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『泡沫のユークロニア』フルコンプ感想【ネタバレON/OFF有】

本記事では泡沫のユークロニアのフルコンプ感想を、作品紹介 → 個人的レビュー → 各ルート感想 → 総評 → まとめの順にまとめています。

この記事で分かること

・どんな作品なのか
・面白かった点、いまいちだと感じた点
・主人公(ヒロイン)や声優の情報
・個別ストーリーのネタバレ感想
・個人的な評価を☆1~5で判定

・ネタバレを含む部分は、「続きを読む」ボタンでワンクッション置かせて頂きます。

「どんな作品か気になるけどネタバレは踏みたくない!」「他の人の感想を読んでみたい!」という方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

それでは、本日もよろしくお願い致します。

目次

『泡沫のユークロニア』作品紹介

乙女ゲー界期待の新星「ティズクリエイション」のデビュー作

『泡沫のユークロニア』(略称:ユークロ)は、2024年4月11日にブロッコリーから発売されたNintendoSwitch向け乙女ゲーム。

数多くのオトメイト作品を手がけてきた実力派スタッフによる新会社「ティズクリエイション」が送る、記念すべき第1作目。

オトメイトの人気作品『ピオフィオーレの晩鐘』制作陣による完全新作ということで、大きな期待を集めるタイトルです。

物語の舞台はからくり仕掛けの空中都市「凍玻璃」。

貴族として何不自由なく暮らす主人公は、記憶喪失の青年「矢代(やしろ)」との出会いをきっかけに、理想郷に隠された真実を知ることとなる……といったストーリーです。

そもそも「ユークロニア」とは「ユートピア+クロノ」を組み合わせた言葉で、時間のない国、つまり時が止まったような国を意味します。

タイトルの『泡沫のユークロニア』を直訳すると「儚い理想郷」的な意味合いでしょうか……

タイトルからしてすでに、何かしらの問題を抱えていそうな雰囲気がひしひし伝わってきます。ぶっちゃけ落ちそう。

一体どんなストーリーが繰り広げられるのか、ワクワクしながらプレイしました。

クセ強ヒロインとさまざまな立場の攻略キャラたちが織りなす恋物語

個人的には『普通』です
本作のポイント
  • 空に浮かぶ理想郷が抱える問題点が少しずつ明らかになる謎めいたストーリー
  • 5人の攻略キャラクターそれぞれに2種類のエンディング
  • ガチガチの攻略制限あり

プレイ時間は共通ルート1~2時間、個別ルートは1人つき4時間ほど

共通が短く個別ルートが長めなので、それぞれのキャラクターのストーリーをじっくり楽しめました。

エンディングはBESTエンドとBADエンドの2種類で、選択肢ミスによる即死エンドも多めです。

正直体験版をプレイし終えた時点で、「ヒロインの性格、ちょっと苦手かも……」と思ってしまったのですが、終わってみるとなかなかに面白かったです。

本作のヒロイン・雛菊は凍玻璃を統治する貴族の名家に生まれ、幼いながら亡き両親の代わりに領主の仕事をこなす有能な少女。周囲からは「姫様」と呼ばれ親しまれています。

しかし性格はかなりのお転婆で子供っぽく、行くなと言われたところに行く。周りから止められると黙って1人で行く。怪しい人物を見つけても確証が持てるまで皆に黙っておくなど、とにかくダメな行動のフルコース状態。

ぶっちゃけ体験版時点では、乙女ゲーヒロインの嫌なところを詰め合わせたような女だなと思っていました(ファンの方すみません

本編の方でも危なっかしさは変わらずですが、表裏のない純粋さや、たまに見せる思慮深さや貴族としての立ち振る舞いを見るうちに、「雛菊だからこそ皆惹かれたんだな」、と思えて好きになりました。慣れただけともいう

レビューはこちら

ストーリー概要

空に浮かぶ箱庭、それは偽りの理想郷――

舞台は空に浮かぶ箱庭。理想郷と名高き、栄えた都。
――空中都市 凍玻璃(いてはり)

名家に生まれ、不自由なく育った
外の世界に憧れを抱く主人公 雛菊(ひなぎく)

