こちらはリッチモンドグリーンに面したおうちのマグノリア。
左手に見えるおうちは300年ほど前の建物です。
ではマグノリアはどれくらい古いのか?それが今日のテーマです。
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マグノリアは日本ではモクレンとよばれる木です。
でもモクレンには仲間がいっぱいいるので、ハクモクレンとかタイサンボクとかこぶしとか、細かいことがいろいろ違う。
美しい花の宿命で、園芸によって交配が進むんでしょうね。
イギリスでは園芸に詳しくなければモクレンの仲間はみんなマグノリアって感じでまとめられています。
「色が~」とか「花びらの枚数が~」とか細かいことは気にしない(←もちろん園芸のプロは違います)
日本のモクレンは中国原産のようですが、イギリスに最初に持ってこられたマグノリアはアメリカのヴァージニアから。
そう、アメリカ原産のものも存在するのです。
1687年にロンドン司教のヘンリー・コンプトンという人がいました。
園芸に興味があった彼が、宣教師としてアメリカに渡ったジョン・バニシターから手に入れたものがイギリス最初のマグノリアです。
1730年にはアメリカから更に大輪のマグノリアが持ち込まれました。
そちらの方が人気になったためにオリジナルの方は人気がなくなってしまったそうです。
そして、イギリスでも交配が進んだいろんな種類のマグノリアが、この季節一斉に咲き出すのです。
このマグノリアですが、花の咲く木としては最も古いもののひとつ。
何と恐竜が生きていた白亜紀の頃に誕生しています。
そして同じころに生まれた木なのがチューリップの木。
チューリップの木はマグノリアよりも花が咲くのが遅く、5月の半ばが見頃。
たくさんの種類があるマグノリアと違って、チューリップの木は2種類しかありません。
チューリップの木と、チャイニーズチューリップの木。
イギリスで見るものは、ふつうはアメリカから持ってこられたものです。
恐竜が絶滅した後も今とほぼ変わらない姿で残ったマグノリアとチューリップの木。
なんだかすごい木なんだな~。
ところでマグノリアやチューリップの木が誕生した白亜紀半ばにはまだ地球にはミツバチがいなかったんです。
ミツバチの前身であるハナバチが生まれたのも白亜紀の末期。
じゃあマグノリアやチューリップの木の受粉はどうしていたか?
甲虫類(カブトムシのように甲らがある虫)が受粉していたんです。
甲虫は蜂などに比べると不器用なので受粉の仕事が上手ではありません。
そこで、マグノリアもチューリップの木も上向きに花が咲いて、甲虫が安全にとまれるようになっています。
そして花の中に空間のゆとりがあります。
そこを甲虫が歩き回る間に花粉がお腹の部分にたくさん付くようにできている。
マグノリアの種類によれば、夕方甲虫が立ち降りると花が閉じて朝まで甲虫が逃げられないようになっているものさえ存在します。
中でもがいている間に体中に花粉が付いて、花が再度開くとその花粉を次の花に運ぶという仕組みです。
何気なく見ている春の花々。
いろんなことを知ると見る目が変わってきますね。
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