タイミングが分からない両親との暮らしの話

 洗面所で30分?

早朝、朝ご飯を作るのはこみちの分担です。

今朝は洗濯機も回したので、6時台は一人で慌ただしく働きます。

ところが、最近の母親は6時40分にはリビングに顔を出して、テレビをつけて洗濯機に自分たちの洗濯物を入れ、洗面所を陣取ります。

実際に洗濯機が始動するのは父親が部屋から出てくる7時過ぎで、それまで髪をとかしたりしているのでしょうか。

こみちたちは6時半くらいに朝食を食べて7時前にはダイニングテーブルを明け渡します。

食事をしたら、歯磨きも終えてしまいたい。

でも母親はまだ洗面所で何かしています。

他にもいろいろとしているとは言え、洗面所を使い出してそこを明け渡すのは父親が起きて来るタイミングです。

食事を終えても洗面所は使えずに、一度自室に戻るしかありません。

しかも、両親が食事中に洗濯機を動かし、タイミングを見誤ると洗濯物を干すという作業と本格的な化粧とが重なり、全てが終わるのは10時頃です。

今、父親が洗濯機がもうすぐ終わると母親に伝えている声が聞こえました。

このタイミングで歯磨きしないと、それこそ歯磨きするのは10時を過ぎてしまいます。

みなさんは、歯磨きしている時に隣で誰かが居ることに躊躇いはありませんか。

以前ならまだしも、こみちも社会人になって一人暮らしも経験してからの同居なので、家族とは言え、子どもの頃とは違います。

父親も母親もその辺りの感覚が変わっていないのか、放っておくと自室でも入って来るという有り様でした。

それをやめさせるのは、本気で怒ってやっと理解できたようですが、「家族だから」といいように解釈する癖は抜けていません。

自分たちのために買って来た食べ物を断りなく食べてしまったり、手をつけるだけつけて、それを「食べてもいいよ」と言ったり、こみちの感覚ではできないこともできてしまいます。

その関係性を「家族」というなら、こみちはこの「家族」という感覚が好きではありません。

でも両親は歳を重ねたからなのか、元々の気質がそうだったのか、こみちにはメリットを感じることがほとんどないのに、そのフォローを含めて何かしたい時に前を横切るようなことをします。

随分と状況を考えるように父親はなりましたが、それも根本的に状況を理解しているのではなく、「受け身」に出ることで全てを放置しているに過ぎません。

しかも根本的には状況判断できないままなので、風呂に入ろうと準備しているタイミングで風呂を使い出したりします。

着替えまで先に用意している脇に、自分の着替えを並べて服を脱いでいたのを目撃して、「誰かの着替えが置いてある」ことの意味が理解できないのです。

「風呂に入ろう!」という気持ちが優先されて、周りの状況判断ができません。

「こみち、風呂入ろうと思って着替え置いていたんだけど」

「そうか!」とは言っても、そのまま裸で浴室へと消えて行くのです。

やりたいことを譲れないので、父親や母親が動くと面倒なことになります。

7時過ぎに始まった両親の朝食ですが、8時近くになってやっと終わったようです。

そこから洗い物が始まり、既に終わっている洗濯物を干すので、やはり10時前後になってしまうでしょう。