年」の原因と同じ勘違いで、まかり通るのです。

要はデフレ不況の賃金カットが、ボランティアの正体か?

「景気悪化で税収が減り、国や県市町村はお金が不足している」と、庶民は間違った認識で妄想しています。

「お金は個人が増やして政府に与える」「国民の仕送りが途絶えたら国家は破綻」という逆さまにひっくり返った勘違いで、タダ働きを肯定する空気ができています。

日本人は、国民一人一人がお金を刷り足す役目なのだと、完全に勘違いしています。

ボランティアする若者は、やっぱ19世紀の貨幣観か

年貢米から更新できずにいます。

・ 公的なボランティアの支持者は、管理通貨制度と信用貨幣の知識が乏しい
・ 国民が働いたお金を集めて国費を用意するのだと、仕組みの理解が逆さま

税金は財源でないと理解する日まで、若者は搾取され続けます。

通貨発行権を持つ政府が金欠に泣く白々しいお芝居を、若者が見破れる日まで。

ヒント : オレオレ詐欺は、息子が会社の金を使い込んだ事件からしてお芝居

前提となる危機的状況そのものが作り話、虚構のピンチ、架空の恐怖なのです。

記事→ ボランティア以外で、国の一万円札を守ろうとした若者

ボランティア活動に賃金を出すと、国は経済成長する

もしボランティアに国が賃金を出したなら、経済成長(名目GDP増)します。

政府は通貨発行権と呼ぶ打ち出の小づちを持つので、お金に困るわけがない。

困ったふりを続け、通貨発行をみんなでヘイトして、日本の自滅は続きます。

何かを徹底した時代が不幸なら、その徹底が原因だと気づこう

↑ 徹底が足りないせいで不幸が続く、と考えるのをやめて。

自国通貨は無尽蔵だから、節約は逆効果よね

お金を守りすぎてはだめという話ではない。守った額だけ貧困化する話なのです。逆。

「国がお金に困れど、さすがにタダ働きはまずい」の倫理問題とは違う。
「国のお金が不足」が起きない現代に、不足したふりが続く問題である。

お金を個人や企業が増やすと、通貨偽造の刑事犯罪です。重罪です。

お金を合法的に増やす役は政府です。 ← みんな知らない

増やす発端の数字を国債と呼ぶ。

英語で、National debt。

日本語訳で、国家の負債か

借りるお金ではない。

母が出す母乳を、よそから借りないのと同じ。

母は普通、他人から借りたミルクを胸に入れて、出して子に飲ませるのではない。

期間限定であれ「打ち出の小乳」を振れば、タダでミルクを創造できる。

イギリス人はお金を端的に言い表すと、負債という概念の数字だと知っていた

国の赤字をゼロに戻せば、国民は無一文になります。 ← みんな知らない

国がお金を使えば、どんどん成長する理由をもう一度?

政府が国内の人に賃金を払うと、「政府支出」と呼んでGDPに足されます。

そしてここが大事。

政府が払う支出金は、いちいち通貨発行するので、この世のお金の総量が増える。
お金をじゃんじゃん発行して、総量を2倍に増やせば、所得倍増となる。

国がお金を使えば、世にある総額が減るのではなくて、増える。

皆は減ると恐れていて、だが実際は逆に増える。あべこべ。

減らずに増える。使えば使うほど。お金を。国が。

増えた分が、経済成長分となる。

国が若者に払う人件費は、国庫短期証券を発行し、新たに刷り足したお金を払う。
国民のお金を集めて備蓄して、国の支払いに使ったりしない。日本もそれは同じ。
国がお金を使えば、使った額が増えるなんて誰が決めた?

世界銀行です。イングランド銀行が中心。銀行制度です。国際的な。 ← みんな知らない

ボランティアだと通貨発行を省くから増えない?

働く若者が自腹を切ると、発行済みのお金が移動するだけ。

お金の総量が増えないので、経済成長分がゼロです。

ゼロより悪い国って・・・

そんなこと日本人は全然知らないけど

だから現にGDPがドイツにも抜かれ、4位へ転落。次にイギリスとインドに抜かれます。

母子家庭を助ける募金や、ふるさと寄付も悪だとか?

足長おじさんも経済低落する方向。 ← みんな知らない

民間拠出はマネークリエイションなき通貨移動だから、ボランティアと同じ衰退コース。

政府支出を増やして、通貨の総量を増やさないとだめ

国がお金を刷り足せば企業は賃上げできる

ボランティアたちはその原理を絶対知らない

若者の共通認識は「お金は使えば減る、使わなけりゃ減らない」です。

カリスマご意見番たちも「お金を使うやつはバカ」の動画で人気絶頂。

この誤った認識で日本はこのありさま。

落ちる落ちる ♪

上がる上がる ♪

Yahoo掲示板は「皆は国のお金をあてにすな」の声ばっか

国の通貨発行権を知らない人は、貧困推しがライフワークになります。

国費を国民が負担する嘘に気づこう

フェイク図版にだまされまくり

日本人が不況下でボランティアを言い出したのは、貨幣のプール論の信者だから。その誤った信仰が、日本経済を35年も衰退させた破壊力の源です。
Photo: by Susan Wilkinson on Unsplash