日本はやっと高インフレを達成したのになぜ生活苦が続くの?

インフレを冷ます

日銀のインフレ目標2パー超えでも、日本経済は下落?

2022年から、日本の家庭で毎日の食費がもろに値上がりしました。

5個214円の袋入りラーメンが322円へ、50.0パーセント高、月2度の安売りも消えた。80グラム213円のかつおぶしが278円へ、30.0パーセント高、従来安めの商品だった。

こうした値上がりラッシュを受け、積極財政を批判する声が増えました。

ほらみろ、お金をばらいまいて増やすとインフレが大暴れだ。
理想範囲の前年比4パーセントどころか、7パーや10パー上がった。

20パー以上上がった商品も多いし。
でも給料は上がらず、前より貧乏になっただろ。

「経済成長するには、通貨発行して消費ブームでインフレ率を上げよ」
と言っていた積極財政のやつらは、今どんな気持ち?。

「物価を上げれば所得が増え、日本経済は復活する」と言ってきた、
その連中が今は黙ってるのは、そういうこと。

この人がどれだけ勘違いしているのか、説明しましょう。

日本だけお金を増やさず、逆に増税で減らしてるやんw

それも重大ですが、致命的なのはインフレに二種類あることを知らない点です。

良性インフレと悪性インフレがあり、対処法は正反対

人間の体温が上がる現象があります。

36度だったのが、38度に上がる。原因は、二種類あります。

ひとつは運動した時です。

筋肉が強く動くと、体温が上がる。
ほてった体を冷やすために、生体反応で発汗が起きる。
それでも暑すぎれば、人の判断で冷水シャワーや冷房で体を冷やす。
夏に庭の草取りしてもそうだね

もうひとつは、風邪やインフルエンザや、新型コロナが発病した時。

感染症が発病すると、体温が上がる。
繁殖した微生物を弱らせる生体反応で、悪寒まで起きる。
しかし、人の判断で冷水シャワーをあびて体を冷やしはしない。

風邪で38度の人に「運動しすぎ」「水あびしろ」と言わない人は、知識がある。

体温上昇が物価上昇なわけか?

運動して熱が出るのは「良性デマンドプル型インフレ」に相当します。

お金が増えたせいで、物がよく売れて物価が上がる現象です。

品薄な商品は強気価格になります。ネットオークションの、希少な珍品と同じ。

その良性インフレの値上げ分は、誰が儲かる?

製品原価の値上げ分はメーカーの儲け、小売り価格の値上げ分はショップの儲けになり、それぞれ社員への給与報酬が増えるものです。しかも経済波及効果も出ます。

売れるから増産し求人も増え、給与を上げるから結婚が増え、子どもも増える好循環。

日銀の目標はこちら、通貨増量で消費ブームになり好景気の、良性インフレの話です。

その良いインフレ以外に、悪いインフレもあるわけか

インフルエンザの発熱は「悪性コストプッシュ型インフレ」に相当します。

原材料が値上がりし、商品の製造コストが上がる現象です。

新型コロナ禍で小麦、コロナ終盤の世界経済復興で石油や木材、露ウ戦争で石油や小麦。原材料買い付けが高騰して、製造がコストアップする。

悪性の値上げは誰の儲け?

輸出国です。石油はサウジアラビアなど中東国、小麦は米国や豪州や、ロシア側の儲け。日本企業は儲からず、給与報酬は横ばいどころか、賃下げや首切りになるありさま。

今の物価上昇はこっち。

冒頭の意見は、良性インフレと悪性インフレを混同しているだけ。

みんな、インフレを一種類と思ってんだ

スポーツの熱と、風邪の熱が、皆さんごっちゃ。

良性の高インフレは「好景気を達成」、悪性の高インフレは「不景気に転落」。

誰も教えてくれないもん
単に「インフレ」とだけ言い、「デマンドプル」や「コストプッシュ」の語を口にしない評論家やご意見番に、耳を貸しても無駄である。

風邪の患者に「冷水をあびろ」と言う人は、東大法学部を主席で卒業でも危険です。

冷水は何に相当する?

