福井旅行の最後の訪問地は一乗谷。
ここはブラタモリで見て以来、行きたいと思っていた。
恐竜博物館とは山で遮られているので、ちょっと遠回りになる。
45分くらいかかった。
一乗谷は山に囲まれた隠れ里という感じ。
今でこそ簡単に行けるが、当時は大変だったんじゃないだろうか。
ルートは高速を使わないつもりだったのに、ナビに北陸道へ誘導された。
ここは無料区間だからだった。
ちなみに、レンタカーは軽自動車。
楽天レンタカーでは普通車が残っていなかったから。
でも、922kmしか走っていない新車だったので、走る、走る。
ふだん見かける軽のイメージというと、あんまりスピードが出ない、
坂道は息切れして上れないというもので、
じっさい八丈島で借りた軽のレンタカーは山道では青息吐息だった。
でも、今回借りた軽(デイズだった)は時速80kmまであっという間。
軽も新しいうちは違うんだなと見直した。
まずは、一乗谷レストラントへ寄って、一休み。
一乗谷朝倉氏遺跡の復元町並を歩く。
この通り沿いの右側に武家屋敷、左側に町家が並んでいた。
町家はたくさん復元されていたが、武家屋敷の方は1棟だけだった。
川を渡って、朝倉館跡へ。
諏訪館跡庭園
朝倉館跡の発掘現場
一部ガラスで覆われていて、上を歩いて見ることができる。
一乗谷の観光案内で一番よく見る唐門。
唐門の遠景
川に沿った狭い平地の両側に山が迫っている。
庭園巡りなどしていて、2時間ほどいたことになる。
時間に余裕がないので遺跡博物館はパス。
17時5分発のハピラインふくい乗車。
帰途は11分でしらさぎに連絡したので、3時間で帰宅できた。
ここへ来るまで前置きが長かったが、いよいよ旅の目的である福井県立恐竜博物館へ。
予約時に入場時間を選択するようになっており、9時~10時にしてあった。
しかし、70歳以上は観覧料500円って、なんと安い!
地元だったら、しょっちゅう来ちゃうのに。
宿から博物館へは1時間ちょっとかかるので、8時過ぎに出た。
モニュメントの背後が本館、右側の卵形ドームが新館だ。
ここでも、遠足か修学旅行の生徒がたくさんいた。
入り口を入ると、まず長いエスカレーターでB1Fまで降りる。
そこから順に展示を見ながら上がっていく。
ここで、用意したイヤホンを装着し、スマホの解説アプリを立ち上げた。
しかし、意外にも周りで同様に解説を聞いている人をまったく見かけなかった。
展示室の中央には恐竜のスター、動くティラノロボット。
1F展示室をぐるっと俯瞰したところ。
おお、イクチオステガがいる!
ここは石炭紀のジオラマ。
なるべく順番通りに回ろうと思ったのだが、前にも後ろにも展示があり、
上から見下ろせるスロープもあったりするので、
行ったり戻ったりしているうち、解説を聞き逃した展示もあったかも。
新館の中央には福井県で発見された恐竜たちのタワー。
(ひとつは恐竜でなく鳥類だ)
ただ、新館の特別展示室は準備中で、残念ながら3面ダイノシアターも公開していなかった。
ふたたび本館に戻り、ビデオライブラリーを見ることにする。
先ほども満席だったが、今もまだ空いていなかったので、座って空くのを待つ。
幸い数分待っただけで見終わった人がいた。
見たかったのは、新聞で紹介されていたシカマイアの新着映像資料だ。
シカマイアが最初に見つかったのは、大垣市赤坂の地層。
なんだか身近に感じてしまう。
研究者のやりとりがドラマ仕立てになっていたのだが、
こういうのにありがちなクサい演技ではなく、
笑いを誘う台詞だけど、バカっぽくないというなかなかの出来だった。
入場して2時間ほど、お昼近くなっていたので、レストランに入る。
選んだのは、化石発掘オムライス。
食べているうちに、「化石発掘」というネーミングは念頭から消えていたが――
なんか出てきた!