18歳になった主人公はある日、
記憶を失った青年 矢代(やしろ)との出会いをきっかけに
理想郷の貌(かお)に隠された
真実を巡る事件に巻き込まれていく――

引用元:https://licobits-game.com/uchronia/

スクロールできます
作品情報制作スタッフなど(敬称略)
ディレクター:高村 旭
キャラクターデザイン・原画:RiRi
メインシナリオ:かずら林檎
BGM:MANYO
CERO:「C」(15才以上対象)
対応機種: Nintendo Switch / Nintendo Switch Lite
(C)BROCCOLI (C)TIS Creation

ヒロイン紹介

主人公:雛菊(名前変更可能)

怖いもの知らずのご令嬢
凍玻璃に暮らす貴族の一人娘。

明るく前向き、素直でポジティブ。好奇心旺盛で、「凍玻璃」の外の世界に興味を持つ。

引用元:https://licobits-game.com/uchronia/

攻略キャラクターとおすすめ攻略順

攻略キャラクターは5名。全員のBESTエンドクリア後に真相ルートが解放されます。

以下のキャラクターに攻略制限があり、最初に攻略できるのは帷 or 露草のいずれかです。

露草:帷クリア後に解放
依:淡雪クリア後に解放
矢代:依&露草クリア後に解放

スタッフブログにて、おすすめ攻略順が2パターン紹介されています。

  • 凍玻璃ってどんなとこ?より世界観にディープに浸りたい派:帷 → 淡雪 → 露草 → 依 → 矢代
  • 習うより慣れろ。まずは凍玻璃での恋愛がどんなもんか体験したい派:淡雪 → 帷 → 依 → 露草 → 矢代

参考までに私は、帷 → 露草 → 淡雪 → 依 → 矢代の順に攻略しましたが、問題なく楽しめました!

攻略キャラクター&キャスト紹介

キャラクターキャスト
矢代CV:小林 千晃さん
CV:岡本 信彦さん
淡雪CV:斉藤 壮馬さん
CV:江口 拓也さん
露草CV:松岡 禎丞さん

個別ルート感想(ネタバレON/OFFボタンあり)

帷 CV:岡本 信彦さん

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1周目の帷ルートでは、「凍玻璃、思っていたよりもディストピアかもしれない」というのが率直な感想でした。

帷は花街の顔役にして反大樹を掲げる組織「不知火」の長。凍玻璃の街に火をつけて人々を混乱させるなど過激な行動をとりますが、その裏には身分差に苦しむ人々を救いたいという信念を持った人物でした。

そもそも火事で逃げ遅れた子供を救い、雛菊に「首を突っ込むな」と忠告する時点でいい人な予感しかしませんよね……

実は凍玻璃の下には罪を犯した人が暮らす「泉下(せんか)」と呼ばれるエリアがあり、花街で娼妓になる女性を除いて、1度入ったら2度と戻れないのだそう。

泉下の人々は差別の対象となっており、「娼妓に泉下出身者がいる」という事実が花街自体の差別にも繋がっているのでした。

しかも泉下と花街では凶暴化して人を襲う人間「怪物憑き」が多数発生しているものの、凍玻璃上部は放置している状況。

掃き溜めの泉下の上で繁栄を続ける凍玻璃。不知火のような人たちが出てくるのも当然ですよね……

堅実な帷と暴走特急な雛菊の性格は正反対。
しかし、お互いの民を大切に思う気持ちは近く、早い段階から無意識レベルで好感を覚えていたのではと思います。

帷は貴族に対する偏見をほんの少し緩め、雛菊は凍玻璃の歪な構造を知る。2人の交流は何か変化をもたらしそうでワクワクしましたね。

帷は雛菊に想いを寄せられているのを気づいた上で、思わせぶりな態度をとったり、いっときの遊びだと割り切ったりする悪い男な面もあるのですが、地上への夢を語り合った辺りから純粋な愛に変化していく流れが良かったです。

雛菊にペースを乱されて「あ?」となる2人のやりとりが面白くて好きでした。

しかし思った以上に敵が多くてビックリでした。

生まれ育った環境から仕方なく悪事に手を染めた者から、未来のために必要な犠牲と割り切って行動する者までさまざまですが、「あの人が!?えっあの人も!?」となるので結構ショックでしたね……。笑

身分差が恋の障害となるあたりに結構な尺を割いていたにも関わらず、病気も身分も解決しないままエンディングを迎えてしまったので、今後がかなり心配です。FDや続編で補完されるのかな……

