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「人生の材料」を問う時

2024年03月25日 | 読書
 トイレ内の愛読書『秋田のことば』は刺激的(笑)な冊子で、なかなか読了しないが、いずれメモしておきたい一冊だ。何気なく見た書棚にRe25『秋田人は本当に<ええふりこぎ>か?』(日高水穂 無明舎)を見つけたので再々読してみた。秋田弁は自分なりに興味が強い分野で、時々読みつつ「現況」と照らし合わせている。


 今回のメモは「しったげ」。自分では使わないし周囲でもあまり聞かない。しかしTVではよく「代表的な秋田弁」のように出てくる。先日もNHKの「方言川柳」のお題となった。本が語るには「秋田市以北の沿岸部」の言葉で由利本荘周辺でも年配者の使用率は低い。となると、これを秋田弁と認知させた者がいる。


 メディアでもTV出演が多いとすると…たぶんモデルから女優となったS、アイドルから独り立ちしたIあたりではないかと予想した。仙北当たりの某有名俳優Yや女性歌手Fも使っている気がするが、もともと県南部では使われない。メディアに使われた方言が、逆輸入のような形で県民に入ってきたと解釈できそうだ。





 新聞コラムでの紹介をみて、初めてこの有名作家の小説を読む。Re26『悪魔の種子』(内田康夫 幻冬舎)。プロローグに西馬音内盆踊りの場が取り上げられている。いわゆる浅見光彦シリーズで内容はTVドラマでよく観られるパターン。文体や展開は少々諄いと感じた。それでも一つ「縁」が出来て、良しとしよう。


 Re27『一日の終わりの詩集』(長田 弘 ハルキ文庫)。90ページほどの文庫は薄っぺらで軽い。しかし、手に負えないほどの重さが詰まっている印象。「一日がひとの人生をきざむもっとも大切な時の単位だ」とあとがきに記されている。深く実感できる。それは冒頭の詩「人生の材料」を探す時を過ごしていくことだ。



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