化石の代わりにウズラ卵のフライが発掘できた。
しかし、ケチャップライスの味はいまいちだった。
旅のプランを立てていたときは、博物館の外に広がる「かつやま恐竜の森」も
回るつもりだったが、あまりゆっくりしていると、一乗谷を歩く時間がなくなってしまう。
恐竜の森はちょっと子ども向けの公園という感じもしたので、パスすることにした。
パックツアーでは、似たようなホテルに泊まることが多いが、
自分で宿を選ぶときは個性があっておもしろい宿を選んでいる。
今回は「風の杜」というところにした。
ここは元は企業の保養所だったそう。
6部屋あるが、この日の泊まり客は4組だった。
部屋は畳で、温泉宿のような感じ。
ユニットバスじゃなく、トイレと独立した広い洗面台があるのがいい。
お風呂は大浴場と小浴場があるが、洗い場の広さの違いだけで、
浴槽も露天風呂もサイズは同じだ。
どちらに入る場合も、鍵をかけてひとりで使っていいのだった。
東尋坊温泉という温泉で、夜と朝、2度入ったけれど、すごく快適だった。
わたしは夕食と朝食の2食付プランにしたのだが、
夕食はホテルのレストランではなく、外で食べるようになっている。
いわゆる宿食分離というシステムだ。
素泊まりで、自分たちで好きなレストランへ行くのとはまた違う。
ホテル側がレストランまで送迎してくれて、支払いもホテル代に含まれているのだ。
提携しているレストランはいくつかあるが、わたしはフレンチを選んだので
「おやじのキッチン てつ」というところへ連れて行ってもらった。
もう少しあとの時間には予約が入っていたらしいが、
わたしが食べているあいだは、客はわたしひとり。
貸切状態で、カウンターでおしゃべりなどしながらいただいた。
フレンチのコース料理とはいえ、通常のコースの変化球という感じ。
最初に出てきたサラダにしても、野菜以上にチキンロールにボリュームがあった。
ツブ貝と椎茸のソテーにはバゲットが添えられていたし、
バジリコスパにはホタルイカが載っていた。
スズキのソテーはタケノコ入りサフランリゾット付。
フォアグラの横に何が載っていたか、だけはちょっと思い出せないけど……
とにかく何皿も出てきて、ステーキの焼き加減を訊ねられたときには
おなかいっぱいでとても入りそうになかったのだ。
だから、ステーキはパスさせてもらった。
おかげで、最後のデザートまでおいしく味わうことができた。
食べ過ぎて苦しくなるなんてつまらないもんね。
次に向かったのは、越前松島水族館。
正直なところ、旅行のプランを立てる前は、この水族館の名を聞いたことはなかった。
全国的に有名でもないし、まあ、普通のご当地水族館だろうと思っていた。
他の水族館と少し変わっている点は、建物がひとつではなく、
いくつかの小さい建物が敷地内に点在していること。
ちょうど動物園の獣舎を回るような感じだ。
イルカプールからそういう建物がいくつか望める。
入場してアトラクションのタイムスケジュールを見ると、
ちょうど10分後にイルカショーが始まるというタイミング。
狙ったようにぴったりではないか!
観客席には、遠足か修学旅行らしき小学生と高校生がいっぱい。
出演する2頭が観客にごあいさつ。
イルカショーは他でも見たことがあるが、ここのイルカたちはジャンプの高さがすごかった。
このあと、シアター館で、鯨と恐竜のショートムービーを見る。
それが終わると、フンボルトペンギンのお散歩と餌やりが始まる、
という感じで、アトラクションがうまく続く。
ペンギンはものすごく動きがすばやい。
ふつうに歩いているときは、ペタペタというテンポなのだが、
スタッフさんが魚を掲げて移動するのを追うときとか、
他のペンギンの口からはみ出した魚を奪うときとか、
かなりの勢いだった。
その後、各建物を見て回った。
この水族館では、生き物に触れるコーナーがけっこうあった。
お掃除魚には興味があったが、現在あまり手に寄ってきませんと但し書きがあった。
かといって、ミズダコなんて、あんまり触りたいとは思えなかった。
ウミガメの餌やりコーナーもあったが、ウミガメには触れない。
先月、黒島でウミガメに触れたのはよかったと思う。
水族館を出たときは16時過ぎていた。
1時間50分ほどいたことになる。
なかなか楽しめる水族館だった。
時間があれば、このあと、雄島に歩いて渡ろうかと思っていたが、
思いのほか歩き疲れたので、まっすぐホテルに行くことにした。
ホテルは三国にあるので、水族館から10分もかからない。
予約したときに伝えたチェックインタイムにちょうど着いた。