あと依さんが鬼畜すぎて「本当に攻略できるんか?」とだいぶ不安になりました。

帷ルート終了時点での攻略キャラへの印象
・帷…ただひたすらにかっこいい
・八代…地上から来た調査員
・露草…雛菊ガチ勢
・淡雪…雛菊ガチ勢
・依…危険人物

露草 CV:松岡 禎丞さん

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2周目は共通ルートの始めの方に追加シーンあり。初見のサブキャラも登場し、「おっ」と驚かせてくれます。

1人クリアするごとに少しずつエピソードが追加される仕掛け……良いですよね。

それはさておき露草ルートの感想です。
露草は帷クリア後にルートが解放される仕組みなのですが、開始直後からがっつり帷ルートのネタバレが絡んでくるので納得でした。

まず露草が柊(大樹様)の双子の弟だったなんてビックリですよ。淡雪が「様」付けで呼んだり、帷BADで枸橘が露草を殺さないよう立ち回っていたのもその辺りの事情だったんだなと。

ごく普通のからくり大好き少年だと思っていたら……予想の1000倍くらい重要な立場でしたね。

雛菊は露草が高位の貴族だろうと察していたそうですが、まさか大樹様の弟だと予想できるはずもなく。

露草に会うためお忍びで禁域を抜け出してくる柊と親しくなるうち、柊が刺客から命を狙われていたり、銀湾(地上)が凍玻璃を狙っていることを知ったりと、なんともきな臭い空気が流れ出すのでした。

日常パートではのほほんとした柊&雛菊に手を焼く露草の図が微笑ましく、雛菊に甘えたり距離を近く保つ露草はあざと可愛かった……

しかし中盤、柊が暗殺されかけ、露草が身代わりとなって大樹のふりをすることとなったり、貴族と組んだ不知火が柳営を占拠したりと大変なことに。

実は雛菊の両親が大樹の後継者争いのゴタゴタの末に暗殺されていたことも判明し、露草が雛菊を想いつつも、積極的に動けない理由にも納得がいくのでした。

八代や帷など他の男の出現が露草に発破をかけた形となりますが、逆を言えば彼らの存在がなければずっと現状維持だったんじゃないかなぁ……きっかけができて良かったねと。

雛菊の気持ちがどの辺りで友情→愛情に変わったかはちょっと悩ましいですが、「露草、長年の片思いが成就してよかったね」という気持ちでいっぱいです。

しかし攻略キャラクターたち、どのルートでも全員しっかり活躍してくれますよね。なにげに相性良さそうな露草と帷の友情も良かったです。

・露草ルート終了時点での攻略キャラへの印象

依→真面目で正義感あふれる石蕗さんが側にいるから拗れてしまったのかな、と。彼との確執が感じられて本人のルートがちょっと楽しみになりました。
淡雪→「露草に告白されたんだ」という雛菊の言葉に一瞬動揺しましたよね……!?
八代→進めれば進めるほど謎の深まる男
帷→他ルートでもどんどん株を上げてくる。帷ルートでの慎重さを知っている分、すず音ちゃんが妹だとサラッと明かしてくれたあたり、信頼が感じられてニッコリしてしまいました。
鳴神→初代大樹様に造られたカラクリとか……?謎多き男多すぎ問題。

あと序盤に挟まれた「……」のせいで、朔くんがめちゃくちゃ気になりました。絶対何かあるじゃないですかー。実は黒幕系だったら嫌だな……

淡雪 CV:斉藤 壮馬さん

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自分が雛菊の1番であると確固たる自信を持ち、尽くしに尽くす、従者の鑑のような男。

雛菊の髪を結うときも常に手袋を外さない理由は、平民の自分が貴族の姫に触れることができないから。従者の地位に甘えない徹底ぶりにビックリでした。

淡雪のルートでは、雛菊に婚約を申し込んだ依に大いに振り回されることとなります。

依の性格的に、淡雪と石蕗にダブルで嫌がらせをしてるんじゃないかと思ってしまうのですが、大体その通りです。

しかし依との結婚は雛菊の家的にはメリットしかないお話であります。

格上の貴族だし、当主の仕事も続けられる。依の性格に目をつぶれるなら、これ以上なく良い話なのでは……と思いましたね。

しかし自分から宴に誘っておいて、酔った婚約者候補を送ってもくれないような男は嫌だな(オイ

身分差からくるすれ違いが辛い時期もありましたが、基本的に淡雪は雛菊に甘々の溺愛なので、安心して読み進められました。

淡雪、実は料理苦手なのに雛菊の希望を叶えるため、頑張って練習していたとか可愛すぎませんか。完璧そうに見える裏で涙ぐましい努力を重ねていたんですね。

淡雪ルートは帷&露草と比べて恋愛的な甘さもグッと増していたように思います。

しかし依様、進めれば進めるほど印象が悪くなっていくんですが大丈夫……?

