4Lo
エッジを綺麗に使ったループジャンプを見れるのはフィギュアスケートの醍醐味の一つ。リッツォ選手のスケーティングは清々しい。FSで4Loを着氷した後は波に乗って最後まで楽しそうに滑り切った。
4Loは羽生氏が世界で初認定されたジャンプ。2016年9月オータムクラシックでのSPだった。
羽生氏不在の今季からはあの精緻なスピンや美しいジャンプを試合で見れず、技術&芸術レベルの全体的な低下は否めない感。
端正なスピンはいくつかあった。しかし羽生氏のジャンプのあの正確さや美しさは見られない。分かっていた事だ。
踏み切り時の鋭い緊張感と躍動感、流麗な軌道、着氷の優しさと流れるエッジ、その上音楽にピッタリ合い演技表現の一部となっている- そんなジャンプは見られない。そんなスポーツとアートが見事に融合し完成した演技はまずありえない。
別の見方をすればアマチュアスポーツの本来に戻ったような感もある。
その代わりに、といえるか- 今季の観戦ではスケーティングや体幹など基礎力の強さを感じる選手が目についた。
さいたまで見ごたえがあったのはジュンファン・チャ選手のFS。
クワドを計3本(SP1本FS2本)跳び、計7本跳んで優勝した宇野選手と僅か5点差だった。宇野選手に怪我があったとはいえ、あと1本クワドを跳べば1位だったことになる。ジャンプ前の構え姿勢がいつも気になるが各エレメンツの質は高くGOEもPCSも高い。
エッジが途切れることなく綺麗に流れダイナミックな演技だった。
Fire & Air
チョック・ベイツ組の今季のFDがまた素敵。「火と空気」というか「火と風」がテーマ。
火の情熱が自由な風に煽られて拡大する。風が燃え上がる火を動かしてゆく。抽象的なテーマが見事に振付けられていて火のスピリットと風のスピリットがお互いを必要としている関係がよく表れている。
メーク、ヘアー、衣装までパッケージングは全て完璧。ミステリアスでセンシュアルなこのプログラムは今季のお気に入りトップ5の一つ。
コマーシャリズム
ここ数年、ネイサン ‐ アリサ ‐ マリニン ‐ イサボー とアメリカの若人売りが続いている。
売り商戦が激しすぎて可哀想に見えることもある。未成年選手の両親たちへのアプローチから事が始まるかと想像している。
さいたまでは妙な帽子を被せられ日本語を喋らされているマリニンが道化に見えてしまった。色々と難癖をつけられてはいても仮にも4Aを国際試合で初着氷した選手をチープに見せる下手な演出は見苦しかった。
本人、マネジャー、コーチらは意味が分からず何らおかしいとも思わず日本というエグゾチックな環境にあって異国の習慣に従っている位の気でいるのかと思ったりした。
そういえば前回2019年のさいたまワールドでは日本の女子選手2人がスポンサー商品の宣伝に使われていた。アマチュアスポーツでかなりの収益が上がるとなると、なりふり構わず下賤な方向にゆく商魂においては米国と日本はいい勝負か。
選手の経済支援をするのは大歓迎だが練習や試合の邪魔にはならないように願いたい。
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ご訪問くださり有難うございます。
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