コナンはボスと既に対面している?【アガサ博士誘拐事件】

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コナンは黒の組織のボスである烏丸蓮耶と既に会っているのかもしれません。

今回は最新の事件「アガサ博士誘拐事件」を含め、作中に点在している伏線からその可能性を探ります。

 

【アガサ博士誘拐事件】

1073話から1075話までの3話構成。
コナン達は人気のフレンチレストランを訪れます。
そこで出会った南條という社長は脅迫状などが届く為社員からボディガードをつけられていました。
それを窮屈に思っていた南條はレストランからの脱出を図るべく自分と容姿の似ているアガサ博士に目をつけ2人はトイレの中で衣装を交換。
トイレから出たアガサ博士は南條に間違えられ人気のない場所で銃撃されそのまま車で誘拐されてしまいます。


コナンは博士を救出に向かうさなか神奈川県警交通部の萩原千速と出会います。

彼女は安室透こと降谷零の警察学校時代の同期である萩原研二の姉でした。

コナンは千速と共に博士を攫った犯人たちを追跡します。

 

萩原の姉である千速が初登場しました。

彼女の回顧には弟の萩原、そして彼の親友の松田陣平も登場。

千速は松田の初恋の相手である事が警察学校編のコミックスの質問コーナーで明かされています。

この質問コーナーには今回のエピソードに関わっている内容もあります。

▼警察学校編 上下巻はこちら


萩原、松田共に故人ですが来年の映画は警察学校組も絡んでくるので宣伝の意味も兼ね今後も彼らは回想で登場するかもしれませんね。

 

【脇田はRUMでなく変装の達人】

今回登場した南條という男性は脇田を推理するヒントとなる人物ではないかと思います。
まずアガサ博士と南條がトイレですり替わった事に注目。


脇田はトイレが伏線として描かれている人物です。

■初登場回ではスリ被害者のポーチがトイレで発見

■2度目のメイン回ではトイレで事件が発生

■3度目のメイン回では小五郎が話の最初から最後までトイレに籠りっぱなし

これは脇田のイニシャルWCとトイレの表記W.C.を掛け合わせたものでしょう。
南条がトイレで変装した事は脇田を紐解くカギになっている可能性があります。
またトイレ以外にも南条という男性そのものが脇田に置き換えられる存在ではないかと考えています。

 


今回登場した南條は過去に登場したあるキャラクターに立場がよく似ているんです。
そのキャラクターとは「迷宮カクテル」に登場した諸岡という男性。
先述した「南條が脇田を推理するヒントになる人物」である点はここにあります。
南條と諸岡、両者の共通点に触れてみましょう。

南條は鈴木財閥のセキュリティを任されている社長という立場です。一方諸岡は資産家。どちらも大変裕福です。
そして2人とも脅迫状が届いた事で数人のボディガードを帯同させています。
また南條はきれいな女性のいる行きつけのパブに行く事を目的にしていましたが諸岡はバニーガールクラブの常連でした。
加えて南條はアガサ博士と衣装を交換し別人に成りすましましたが諸岡も別人のように激太りと激痩せをしスーツを新調しています。
この様に南條と諸岡は共通点が多いんです。
ではこの2人の共通点と脇田がどのように繋がるか。
これは諸岡が登場した「迷宮カクテル」が脇田初登場回「となりの江戸前推理ショー」を模して作られている事にあります。

ここで「迷宮カクテル」と「となりの江戸前推理ショー」の共通点を振り返ります。

1・失くした財布がトイレの前で見つかる、財布がトイレの中で見つかる、
2・その店らしくない料理が充実しておりキャラクターがその事について語る
3・スマホ2台持ちの人物の登場
4・著しく視力に問題を抱えた人物が眼鏡をかけていない間に事件が発生
5・袖口の汚れた被害者、袖口の汚れた犯人

6・日本刀の名前の被害者(朝倉)、日本刀の名前の犯人(宗近)
7・確実に意識した似通った台詞(以下に記載)

▼迷宮カクテル

蘭「でも今日は散々だなー…」
コナン「散々って?」
蘭「運悪く有里さんの付け爪踏んでたし…いつの間にか財布落してたし…」

▼となりの江戸前推理ショー

小五郎「くそォ!今日は色々ついてねぇぜ…」
コナン「色々って?」
小五郎「いつものタバコが売り切れだし…財布の小銭をぶちまけちまうしようォ!」 

この様に「迷宮カクテル」は「となりの江戸前推理ショー」を意識して作られている事が分かります。
また「迷宮カクテル」シリーズ1話目の扉絵はコナンの左目が隠れています。これは左目に眼帯をしている脇田を連想させるもの。
話の内容も扉絵も脇田を彷彿とさせるものになっている。
「迷宮カクテル」は脇田を考察する上で極めて重大な事件だと考えています。
これらを総括すると南條=諸岡=脇田という式になるのではないかと思います。
そして南條も諸岡も外見を変えていた事を加味すると今回の事件は脇田には変装のスキルがある事を暗に示している可能性が否定できないと思います。