いち個別ルート内のお話とはいえ、攻略キャラがラスボス的立ち位置に立つなんて、最近ではなかなか珍しいですよね。

依 CV:江口 拓也さん

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依との婚約話が持ち上がるのは淡雪ルートと同じ。しかしこれまでの悪行から、「兄の方と結婚させてくれ」と思ってしまったのは私だけでないはず。

いや、石蕗様(兄)本当にカッコいいんですよ……
真面目・誠実・強いの3拍子に家柄も申し分なし。民を思う気持ちも雛菊と近く、正直これ以上の相手はいないんじゃないかと思ってしまいますね。

それでもあえて依様を攻略対象に据えたのがユークロの面白いところかな、なんて。

しかし雛菊の素直すぎる性格が最も面白い方向に作用するのが依相手の時だと思いますね。

依に対して直球で「性格悪い!」なんて言えるの、凍玻璃の中では雛菊と副官の藍白さんくらいじゃないでしょうか……笑

依が婚約を急いだのは、周囲から西二の当主の座を狙っていると思われないため、早く家を出たい事情からでした。

しかも当主が石蕗に決まった後、気に入らなければ婚約破棄して良いとの条件付き。
東五の家を守るため、期間限定の共犯者として雛菊は婚約を承知するのでした。

しかし依様、雛菊がどれだけ「いい人かも」と思っても、私的には淡雪ルートでの悪行がしっかり頭にあるのでいまいち信用できないんですよね……

特に実は石蕗が、とか平民の先輩から嫌がらせを受けていた話のあたり。何を言われても嘘にしか聞こえなくて困りました(失礼

石蕗様が事件の犯人として現行犯逮捕された時ですら「お香を利用した依様の策略やろ」と思えてしまうので、もはや信用ゼロの男。

しかし依ルートの依は意地悪言いつつも雛菊に優しく、時間をとって会いにきたり、外出に着いてきたりと婚約者として大切にしている様子で、雛菊が自然と依を好きになるのも納得の流れでした。

雛菊の好きだからと言って100%相手を信用せず、公平に物事を判断するところ好きかもしれない。

割と予想通り全ての犯人は依様でしたが、惨殺した12人の貴族は全て銀湾に協力していた裏切り者たち。

凍玻璃を守るため黒鶴の仕事を真っ当しただけと言われたらその通りで、明確な罪は石蕗様に罪をなすりつけようとした部分だけとのこと。

処分の軽さには若干モヤりますが、最終的に依様の身柄は東五の家預かりとなり、婚約話も続行。

石蕗様を陥れたのも恋のライバルだったからという実に直球な理由で「本当にこの男でええんか感」は半端ありませんが、本人たちが幸せなら良いのかなって。

正直、進めていて1番面白いルートでした。

BADはドロドロ度高めの執着劇で正直人気高そう。雛菊の幸せを1番に考えて「あんな男はやめて、俺にしとけ」と言ってくれる淡雪の愛と優しさに胸が熱くなりましたし、一方通行でも雛菊を手放したくない依様の執着と虚しさにもグッときましたね。

正直2人斬り殺されて終わると思っていたので、意外な展開に沼を感じました。

いつか淡雪が依様を殺して雛菊を外の世界へ連れ出しそうな、依雛前提の淡雛妄想も広がりそうじゃないです?(聞くな

矢代 CV:小林 千晃さん

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共通ルートの冒頭、襲われた雛菊を助けたところから交流がスタートする八代ですが、これまでの話から察するに、雛菊に恩を売るための自作自演だったのだと推測できます。

なんとなく八代は「そういう人」だと理解できつつも、依ルートでためらいなく雛菊を人質にとったのがトドメを指す感じでキツかった。

いつもにこやかで飄々としているように見えてどこか無機質というか、自分で自分の感情をよく分かっていないような不思議な空気を感じましたね。

ということで若干好感度低めの状態からスタートした八代ルート。

今までに増してちょこちょこ登場する鳴神さんが本当気になります。

雛菊は幼い頃に何かを飲み込んだから回復力が早いのかな?鳴神が親切……というか半分仕えているような様子なのもその辺りと関係あるのかも。

記憶喪失の八代を拾い、怪物憑きに襲われたすず音を救い、冤罪を疑われた露草を救い、泉下の少女に髪飾りを渡しと、八代ルートの雛菊はたくさんの人を救おうと動きます。

初めのころ八代は誰彼構わず救おうとする雛菊を「何の苦労も知らない貴族様」だと考えていますが、自分たちを襲った賊すら救おうとする姿に、身に染みついた本物の正義だと知って以降は見方が変わったよう。

