後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔685〕『人生、挑戦・嫌煙権弁護士の「逆転法廷」』(伊佐山芳郎、花伝社)読んでみました。

2024年04月25日 | 図書案内

 ブログで少し前に、渡辺文学さんの『日本の嫌煙権運動45年史』(花伝社)を紹介しました。その本の末尾に宣伝されていたのが『人生、挑戦・嫌煙権弁護士の「逆転法廷」』です。この本はまさに渡辺さんの紹介で、花伝社からの出版が実現したと書かれていました。
  伊佐山芳郎さんといえば『嫌煙権を考える』『現代たばこ戦争』(いずれも岩波新書)が代表的な著書で我が家の本棚にも並んでいます。言わずと知れた嫌煙権運動で中心的役割を担われた弁護士です。ボランティアとしての参加で、一切報酬はもらわなかったということです。
  その彼が、どのような人生を歩み、それをどう総括されるのか、興味を持って読み進めました。

  2部構成です。前半は「逆転法廷への挑戦」として「強姦致傷被告事件の逆転無罪判決」「ピアノ演奏の差し止め裁判」など六つの事例に言及されています。後半は自身一番力点を置いたであろう嫌煙権問題を「受動喫煙被害は人権侵害」という視点から書き連ねています。
 おもしろかったのは、「反嫌煙権の珍説・暴論」の件でした。
・福田恆存「常識では思ひも付かぬさういう狂った世情」
・澤田ふじ子「精神文化の停滞と卑小が、原因にある」
・小室加代子「「間接喫煙ぐらいでシボむ花ならポイ」
  …(略)

 自らの来し方を総括するときの参考になりそうな本でした。


■アマゾンのサイトより
『人生、挑戦・嫌煙権弁護士の「逆転法廷」』 単行本 2021/9/22
伊佐山 芳郎 (著)

弱者のために、社会のために――
タバコをめぐる社会認識を塗りかえた嫌煙権運動
旗振り役となった弁護士、挑戦の45年

*推薦
「受動喫煙被害の深刻さと対策の遅れの原因に迫る、渾身の論稿! 」渡辺文学氏(「禁煙ジャーナル」編集長)
「現場主義に徹し法廷に挑む姿勢 若き法律家にお薦めの一冊」古城英俊氏(弁護士)
「70歳を過ぎてピアノコンクールにチャレンジ Bronze賞は驚き! 」ミハウ・ソブコヴィアク氏(ピアニスト・福島学院大学教授) 


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