▼日本刀とRUM編の伏線はこちら

脇田は変装している事が1066話で明らかになりました。
今回の話が考察通り脇田の変装術に纏わる伏線なら今更こんな伏線を張るのは老人の顔の時点であれが彼の素顔ではないからでしょう。


ここから先は脇田=RUMはミスリードと考えている私の見解です。
脇田の変装は組織内で囁かれている「顔を変えている」という情報に合致しないと思います。
RUMは外見も明かさなければ幹部との会話も機械を通すほど慎重な人物です。
その人物の変装とすると脇田のそれはあまりに低レベル。

ベルモットのように全くの別人になりきるキャラクターの登場する作品ではその粗さが余計に際立ってしまいます。正直この作品内では「顔を変えている」どころか変装とさえ言えないレベルではないでしょうか。
さらにこのブログの中で何度か言及していますが脇田は身長を詐称しています。
彼はわざと足腰を曲げて背を低く演出しているだけで実際は長身です。
足腰をピンと伸ばすシーンがあり、本来は長身で足腰に問題はない人物という伏線はちゃんと描かれています。
身長を低く見せるのは杖を突いていた倉庫の老人に外見を近づける行為ですから慎重な性格のRUMとしてはあり得ないでしょう。
脇田がRUMなら老人の印象を打ち消す為に身長を偽らず背筋を伸ばしていた方が賢明です。


脇田は老人の時点で既に変装済みだから最低限の変装しか出来ないと考えた方が合点がいくという感じです。
当然ながら脇田が老人に変装しているという考察が正しければやはり脇田はRUMではありませんしRUMの影武者の役割を担っている可能性の方が高いでしょう。
今回の事件は密かに脇田がRUMである事を否定しているのだと思います。

▼脇田=RUMはミスリードという記事はこちら
私は黒田は2人いてその内の1人を脇田が演じていると考えています。(過去記事参照)
最近黒田が変装の達人という伏線も張られたので黒田と脇田は同一人物かどうか、今後も継続して推理しておきます。

▼黒田が変装の達人という伏線の記事はこちら


【コナンは烏丸蓮耶と既に会っている?】

次にコナンは「あの方」こと烏丸蓮耶に既に会っているかもしれない。

その可能性について綴ります。
私がその伏線になっているかもしれないと考えているのが「黒いウサギ」というワードです。
最近のコナンでは明らかに「黒いウサギ」がキーワードになっています。

まず「縁結び神社」では三影兎なる人物の話題が出てきます。

そしてその次の「明美のタイムカプセル」では冒頭で小学校で飼われている黒いウサギについて会話をしています。
さらにその次のエピソードであり最新の「アガサ博士誘拐事件」では黒いウサギのキーワードこそありませんでしたが先述した通りこの事件は「迷宮カクテル」を意識して作られたもの。
「迷宮カクテル」で事件が発生した場所は黒ウサギ亭というクラブでした。
つまり3話立て続けに黒いウサギが密かに織り込まれている。

当然ながら黒いウサギは伏線と考えるべきでしょう。

 

また「明美のタイムカプセル」シリーズ1話目の扉絵は77巻「自分の領分」の扉絵によく似ています。
「自分の領分」は「灰原の秘密に迫る影」のシリーズ1話目です。
この事件の被害者は指でウサギの影絵を作りダイイングメッセージを残しました。
黒いウサギの話題が出た「明美のタイムカプセル」の扉絵とウサギの影絵が登場した「自分の領分」の扉絵がとても似ている。
これは明らかに意図的でしょう。
作者が黒いウサギを強調する狙いがあるのは間違いありません。
振り返れば黒ウサギ亭という場所で事件が起きた「迷宮カクテル」はボス判明回の次の事件。
RUM編や黒の組織について考察する上で極めて重要な話である可能性が高いわけです。
ここで黒いウサギのキーワードを使用している事はとても興味深いと思います。

 

私はこの黒いウサギこそ烏丸に関する伏線と考えています。
どういう事かと言うと

黒ウサギ➡くろうさぎ➡クロウさぎ➡烏鷺➡烏鷺の争い 

この様に変換する事が出来るからです。

烏鷺の争いから導き出せるのが次の3つかなと思います。

1・囲碁
2・黒(組織)と白(正義)の戦い
3・カラスとサギ(正義)の戦い

では烏鷺の争いはこの3つのうちの何を指しているのでしょうか。

 