八代が語る銀湾は、凍玻璃が排出する蒸気に汚染され、肺病患者が多い土地。

身分差は凍玻璃以上に厳しく、ほとんどの民が泉下以下の暮らし。さらに凍玻璃から流れてくる墨染の香中毒者であふれている……と、とんでもない状況でした。

そんな訳で銀湾の間者たちは凍玻璃を丸ごと手に入れる計画を担っているのですが、枸橘様が銀湾の間者だった事実は正直信じたくなかった。あんなに大樹様を大切にしているように見えたのに……。

金色の目は戦闘力を高める代わりに墨染を投与された者の証で、臓器や脳にガタが来ていつかは狂って死ぬ運命。

間者たちに個はなく、ただ命令に従い命令のままに生きるのみ。銀湾、とんでもない国?ですよ。

雛菊や人々との交流を通して凍玻璃が好きになった八代と、腐敗した凍玻璃が大嫌いだと語る枸橘様。

同じ立場なのに思いは正反対で、対比に気持ちがぐちゃぐちゃになりました。枸橘様と交流を深められる人がいたらまた違ったのかなぁ……なんて。

八代の言う「かわいい」には最初の頃こそ嘲りが含まれていた気がするんですが、最後の方は愛しさがこもっていて好きでした。

感情の乏しい八代が雛菊を精一杯表す言葉が「かわいい」なの、なんだかかわいいな……(よく分からん感想やめろ

クリア後に解放されるショートストーリーの八代がめちゃくちゃ感情豊かで笑ってしまったと同時に、そんな顔もできるんだ!?的な萌えが詰まっていました。

真相ルート

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真相ルート解放演出の「凍玻璃もうダメ感」が半端ない。

真相は八代ルートをベースに、ちょこちょこと追加シーンを挟みながら進みます。

途中雛菊の暴走で鳴神の腕が取れたあたりから真相ルートに分岐……というのも、鳴神は初代大樹様が作ったオートマタだったのです。

これまでのルートで明らかになった「実は……」な部分がテンポ良く明かされるので若干ギャグ感強めでした。

周回を重ねるごとに最低6回は、淡雪から「今すぐ元の場所に帰してこい!!」と怒られていることと思いますが、鳴神を連れ帰って淡雪に「また拾ってきて……!」的に説教されるシーンには笑いましたw

鳴神は腕が直るまで一時的に東五の家の使用人として働くこととなり、雛菊と八代は凍玻璃中を修理して回る鳴神の仕事を手伝うことになります。

昔禁域に出入りしていた雛菊は鳴神から「禁域の子」認定されていますが、どうもそれだけじゃない繋がりがあるような雰囲気。
雛菊を見守る視線の温かさに好き……となりましたね。

鳴神の心臓=動力源は凍玻璃と同じ日緋色金(ヒヒイロカネ)。実は幼いころ禁域の泉で溺死しかけた雛菊は、鳴神から日緋色金の一部を譲り受けることで一命を取り留めといたという過去がありました。

これまでも鳴神は禁域の子に危機が迫った際、日緋色金を分け与え、その子が天寿を全うした後で回収していたようです。

雛菊の回復が早い理由、ずっと気になっていたので明かされてスッキリでした。これまでの死亡エンド後も、鳴神が回収に来ていたんだろうなって。

中盤時点での黒幕は私の中で90%朔くんと10%藍白さんがチキンレース状態。

藍白さんは正直怪しいとこなんてどこもないんですが、いきなり真相ルートで家名が出てきて「あの医者先生と関わりが……!?」となっちゃうじゃないですかー……。

朔くんはここに至るまでが怪しすぎて「実は僕、銀湾の帝なんですよー⭐︎」とか言われても驚かないレベルでした。

個別ルートを進むたびにどんどん敵役がアップデートされていくので、もう誰が出てきても驚きません。凍玻璃悪い人いすぎ。

ラスト付近は急ピッチすぎて秒で退場していったラスボスなんだったの感ありましたが、鳴神に関しては「おやすみなさい」という言葉がぴったりな終わりでした。

いつか人々が新たな凍玻璃を作り上げた頃に目覚めて平和な街を見てほしいなって。

しかし結局ガス問題とか1つも解決しないままとは思わなかった(爆

プレイする前は外の世界に旅立つエンドがあるのでは?なんて予想していましたが、1つもありませんでしたねー!

