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愛について

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愛はわたしたちの悲惨のしるしである。 神は自分をしか愛することができない。 わたしたちは他のものしか 愛することしかできない。 『重力と恩寵』 -シモーヌ・ヴェイユ- -kaori-  

香水-夏三句

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  茉莉花や此処でいいと泣きて伏す よろこびはほとばしりて香水醸す 雨後射して日傘ゆれるゆるやかな

山の精

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  ひとにしられぬ たのしみの ふかきはやしを たれかしる ひとにしられぬ はるのひの かすみのおくを たれかしる 『山精』 -藤村藤村ー -kaori-

コネクション

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春愁や知らずがままに情交す 過剰なのだ。 昼となく夜となく遠きも近きも 繋がることが容易であるがゆえに 深く交わることを拒絶される世界の在りよう。 自身が何を通じて世界と繋がるか。 コネクターはそれらに翻弄されないかぎり多いほどよい。 流されつつド止まりつつ続けること。 アート、写真、読書、SM、音楽。 さらに齢を重ねてもコネクションは閉じないでいたい。

深き谷ー冬三句

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靴揃へて牡丹さぐられてゆく深度 夜ならば恋したものを冬の鳥 青き林檎さえ嗚呼余すことなく

プラトンー冬三句

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 プラトンの狂気抱きて冬景色 水仙や抽送せざば愛乞ひて 蜜柑含んでまた剥ぐ残酷

夢のこと

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  その小児科医院は昔から坂下に あって白っぽい外観は色気のな い事務所ビルのようだった。わ たしはその入り口に近づいて歪 みで中がみえない窓を覗く。中 はオレンジ入りの灯りで人の気 配もするから後ずさりする。住 宅向けに再利用されているのか 。瞬間、3階あたりに工事現場 の骨組みのような鉄板の上にい る。下が透けていて怖いのだが 覗こうとする。そして終わった 。目覚めたしばらくはそこが実 在する建物だったと思っていた。