まず1。

烏鷺の争いとは囲碁のことです。カラスは黒、サギは白である事が語源です。

ですが烏鷺の争いは囲碁を指してはいないと思います。

羽田浩司の事件や板倉卓が将棋のソフト制作に傾倒していた事など作中では将棋に纏わる伏線は張られていますが囲碁は確認できません。よってストレートに囲碁を指しているとは考えにくい気がします。


続いて2。

烏=黒、鷺=白だから組織と正義が戦っている伏線という考え方。これも無さそう。
黒と白が戦っているのは読者は皆知っている事なので今更その事実を伏線にする意味は皆無でしょう。


結果、消去法で3のカラスとサギ(白=正義)が戦っているという暗示が一番腑に落ちます。
つまり黒ウサギは今コナン達(白=正義)が戦っている相手は烏丸蓮耶であるという伏線。
考察が正しければコナンと烏丸は既に出会っているのかもしれません。
RUM編でボスの正体が明かされているわけですからね。

 

実は「烏鷺の争い」に関してはきちんと伏線が張られています。
スピンオフの「ゼロの日常」4巻の風見裕也のモノローグです。

(カラスとサギ…黒と白…ウロ(烏鷺)の争いー…)

このモノローグの登場する話はAPTX4869を匂わせる「テトロドトキシン」の単語が出てきたり話の内容が本編と完全にリンクさせたりとやたら意味深でした。
何らかの伏線の可能性は高いと考えていましたが黒ウサギに繋げていたんですね。

▼ゼロの日常4巻

「迷宮カクテル」の事件現場が黒ウサギ亭である事が強調されていたので黒ウサギが伏線なのは理解していましたが烏鷺の争いにはたどり着けませんでした。

若狭メイン回で詐欺師の単語が登場する事が多く、これは若狭が詐欺師並みに数々の顔を使い分けているという伏線と考えてきましたが最近になりようやく黒ウサギからサギ(詐欺)を独立させて推理するのが正解と気付きました。


「山菜採り」では四つ葉のクローバー(【クロウ】バー)と結婚詐欺師、「牧場監禁事件」では烏(クロウ)と詐欺師が登場。

このようにきちんと黒ウサギ(=クロウサギ=烏鷺)が成立するように作られてきています。

今回の考察が的中しているのなら「黒ウサギ」はかなり面白い伏線だなと思います。

そしてとても丁寧に作られていますよね。まさに「トンチが利いてる」(笑)。

 

私としては「灰原の秘密に迫る影」の時点で伏線を張っていたとは考えていないんですがこの事件は灰原が自らの意思で宮野志保に戻った最初で最後のエピソード。その意義は大きいはず。
そう考えると77巻の時点で既にコナンは烏丸と会っているという考察も出来るかもしれません。

 

余談ですがカラスを始め鳥の数え方は「羽」、そして鳥以外で「羽」と数えられる唯一の生き物がウサギです。
今回の「黒ウサギは烏鷺の争いを暗示している」という考察が外れていた場合数え方が注目ポイントという事も視野に入れていいのかなとも思っています。


また最近のコナンによく見られるのがボーガンが凶器となるエピソード。
これも烏丸を指しているかもしれません。
ボーガンの別名はクロスボウ

これを入れ替えるとクロウ・ボス=カラス・ボスとなります。

ちなみにクロスボウの表記はCrossbowなので英語表記を入れ替えてもCROW BOSS=カラス ボスが成立します。
ボーガンは烏丸蓮耶の暗示。この様に考えられるかもしれません。
本当に伏線の役割を担っているのなら今後もボーガンは登場するはずなので注目しておきます。

私は最近のエピソードに登場したクロード・モネが烏丸の伏線かもしれないという記事を先日UPしています。
クロード・モネの考察記事はこちら

これも当たっているのならやはり作者は烏丸の存在感を密かに作中に漂わせている事になります。
まだコナンがNo.2のRUMにたどり着いていない中で既にボスの烏丸の伏線を張っているのならかなり怖いですよね。
烏丸蓮耶にたどり着けるヒントのパーツは作中のあちこちに点在している。
それらをどのように組み立て烏丸の正体を暴くかがRUM編の時点で読者に求められている。
こういう事かもしれません。

 

他にも烏丸に纏わる見落としている伏線があるかもしれないので探しておきます。
見つけ次第こちらに追記するか新たに記事をUPするかもしれません。

その時もお付き合いいただけたら幸いです。

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