雛菊の性格上、領民を置いて凍玻璃を出ることはありえないと思うので、やはり「凍玻璃が地に落ちて大変な状況だけど皆で力を合わせて生きていこう!」みたいな展開じゃないと厳しいですよね。

しかし現状、地に落ちる=占領されて終わりコースな気がするので、落ちたらダメだった。しかし浮いたままでは排気ガス問題が解決しないので、もうエコな動力を開発するくらいしか思いつかないYO……

「平民」は他者を傷つけられないよう遺伝子レベルで制御されていたという辺りの話には、なんとなく『新世界より』の愧死機構(きしきこう)を思い出しました。

好きなところと物申したいところ

『泡沫のユークロニア』の好きなところ

綺麗なイラスト

女性キャラはかわいいし男性キャラは眩いばかりのイケメン揃い。スチルは美しいを通り越して眩しいレベルで、ため息ものでした。

魅力的な世界観

「空に浮かぶ理想郷」という設定からもうワクワクしませんか……!?

『泡沫のユークロニア』に物申したいところ

好みが分かれそうなヒロイン&攻略キャラクター

ヒロインについては前述の通り。

攻略キャラクターの1人に口が悪い……というか性格が捻れたキャラがおり、ずいぶんな仕打ちを受けるあたり、好みが分かれそうかなと思いました。

なぜか文章送りできないときがある

基本文章を読み切ったらどんどん読み進めたい派なのですが、画面タップ or Aボタンを押してもセリフをスキップできない時がちょくちょくあり、微妙にストレスでした。

総評

ストーリー  : 3 out of 5 stars (3 / 5)
グラフィック : 5 out of 5 stars (5 / 5)
音楽     : 4 out of 5 stars (4 / 5)

システム   : 4 out of 5 stars (4 / 5)
ボリューム  : 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)

総合評価   : A-

大型新作ということで期待しながらプレイしたものの、色々と気になる点の多い作品でした。

まず、①ある事件を調べる人たちと出会い、②手を組み、③陰謀に巻き込まれるといった流れがほぼ全ルートで繰り返される。

次のルートに行ったら多少流れは違えどまた①からスタートなので、ワクワク感はありません。「正直この流れ何回やるねーん」と思ってしまいました。

あとは各ルートの終わり方について……

続きを読む

あとは全ルート「これから大変だけど、私たちならきっと大丈夫(具体案なし)」終わるのがちょっと雑だなと。

FDとか続編が出るなら嬉しいですが、最初から続編ありきの話じゃなくて、本編の中で解決して欲しかったなと思います。

おおっ!と驚いたり面白かったりする瞬間は確かにあるんですが、基本的にはずっと平坦というか。

キャラクター同士のやりとりやシチュエーションは素敵なだけに、理想論のその先も見てみたかったな、なんて思ってしまいました。

まとめ

この作品がおすすめな人

・独特の世界観に惹かれる人
・個性的な主人公(ヒロイン)が好きな人
・周りから全力で愛されたい人

ゲームを起動してすぐ見られるOPムービーのクオリティが高く、力強いボーカルと輝かんばかりのイラストにグッと引き込まれました。

とにかくキャラクターの魅力がスゴいので、推しができたら何倍も楽しめる作品だなと思います。

個人的には期待値が大きすぎた分、残念に思ってしまった部分も多いのですが、久々に完全新作のワクワク感を味わえたのは確か。

気になった点ばかり書いてしまい申し訳ないのですが、ティズクリエイションさんの今後には期待しかありません。

長くなりましたが、お付き合い下さりありがとうございました!

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実際に遊んだ感想も記事にしているので、良ければレビューも参考にしてみて下さい!

この記事を書いた人

モッチと申します。
2022年からゲーム特化WEBライターとして活動中。
プレイした作品や漫画の感想をのんびり書き綴って行きたいと思います。
時々謎の生物にゃっこが出現します(誰

ゲーム特化のWEBライターとして活動しており、企業サイト様への納品実績があります。レビューなど仕事のご依頼はお気軽にご連絡下さい。
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