酸欠
4CC開催地のコロラドスプリングスは標高1839m。米スケート連盟の本部もあり練習拠点にしている選手が多い様子。
そういえば陸上選手などもトレーニングしていると聞いたことがある。
空気が薄く4CCでは演技後倒れこむ選手が何人もいた。
数回リフトをやる木原選手にはさすがにこたえたようだったが日本の選手は大体大丈夫だった。三浦佳生選手は4CCは倒れなかったがWJCではヘタっていた。カルガリーも1048mとかなり高い。
高地での試合はアスリートにとって酸欠で大変な一方、空気抵抗が少ないゆえジャンプが高く跳べ回転が速くできる利点もあるらしい。
標高の影響は理解できるが- コロラドスプリングスではこれまでWC、4CC、GPSなどおそらく10回以上?国際大会が開催されているはずで今回妙に息切れの度合いが高く頻度が多かったのは個々の選手にコロナの影響があった?と心配が頭をかすめた。
ビューティ&ビースト
三浦選手は器用なテクニシャン。
ジャンプでは離氷の瞬間エッジをグッと深く傾けている。どういう効果があるのだろう。回転スピードが増す?
スケーティングもシャープで力強い。試合のステップも良かったがWJCガラのエッジワークが見事だった。
シーズン初めは鋭角的な17才には幼すぎる感でピンとこなかったビューティ&ビーストは4CCとWJCで初めて腑に落ちた。GPFでも全日本でも迫ってこなかったビーストの歌声と歌詞が米国とカナダの地では演技と一体となって聞こえてきた。ビーストの心の変化が伝わる演技だった。
千葉選手
今季は8月の第1戦からJGPSを観た。大事なノービス&ジュニア時代がコロナ期と重なり国際試合の機会が少なくなってしまった選手たちがフルコースに戻った今シーズンにどの様な滑りをするかと思いながらだった。
どの選手も思っていたよりずっと良かった。身体のキレもよく試合感覚も遠のいた感はなかった。むしろ技術も表現もジュニア選手たちの実力は益々上がっているようにさえ見えた。
良い選手がたくさんいる。日本からは中井、千葉、吉田、柴山、櫛田、島田選手の6人がJGPSで大健闘。韓国、米国からも逸材が出てきた。
千葉百音選手の滑りは美しい。強いだけでなくとても柔らかい魔法のような膝を持っている。
年齢からいえば20-21シーズンからシニアに参戦できた。21-22シーズンに五輪出場を争うこともできたのではと思えるほどマチュアなスケーティング。滑らかな足元がしなやかな演技を支えている。4CC3位に続いて週末のプランタン杯( Coup du Printemps )では見事優勝!
吉田選手も年齢的には昨季からシニア資格があった。2人とも来季から移行する?できる?
トップJr選手の足かせ
今季からジュニアとシニアの年齢規定が変わりジュニアを最低4シーズンやらなければならなくなった。個々の選手の進展具合によるだろうがトップ選手にとってはこれまでにないハンディとなる。
周知の通り島田選手は年齢制限で2026年ミラノ五輪には出場できない。次の五輪は20才で迎える2029-30シーズン。五輪開催の2月には21才になっている。
五輪出場の可否も一つだが数年間ジュニア試合にしか出られないことはプログラム規定の違いから見て限定的な枠組みの中でしか競技できなくなり選手の成長の足かせとなる。
中井、柴山、櫛田選手はあと2シーズン、島田選手はあと3シーズン、ジュニア試合にしか出られない。3人はミラノ五輪シーズンから島田選手はその翌シーズン26-27からシニアに上がれる。
ジュニアとシニアの主な違いは-
* 女子SPで単独3Aを跳べない
* 男子SPで4回転を跳べない
* SPで単独3回転の種類がシーズンごとに決まっている(今季は3Lo)
* FSは時間が3分30秒±10秒で11要素(シニアは4分±10秒で12要素)
全日本ジュニアで上位に入れば全日本に出場でき、年に1回だけシニア仕様の試合を経験するチャンスとなる。
向こう数年の女子戦の技術内容は- これもよく言われているようにジュニア戦の方がシニア戦よりも高くなると予想される。現にカルガリーでのWJC女子戦では4選手により3Aが計6本跳ばれ4Tを島田選手が跳んだ。さいたまワールドでは渡辺、グレン選手(米)の2人が3Aを跳びにゆく。おそらく計3A3本が上限。
いよいよさいたまワールドが始まる。スーパーアリーナでの開催は3回め。2014年と2019年の様々な思い出がよみがえる。今回はどんなドラマが始まるか楽しみにしている。
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