お金を減らす政策。通貨削減です。

防衛や子育てなど各種増税や、健康保険料値上げや、医療費窓口負担増です。

冷水をあびせ続けてこうなった

悪政コストプッシュ型インフレは、お金をばらまくべき

ハウツーを知りたい人は、こんな疑問がわくはず。

良性デマンドプル型インフレ率2~4パーセントなら絶好調で、増税も減税も不要だし、幸福を謳歌すりゃいいと僕でもわかる。

一方、悪性コストプッシュ型インフレ率2~4パーセントで、さらに10や20パーなんかに上がれば、政府は何をすべきか。増税か、減税か?。

減税です。

まず、インフレ率を「デマンドプル成分」と「コストプッシュ成分」に分けます。

4種類のインフレ率のうち、良性悪性が混じっている「CPI」と、悪性成分を除去できる「GDPデフレーター」がかい離するほど、悪性インフレ成分が多いとわかる。

・ CPI       = 消費者物価指数  (前年同月比)
・ コアCPI     = 野菜を除く    (季節変動を除去)
・ コアコアCPI   = 野菜と石油も除く (資源高騰も除去)
・ GDPデフレーター = 名目GDP/実質GDP(派生コストも除去)

生鮮食料と石油を除く「コアコアCPI」での分析は不可能。物やサービス全てが原油由来の燃料代や電気代に直撃され、悪性がどっさり混じるからです。

そもそも日本だけはデフレ基調です。一方、世界各国は棄民政策をとらず、コロナ対策のばらまきで良性インフレ基調です。

証拠となる、主要国のGDPデフレーター

シミュレーションで単純にすると。

・ 日本 : インフレ率 5% = 良性 0% + 悪性 5% (成分の全てが悪性)
・ 世界 : インフレ率 8% = 良性 3% + 悪性 5% (良性と悪性の混合)
日本の不況の構造は実はシンプルか!

そう。「良性インフレ率ゼロ+悪性インフレ率高騰」は、自国通貨をばらまけば一挙解決です。延々と悩むのは、お芝居なのです。

ばらまきより消費税廃止が最善、との声が増えたが

当たり前です。

物やサービスの量や質が変化なしでも、増税すれば価格上昇しますね。

上昇分は社員の給与報酬にならず、国債発行残高と相殺され消えます。

この世から、税額分を削減(通貨抹消)しているのです。

消費税は、悪性コストプッシュ型インフレと同じ物価上昇で、不景気に落ちる

そもそも、税はコストを押し上げますよね。

たばこ増税と値上げで理解できますね。

国民は増税すれば国が潤うつもりだが

税金は財源だと勘違いしています。

独立国は「通貨発行権」の打ち出の小づちを持ち、税金は金目の物でない

国にとってありがたみゼロ。「税収」の語がフェイクなわけ。

自国通貨は、独立国が好きに発行できるから。

独立国はお金を無料で刷れるから。

読者の皆さんも、自らがお金を刷れるなら、お金がないないと泣く必要がなくなる

税金は財源ではないのです。

はっきり聞きたいが、日本は本当に税金で運営してるのか

日本もまた、通貨発行で運営しています。国が支払うたびにお金を増やす方式です。

国際的に指導された財政手法に従っています。

それなら日本も他国並みに経済成長するはずだが?

ほら、見落とした。重税を。

母が子に母乳を飲ませるまでは、他国と同じです。

でも日本だけ、翌日同量のミルクを子に吐かせたらどうなりますか。

吐かせない他国の子とくらべ、何が起きますか。どういう差ですか。

吐き続けた子は体重が1ミリも増えない

国債発行して与えた額と同額を回収する重税のせいで、成長ゼロが続くのです。

プラス成長が、鈍化しただけでこれ

飲ませたミルクが、まんま成長分か

赤ちゃんはがんばっても、飲むミルクを自力で生めない。

しかし日本だけが「飲むミルクは赤ちゃんが負担すべき」という宗教なのです。

宗教的な感覚は、なぜ生じた?

報道が嘘をばらまいているからです。昨日も。今日も。おそらく明日も。

 お金はばらまかずに?

一部の国民は洗脳のあまり、冒頭の誤解をばらまいて情報弱者を誤導しています。

ばらまかれたフェイク絵図の一例

今のインフレは日銀目標と異なり、輸入原材料高騰が加わったコストアップ型です。貧困化を止めて経済成長させるには、消費税廃止が不可欠です。
Photo: by Drew Farwell on Unsplash